「2012年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」結果を発表
厳選採用が続き内定基準は依然厳しく、企業にとっても厳しかった12年卒の採用活動
13年卒の採用数は8割以上が「今年度並み」。震災の影響受けず採用人数は堅持
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、社長:中川信行)は、国内企業を対象に実施した2012年卒の新卒者採用に関する「2012年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」(1,757社回答)を発表しました。概要は以下の通りです。
<調査結果>
■ 内定者への満足度:質・量ともに満足する企業は約4割。課題は採用数の確保
内定者の「質・量とも満足」している割合は、厳選採用を迎えた10年卒採用では大幅に増加し、5割(50.9%)を超えたが、11年卒(46.2%)、12年卒(40.1%)と2年連続で減少している。特に上場企業では前年比10.5pt減少し、なかでも理系の満足度は13.8pt減と昨年を大きく下回った。
一方、「質は満足・量は不満」は前年比7.5pt増の29.7%、「質・量とも不満」が前年比4.4pt増の11.9%と、「量」に対する満足度の低下が目立つ。採用数の回復がみられた12年卒採用だが、採用基準に達する学生に出会えず採用予定数の確保が難航しているとみられる。
■ 内定出し基準:厳しい採用基準変わらず。「昨年並み」が増加し「昨年より厳しくした」減少
内定出し基準を昨年と比較して聞いたところ、「昨年並み」が74.6%(11年卒61.3%)と最も高く、10年卒から続く厳しい採用基準を今年度も踏襲する企業が多い結果となった。急激に厳選採用が進んだ10年卒採用では「昨年より基準を厳しくした」が半数を超えたが、2年経った今も依然として基準の高さは維持されているようだ(12年卒21.8%、11年卒36.3%、10年卒56.8%)。
■ 採用活動の印象:「厳しかった」が大幅に増加、理由は「学生の質の低下」が5割以上
採用活動の印象は、「昨年より厳しかった」+「昨年並みに厳しかった」が前年比12.4pt増の80.9%となった。なお、上場企業では前年比14.2pt増の90.2%と、この傾向が顕著にみられた。
採用活動が厳しいと感じた理由は「学生の質の低下」が51.6%と最も高かった。次いで「母集団の確保」(37.3%)、「辞退の増加」(37.1%)、「セミナー動員」(24.6%)となっている。
学生の行動量の減少による母集団形成に苦しんだ点や、東日本大震災の影響で、選考時期の足並みが揃わず内定辞退の増加に繋がるなど、厳しい採用環境だったようだ。
■ 採用活動の終了予定時期を震災前と比較:終了時期は当初計画より後倒し、長期化が目立つ結果に
12年卒の採用活動の終了予定時期を、東日本大震災発生前に調査した「2012年卒マイコミ新卒採用予定調査」(調査期間:2011年2月4日~3月7日、発表:2011年4月)と比較した。
東日本大震災以前の調査では、終了予定を「2011年6月」とした割合が24.0%と最も高く、次いで5月(20.3%)であった。しかし今回の調査では7月が16.9%と最も高くなり、次に6月(15.3%)、8月(14.8%)が続き、全体的に後倒しになっていたことがわかる。また、採用活動の期間についても「長期化する(した)」が42.4%となり、「2012年卒マイコミ新卒採用予定調査」と比較すると30.6pt増加している。特に上場企業では55.9%が「長期化する(した)」と回答しており、東日本大震災の影響が顕著にみられる結果となった。
■ 次年度(13年卒)の採用活動:「厳しくなる」6割。要因は学生の質の確保、採用期間の短縮。
一方、採用数は今年並みを維持
次年度の採用活動の見解を聞くと、「非常に厳しくなる」+「厳しくなる」が前年比18.4pt増の60.0%となった。上場企業では70.4%にのぼり、この傾向が更に高いようである。学生の質の確保に加え、広報活動の後倒しによる採用期間短縮などの影響を鑑みた結果といえる。
次年度の採用数は「今年度並み」が前年比5.6pt増の81.0%となり、また「大幅に減らす」+「多少減らす」が前年比5.4pt減の9.9%と、前年に続き回復傾向にある。震災による採用意欲の低下が懸念されていたがその影響も少なく、今後も採用人数は維持されるとみられる。
■ 留学生の採用方針:高まる需要、次年度留学生採用を予定(or検討)する企業は3~4割に
2012年卒採用で留学生を「採用した(する予定)」としたのは、日本人留学生が8.4%、外国人留学生が10.7%、現地大学生が2.9%となった。特に上場企業では外国人留学生の採用は27.1%にのぼっており、日本人留学生の18.1%を9.0pt上回っている。
また、次年度の2013年卒採用では、留学生を「採用する予定」と決めている企業は、日本人留学生、外国人留学生とも8.8%だが、現在「検討中」とする企業も少なくない。日本人留学生では30.6%、外国人留学生では24.0%が次年度採用を検討している。
急激な円高や国際競争の激化による海外への事業展開が進み、留学生採用へのニーズは年々高まっている。今後この傾向はさらに加速するとみられる。
【 「2012年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」調査概要 】
○ 調査方法/回答用紙を郵送後、FAXまたはWEBから回答
○ 調査期間/2011年8月19日(金)発送、9月8日(木)受付締切り
○ アンケート送付対象/国内企業7,946社
○ 回答数/1,757社
(回答内訳(1)『上場企業 』330社、『非上場企業』1,427社 回答内訳(2)『製造業』646社、『非製造業』1,111社)
※ 調査結果の詳細はマイナビ採用サポネットで公開しています
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ http://www.mynavi.jp/ /10月5日発表・同社プレスリリースより転載)