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離職防止とエンゲージメント向上 海外幹部・本社研修ポイント


毎年秋から冬にかけ、海外拠点の幹部(ローカル社員向け)の来日・本社研修が多く実施されます。筆者も企画・実施に多く携わっていますので本稿では(1)本社研修の位置づけと意義 (2)研修目的 についてご紹介をしたいと思います。

 

 

(1)本社研修の位置づけと意義

 

海外拠点の幹部社員をはじめとしたローカル社員(以後、ローカル社員)にとって本社研修は単なる研修機会にとどまりません。通常、ローカル社員にとっては現地で一緒に働く本社から派遣されてきた社員の考え方、能力、行動イコール本社の意向、という理解になりがちです。要は面ではなく、点として理解をしているのです。

 

そのような中、拠点ごとに異なる価値観や意思決定のスタイルを持つローカル社員が本社という「全社の中枢」に触れることは、企業全体を俯瞰し統合して理解をする視点を獲得する場となります。

 

一般に本社機能には「戦略(理念や方針、経営計画など)」「ガバナンス(制度や監査など)」「サービス提供(広報や人材育成など)」の三つがあります。(2)本社研修の目的、と関連しますが本社研修を企画する際にこれら三つのうちのどの機能に関連した企画なのかを本社サイドは押さえておく必要があります。

 

またキーとなるローカル社員の離職懸念などよく言われますが(単に勤続年数が長くても今度は駐在員よりも習熟している業務内容がブラックボックス化してしまいガバナンス上の問題をはらむことがありますがこれはまた別の機会に取り上げたいと思います)、エンゲージメント向上のための、聖地巡礼としての本社研修という位置づけもあります。

 

海外拠点で日々の業務に追われるローカル社員にとって本社を訪れることは「グローバル(グループ)経営において自らの立ち位置」を確認し「全社と自身の未来をどう関連づけ、ともに発展させるか」を再定義する体験になり得ます。人事部門はこの「巡礼性」踏まえ受講者が「訪れた意味」を強く実感できるように企画することが大切です。

 

興味深いのが、すでに十分エンゲージメントが高い(いわゆる教化されている)ローカル社員は本社研修においてコンテンツ(業務直結の研修内容など)の満足度が高いのに対し、まだエンゲージメントが高まる余地のある(社歴が浅かったり、理解が足りていない)ローカル社員は訪日や本社・他拠点の同僚と新たに知り合うなどの本社研修に参加するためのプロセス自体も満足度のポイントのようであることです。

 

このように本社研修をエンゲージメント向上のための「聖地巡礼」として捉え、対象者を踏まえた上で適切な企画をしておくとよいでしょう。

 

繰り返しになりますが本社研修では「講義の受講」にとどめず「体験による意味づけ」として位置づけることが重要です。

 


(2)本社研修の目的

 

本社研修の目的は大きく三点に整理できます。

 

・全社方針の浸透:戦略(理念や方針、経営計画など)を理解し、自拠点の運営に反映させる。あわせて自社の歴史や理念、代表的な施設の訪問などもローカル社員が期待しているとことです。

 

・知識・スキルの底上げ:人材育成などのサービス機能を通じて、制度や仕組みに関する共通理解を深める。

 

・ネットワーキング・関係性の強化:ガバナンス機能の土台となるような本社―海外拠点とあわせ、拠点間横断で協働できる関係を築く。

 

本社研修の目的を三点ご紹介しましたが、習得スキルには大きく分けて二つに分類できるということも触れておきたいと思います。一つは、ある企業の中でのみ通用する企業特殊的なもので、理念研修などはその最たるものです。この場合、会社負担で投資するインセンティブがあります。もう一つは語学や論理的思考力など広く活用可能な一般的な(ポータブル)スキルです。この場合のインセンティブは個人にあります。

 

これら違いを踏まえた上で「企業特殊的スキル(理念や歴史理解)」と「ポータブルスキル(論理的思考や語学力)」の双方を意図的に組み合わせるとといいでしょう。

 

 

(セントラルクエスチョンの設定)

また、数日間の研修を単発の講義の集合にしないためには、「今回の研修を通じてどのようなテーマを共有するか」を明示しておくことも大切です(全体を通底する問い、セントラルクエスチョンと言います)。これは電車の線路のようなもので一貫したテーマを定めることにより数日間にわたる各研修や職場訪問などの内容に一貫性を与えることができ、学び、共有や振り返りがしやすくなります。

 

 

おわりに

 

海外拠点のローカル幹部にとっての本社研修は戦略理解やスキル習得にとどまらず「自らがグローバル経営の一員である」という実感を得る機会となります。その意味づけを設計できるかどうかは人事部門の工夫にかかっています。

 

単なる知識提供ではなく「体験による意味づけ」を重視する姿勢が求められます。そのためには、研修時・研修後の振り返りや上司の関与などを組み込み、帰国後の実践につなげる仕掛けを持つことが大切です。

 

本社研修は組織と個人をつなぎ、新たな意味づけを創造することができる場なのです。

 

このコラムを書いたプロフェッショナル

小平達也

小平達也
株式会社グローバル人材戦略研究所

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

「外国人社員の証言 日本の会社40の弱点」(文藝春秋)ほか執筆多数。政府有識者・大学講師、経団連グローバル人材育成スカラーシップ設立から一貫して携わるなど政策・教育からも成長を支援。趣味は寄席通い、富士スピードウェイ走行ライセンス所持。

得意分野 経営戦略・経営管理、モチベーション・組織活性化、グローバル、リーダーシップ、マネジメント
対応エリア 全国
所在地 港区

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