日本航空と日立製作所、IoTと人工知能を活用して
JALの従業員満足度の向上をめざす共同実証実験を開始
日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:植木 義晴/以下、「JAL」)と株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、「日立」)は、2015年10月5日から約3カ月間、日立グループが開発したIoT(Internet of Things)と人工知能の技術を活用して、JALの従業員満足度の向上をめざす共同実証実験を開始します。
本実証実験では、ワークスタイル変革の施策などと従業員満足度の関係性の発見に取り組みます。JALの間接部門で働く従業員約80名を対象に、日立グループが開発したIoTデバイス(名札型ウエアラブルセンサー)*1を用いて従業員の身体運動を捉え、その身体運動の特徴パターンから、集団の活性度を定量的に算出した「組織活性度」と、従業員の属性や担当業務の特性、ワークスタイル変革施策の実施状況などのデータを組み合わせ、日立の人工知能を用いて分析を行います。日立の人工知能は、従来は人手で行っていた仮説設定・検証の自動化を実現するものです。本実証実験により、「組織活性度」に影響する要素とその影響度を算出することができるため、JALグループにおけるワークスタイル変革施策の成果に関する分析や新たな施策の検討に役立てることができます。
JALグループでは、企業理念やJALフィロソフィ*2の体現をめざしたワークスタイル変革に取り組んでおります。今般、「JALなでしこラボ」*3を設置し、さらにその取り組みを加速させています。JALグループは、ITツール導入などによる業務の効率化だけではなく、従業員一人一人が成長し、それにより得られる従業員満足度の向上をワークスタイル変革の最終的な目標としています。
近年、従業員満足度への社会的な関心がますます高まっています。2015年12月1日から、労働安全衛生法の一部改正に伴い、従業員数50人以上の事業所を対象として、事業者による労働者へのストレスチェックや面接指導の実施などを義務づける制度が施行されます。また近年、内閣府が「主観的幸福感」を中心とする国としての幸福度指標を検討し*4、文部科学省では「ハピネス社会の実現」をめざす研究プログラム*5を推進するなど、ストレスの低減や幸福感の向上は社会全体の重要な課題の一つとして認識され、企業にとっても重大な責務となっています。こうした背景のもと、JALは本実証実験を開始します。
JALグループは本実証実験の成果を、今後のワークスタイル変革推進において活用し、従業員満足度の向上に取り組んでまいります。また、これまでJALグループが取り組んできた成果もあわせ、旅客業務をはじめとした直接部門の現場スタッフにおいて活用することで、お客さまサービスの品質向上に役立てていきます。
日立は今後も、JALの実証実験を支援するとともに、人工知能を活用した企業の組織活性度の向上や効率的な業務運用に貢献してまいります。
*1:株式会社日立ハイテクノロジーズが提供する、加速度センサーや赤外線センサーなどを搭載したウエアラブルセンサー。身体の動きに関するデータを計測し、統計的分布特性に着目することで組織活性度を算出する。
2015年2月9日付 日立プレスリリース 『集団の幸福感に相関する「組織活性度」を計測できる新ウエアラブルセンサを開発』参照
*2:JALのサービスや商品に携わる全員がもつべき意識・価値観・考え方などに関するJALが定めた指針。
*3:2015年9月30日付 JALプレスリリース 『「JALなでしこラボ」誕生』第15129号 参照
*4:内閣府経済社会総合研究所「幸福度に関する研究会報告―幸福度指標試案―」平成23年12月
*5:文部科学省、科学技術振興機構「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)拠点提案募集」平成25年6月
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社日立製作所 http://www.hitachi.co.jp/ /10月5日発表・同社プレスリリースより転載)