ヘイズ、中国の金融・財務分野における深刻な人材不足についてコメントを発表
人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:クリスティーン・ライト、以下ヘイズ・ジャパン)は、同社が半年ごとに発行する人事専門誌『ヘイズ・ジャーナル』の中で、中国の金融・財務分野では、経験豊富な人材が極端に不足していると説明しています。その中で、現地の人材不足を好機ととらえ中国での職務を得ようと考えている求職者に対し、中国語のスキルと中国文化への順応性が必要であるとアドバイスしています。
本ジャーナルでは多くの金融機関が1年以上前から有能な金融業務経験者の採用が難しくなったと感じていると報告しています。またeファイナンシャルキャリアズが中国の金融業界で働く人々を対象に行った『中国スキル調査』によると、回答者の95パーセントが人材不足を感じており、さらに10人のうちおよそ3人(28%)は「慢性的に」人材が不足していると述べています。
へイズの中国・香港地区ディレクターであるエマ・シャーノックは中国の人材市場について次のように述べています。「中国におけるグローバル企業のビジネス拡大をうけ、優秀な人材不足が深刻化しています。というのは、必要とされる知識・経験を有する優秀な人材が不足しているのです。人材不足に拍車をかけている要因として、中国では新規就職者数より退職者数のほうが多いという人口構成上の変化や、沿海部の巨大都市と成長を続ける内陸部の都市間で人材と企業が流動化していること、そしてグローバル企業による積極的な採用などが挙げられます」。
「特に上海はニューヨークやロンドンのような国際金融ビジネスのハブになることを目指しており、ここでも顕著な人材不足が見受けられます。一番求められている人材は、資産運用、金融機関、有限会社とのリレーション管理などの経験者です。その他、財務分析、財務モデル構築、融資サービスなどの経験者も不足しています。また中国政府の外資系金融機関に対する規制緩和が行われ、外資系銀行が中規模都市で多数の人材を採用しています。さらに有力金融機関が日本、香港、シンガポールなどからバックオフィスを中国に移す中、中国では小口金融部門、法人向け銀行部門、トレード・ファイナンス、企業融資部門が拡大成長しています」。
「中国で業務を展開する多国籍企業では、本社と同様の業務を行うため重役や上級職に外国人を積極的に採用していますが、中間職には現地採用した人材に教育訓練を実施する企業がほとんどです」。
ヘイズでは現在金融・財務職につき、今後中国での職務を希望する求職者に次のアドバイスを行っています。
■ 中国語のスキル :
10~20年前までは経験豊富な人材なら外国人でも中国の多国籍企業の幹部に就職することが容易でしたが、最近では外国人で英語と中国語を話す人が多くなってきており、両言語を流暢に話す高い能力が必要となっています。ただ上級管理職のポジジョンでは英語が流暢ならば中国語は会話程度でよい場合もあります。極度な人材難のファイナンシャル・テクノロジーの上級職では経験、技術、技能が優先され中国語は必須ではありません。
■ 英文履歴書 :
中国の外資系金融機関に応募する場合、中国語の履歴書は必須ではありません。
■ 中国文化に対する理解 :
同様の学歴や職業経験を持った外国人応募者が複数いた場合、企業は中国で就業・留学経験のある人を好む傾向があります。そういった経験の持ち主は文化の違い、中国人の態度、ビジネス上の慣習などを良く理解して中国のビジネス環境に溶け込み易いからです。なお、中国では都市部と地方では価値観や文化的背景、教育、技能レベルなどに違いがあることに留意してください。
■ 社内異動 :
最も簡単に中国に渡る方法は現在務めている企業での社内異動です。将来中国で仕事に就く意欲がある方は、中国に拠点を置く多国籍企業へ移籍することも一つの手段です。
(ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社 http://www.hays.co.jp/ /11月21日発表・同社プレスリリースより転載)