日本リージャス、世界15,000社を対象とした
「ソーシャルネットワーキングのビジネス利用実態調査」の結果を発表
ソーシャルネットワーキングは新たなビジネス戦略として広く使われるようになっており、世界中の企業の4割がソーシャルネットワークを通じて新たな顧客を獲得している中、日本でSNSを活用している企業は3割にとどまる ―― 世界最大のサービスオフィス・プロバイダーであるリージャス(本社:ルクセンブルク、CEO:マーク・ディクソン)は、本日、『ソーシャルネットワーキングのビジネス利用に関するグローバル調査(リンク先は英語のみ)』の結果を発表しました。
本調査によると、世界の企業のおよそ3割がマーケティング予算、文字通り「現金」を、ソーシャルネットワーキング活動に配分しており、企業が今やソーシャルネットワーキングという手法に投資をし始めているという傾向を裏付けるものとなりました。
同調査は、2010年2月〜3月の期間に、15,000社を超えるリージャスの顧客を対象に実施され、うち、1,276社の日本企業から回答を得たものです。
【 ソーシャルネットワーキングの利用実態:世界 VS 日本 】(表)
質問: 以下の内容に同意しますか? | 「同意する」と 回答した割合 | |
世界 平均 | 日本 | |
転職した人とも連絡・関係を保つためにビジネスネットワーキングサイトを積極的に利用する | 58% | 39% |
共通の関心事や仕事、スキルを持つ人が集まるビジネスネットワーキングサイトに積極的に参加している | 54% | 41% |
新規顧客を獲得するためにビジネスネットワーキングサイトを活用している | 40% | 30% |
ビジネスネットワーキングサイトを利用して就職先を見つけたことがある | 22% | 30% |
企業の情報を得るためにソーシャルネットワーキングサイトを積極的に利用している | 54% | 43% |
動画・音・アニメーションなど使用して企業の情報を発信しているサイトに強く印象づけられる | 44% | 44% |
顧客グループを体系化したり管理したりするのに、ソーシャルネットワーキングを利用している | 51% | 53% |
プライベートでもひとつ以上のソーシャルネットワーキングサイトに登録している | 66% | 57% |
顧客との接点を作るためソーシャルネットワーキングにマーケティング予算を配分している | 27% | 19% |
2010年末までには顧客との接点を作るため、ソーシャルネットワーキングにマーケティング費用を積極的に配分する予定だ | 36% | 27% |
ソーシャルネットワークは今後も顧客獲得の有効な方策とはならないと思う | 34% | 32% |
これまで、企業のSNS利用の実態やその効果については、世界的に見てもほとんど調査分析がされておりません。そこで、本調査は、世界の企業が今後、SNSをマーケティング活動の有効なツールとして本格的に利用しようとしているのかを明らかにすることを目的とし、企業の経営層に対し、SNSが新規顧客獲得に結びついているかだけでなく、マーケティング予算を配分するほどの利用価値があると認識しているか、などを質問しました。
その結果、58%の人が仕事上の付き合いを保つためにSNSを利用、同様に54%が共通の関心事、事業やスキルを持つ人が集まるサイトに参加するなど、SNSは引き続きその本来の役割を果たしていることが明らかになりました。34%の人は、SNSは決して既存および潜在顧客にリーチする有効な手段にはなりえない、とその効果に懐疑的ですが、半数以上の51%は、顧客グループを体系化し相関させたり、あるいは管理をするのにSNSを利用しています。また、必要なビジネス情報を収集するためにSNSを利用している企業の数も54%に上りました。しかしながら、LinkedInをはじめ就職活動をサポートするサイトが多数存在するにも関わらず、SNSを通じて就職先を見つけたことがあると回答した人はわずか22%でした。
【 遅れをとる日本におけるSNSのビジネス利用 】
日本の状況については、マーケティング予算をSNS活用に配分している企業はわずか19%(世界平均27%)、仕事上のつきあいを保つために利用する人も39%(世界平均58%)にとどまりました。情報収集 手段としての活用においても43%で、世界平均の54%を大きく下回っています。逆に、世界平均値と同様もしくは上回ったものとしては、SNSを通じて顧客グループを管理している(53%)、SNSを通じて音声や動画などで企業情報を紹介をしているサイトに強く印象付けられる(44%)、と回答した割合でした。
リージャスグループの北アジア地区担当会長である呉偉(くれ たかし)は、今回の調査結果に関して次のような見解を述べています。「SNSがいよいよビジネスツールの主流として台頭しつつある事実を明らかにした点で、このグローバル規模の調査は大変革新的なものであると考えています。SNSが既存および潜在顧客に到達する有効な手段にはなりえない、とする懐疑論者の根強い意見もありますが、大半の企業はすでに実際にマーケティング予算をソーシャルネットワーキングの活動に割り当てており、新規顧客獲得や既存顧客のリテンションに活用しています。」
「現段階では、これらのソーシャルネットワークは引き続き主に顧客との接点を持続するのに使われていますが、新規顧客獲得や、既存顧客のリテンション、顧客グループとのコミュニケーションにおいても企業はSNSを成功裏に活用し始めています。日本では2900万人という莫大な登録者を持つSNS、mixi(ミクシィ)があり、企業がSNSのビジネス利用に二の足を踏んでいるのは世界のトレンドからしても考えにくく、あらためて検討すべきではないでしょうか。日本をはじめ、未だにソーシャルネットワークを利用していない国は多々あり、絶好のビジネスチャンスを逃がしているかもしれません。実際、オランダ(48%)、インド(52%)、メキシコ(50%)、スペイン(50%)などの国では、多くの企業がSNSを通じて新規顧客獲得に成功していることが報告されています。」
【 中小企業は主にSNSを活用 】
企業の規模別に見ると、中小企業では大半がSNSを活用していることが調査で明らかになりました。大企業(21%)に比べ、中小企業(20%)はマーケティング予算をSNSに配分している割合はわずかに低いものの、新規顧客獲得においては大企業(23%)より中小企業(33%)の方がSNSを活用しています。さらに、世界のトレンドとは反対に、大企業の26%がSNSを通じて新社員を確保したことがあるのに対し、中小企業ではその割合が32%となり、大企業を上回る数字となっています。
また、業界別では、小売業の43%がSNSを通じて新規顧客を開拓しているのに対し、金融業ではわずか17%で、世界平均の40%を遥かに下回る数字となりました。同じく金融業界においては、SNSの活用に対して懐疑的な意見を持つ人の割合も世界平均の34%を上回る40%となりました。小売業界についてはさらに、29%(世界平均27%)がマーケティング予算の一部をソーシャルネットワーキングのための活動に積極的に費やしていることも判明しています。
日本リージャス http://www.regus.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・7月8日