【ヨミ】カクセイスイジュン

覚醒水準

覚醒水準とは?

「覚醒水準」とは、心理学の用語で、パフォーマンスの高さに関わる緊張・興奮状態のレベルのこと。パフォーマンスを発揮するためには、作業に見合った適度な刺激や緊張が必要です。覚醒水準が上がると、心拍数が高くなって筋肉や脳に流れる血流が増し、比例するようにパフォーマンスが上がっていきます。しかし、ある地点に到達すると、覚醒水準が高くなるにつれてパフォーマンスが下がっていきます。これをグラフにするとU字を逆さにした形状になることから、「逆U字理論」と呼ばれており、特にスポーツ心理学の分野で活用されています。

掲載日:2022/03/10

覚醒水準をビジネスの現場で活用するには

覚醒水準とパフォーマンスの関係性をグラフにした逆U字曲線において、覚醒水準が高すぎる、つまり興奮しすぎたり力みすぎたりすると、パフォーマンスが下がってしまいます。そんなときは体の緊張を解きほぐすことで、覚醒水準を最適化できます。この最適な覚醒水準を「ゾーン」や「フロー」ともいいます。

どんな競技を行うかによって、最適な覚醒水準は異なります。砲丸投げのように瞬時に大きな力を発揮する競技や、ラグビーのように身体の接触がある競技では、リラックス状態よりやや興奮状態にあるほうがパフォーマンスを発揮しやすいようです。ゴルフやアーチェリーのように冷静なプレイが必要な競技では、興奮状態にあると正確さを欠くため、リラックス状態が好ましいとされています。

作業内容によって最適な覚醒水準が異なるという考え方は、ビジネスにも応用できます。大勢の前でスピーチをするときには、多少興奮状態のほうが士気を高める話し方ができるでしょう。一方、通常業務は長時間に及ぶため、リラックスした状態のほうが集中力は持続します。ただし、自宅にいるようなリラックス状態ではやる気が出ず、生産性が上がりません。

リラックスをしつつも多少の緊張がある状態、例えばオフィスで他の社員の存在を感じる、キーボードのタッチ音が聞こえるといった環境が、ほどよい緊張感を与える一要素なのでしょう。それぞれの作業に適した、リモートワーク、フリーアドレス、集中ルーム、談話室といった環境の選択肢を用意することで、覚醒水準に応じた働き方を従業員自身が選べることが理想です。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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