2019年の働き方改革関連法の施行、2023・2024年と相次ぐ労働基準法の改正。職場をめぐる法制度は時代に合わせて目まぐるしくアップデートされており、企業は多様な働き方への対応を迫られています。そこで注目されるのが、従来の勤怠管理よりも幅広いデータを活用して従業員の権利を保護するとともに、労働生産性やコスト効率を最適化する「就業管理」という考え方。HRテクノロジー関連のサービスも、次々と登場しています。就業管理の実現に向けて、ITを導入する上で大切なポイントは何か。人事給与システム/アウトソーシングの専門企業として豊富な知見を持つ、株式会社JOEの中山和也氏と尾形直人氏に伺いました。
- 中山 和也さん
- 株式会社JOE 営業部長 兼 マーケティンググループ長
- 尾形 直人さん
- 株式会社JOE 営業部 部長(パートナー担当)
時代は「勤怠管理」から「就業管理」へ
2019年4月に働き方改革関連法が施行され、労働基準法も2023年、2024年と改正が続いています。労働法制をめぐる動きは、企業の人事にどのような影響を与えているのでしょうか。
中山:働き方改革関連法では時間外労働の上限規制が定められたほか、年次有給休暇の取得が義務化されました。また、2020年からコロナ禍となり、緊急事態宣言が出されたことで、テレワークが一気に普及。企業にとって多様な働き方への対応は急務となりました。しかし従来の紙ベースによる勤怠管理では、所轄官庁への届け出などで、さまざまな困難が伴います。そのため、システム化に取り組む企業が増えました。
2023年の労働基準法の改正では、大企業に続いて中小企業でも、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に引き上げられました。これは給与計算にも大きく影響します。
2024年の改正では、運輸、建設、医療・介護などの業種で設けられていた時間外労働の上限規制の猶予期間が終了することが決まっています。これらの業種は事業所外で働くことが多いため、もともと勤怠管理が難しい。また、ドライバーや建設技術者に関しては、勤務時間が制限されることで、社会全体に大きなインパクトがあると予想され、「2024年問題」と言われています。これも、勤怠管理の進化が求められる要因のひとつとなっています。
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