大切なのは「評価」ではなく「フィードバック」
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
前回は「評価」の必要性についてお伝えしましたが、
もう少し正確に言うと、
大切なのは「評価」や「考課」によって点数を付けることではなく、
長所や課題を把握するための「フィードバック」になります。
人というのは案外、自分のことほどよく見えていないものですから、
「人から自分がどう見られているか」という情報を得ることは、
成長のために大変有意義なことです。
それが人事制度で言えば「評価制度」ということなのですが、
人というのは自分に「点数が付く」あるいは「格付けされる」と
いうことを好ましく思いません。
ましてや、それが給与と連動するとなると、
自分への評価を素直に受け入れられる人は少ないでしょう。
評価制度を「成長のための情報源」として捉えるならば、
統一された評価基準によって点数を付けるのは逆効果なのです。
ではどうするかと言うと、
当社の人事制度は、評価結果と給与制度とを連動させていません。
この話をさせていただくと、
多くの方が「給与はどう決めるの?」という疑問を持たれますが、
別の機会でご説明したいと思います。
評価制度では「点数を付ける(ランクを付ける)」必要があると
思いこんでいる方もいらっしゃいますが、
それは給与制度と連動しているから必要なことであって、
評価と給与を分離すれば、点数付けはまったく必要ないのです。
点数を付ける必要がなくなると、
評価制度を社員さんの成長をサポートするための仕組みとして
自由に活用できるようになります。
複雑な構造などは、まったく必要ありません。
そもそも「評価」という言葉自体も馴染まなくなります。
別に「評価」する必要はないのです。
その人に対して感じたことを、素直に伝えるだけで良くなります。
それが、「フィードバック」です。
相手に対して
「期待していること」「感謝していること」
「素晴らしいと思っていること」「課題だと思っていること」
などを、率直に伝えることがフィードバックです。
経験上、多くの人は「評価」よりも「フィードバック」の方が
心理的に受け入れやすいものです。
人事制度を社員さんの成長をサポートする目的で活用したければ、
評価点を付けるよりもフィードバックの方が有効です。
更に言えば、制度がどんなものであるかに関わらず、
日常の関わりの中でフィードバックし合える社風であるならば、
評価制度などは必要ないのです。
生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔
このコラムを書いたプロフェッショナル
福留 幸輔(フクトメ コウスケ)
代表取締役
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。

福留 幸輔(フクトメ コウスケ)
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アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
得意分野 | モチベーション・組織活性化、労務・賃金、人事考課・目標管理、キャリア開発、その他 |
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対応エリア | 北海道・東北(北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県) 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県) 信越・北陸(新潟県、富山県、石川県、福井県、長野県) 東海(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県) 近畿 中国(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県) 四国(徳島県、香川県、愛媛県、高知県) 九州・沖縄(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県) |
所在地 | 吹田市 |
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