東京大学社会科学研究所、「ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト」
「管理職の働き方とワーク・ライフ・バランスに関する調査」報告書を発表
東京大学社会科学研究所(所長:末廣 昭)では、民間企業と共同して「ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト」(代表:佐藤博樹東京大学社会科学研究所教授、リーダー:武石恵美子法政大学教授)を2008年10月に発足させ、企業におけるワーク・ライフ・バランス(以下WLB)推進と働き方の関係などに関する調査研究を開始した(詳しい活動内容は、下記HPを参照)。
■ 東京大学社会科学研究所 ワーク・ライフ・バランス推進・研究プロジェクト
当プロジェクトが2008年度に実施した首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県)に居住しかつ民間企業に勤務する正社員を対象とする「働き方とワーク・ライフ・バランスの現状に関する調査」(詳細は上記HP参照)では、働く人々のWLBの実現にとって管理職の職場のマネジメントがカギであるが、管理職が非常に多忙かつ管理職自身がWLBを実現できていない現状にあり、職場マネジメントに課題が多いことが明らかになった。
そこで2009年度の調査(2009年10月実施)では、管理職の働き方や職場マネジメントの実態を把握した上で、社員のWLBを実現する職場マネジメントの特徴を明らかにすべく、管理職を対象としたアンケート調査を実施した。調査結果に基づく提言と結果の概要は以下のとおりである。なお、結果概要および提言は、民間企業の参加者の意見も踏まえて、プロジェクトメンバーの責任で取りまとめたものである。
【 職場のWLB実現に向けた提言 】
■ 提言1
部下のWLB と職場生産性向上の両者を実現させるためには、管理職が部下の業務遂行状況を把握し支援する能力(本概要における「適正な部下管理」)を高めることが重要である。
■ 提言2
部下のWLBと職場生産性向上の両者を実現させるためには、管理職自身がメリハリをつけた働き方を実践するとともに所定内労働時間で仕事を終えることを推奨する意識を持つ(本概要における「WLB管理職」)ことが重要である。
■ 提言3
労働時間・休憩・休日に関する労働基準法上の規定の適用から除外されている管理職に対しても労働時間や働き方をモニタリングし、管理職が長時間労働になることを抑止して「適正な部下管理」を実行できる時間を確保することが重要である。
■ 提言4
会社によるWLB支援への取組や労働時間管理の改善に向けた取組は「管理職のマネジメント」力を高めることから、企業は組織的にこれらに取り組むことが重要である。
◆ 本調査の詳細はこちらをご覧下さい。
東京大学社会科学研究所 http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/ /同研究所の調査結果より抜粋・6月25日