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ニュース
人事サービス 人事労務・管理
掲載日:2010/03/09

マンパワー雇用予測調査
2010年第2四半期(4−6月期)結果発表

総合人材サービスのマンパワー・ジャパン(神奈川県横浜市、取締役・代表執行役会長兼社長:ダリル・グリーン)は、2010年第2四半期(4−6月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を3月9日付で発表します。調査結果は「2010年1−3月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界36ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。

今回、日本で行った調査では、東京・大阪・名古屋の企業1,150社から回答を得ました。その結果、季節調整後の純雇用予測は−1%と前四半期、前年同月期から変化はなく、企業の雇用意欲が低調なまま停滞していることが伺えます。

また、マンパワー雇用予測調査は、地域別(東京、大阪、名古屋)で調査を行うと共に、業種別(7業種*)での調査も行っています。地域別の純雇用予測(季節調整後)では、前四半期に雇用意欲の改善が見られた名古屋で前四半期比6ポイント減の−4%となっており、企業の不安定な雇用活動を反映しています。また、大阪も前年同月比、前四半期比共に2ポイント減の−5%となり、引き続き企業の雇用意欲が低調なことが予想されます。一方、東京の純雇用予測値は0%と、3四半期連続で変化がなく、企業の雇用意欲が停滞していることが伺えます。但し、前年同月比で見ると、純雇用予測値は名古屋で2ポイント増、東京で3ポイント増となっており、昨年と比べるとやや雇用情勢は改善していることが見受けられます。

業種別で見ると、7業種中6業種において雇用活動が再び減退しています。但し、前四半期に大幅に雇用意欲が落ち込んだ「運輸・公益」は、前四半期比15ポイント増、前年同月比5ポイント増の−2%と大幅に改善しており、雇用意欲が回復基調にあります。今回、再び減少に転じた6業種中、「金融・保険・不動産」の減少幅が最も大きく、前四半期比10ポイント減、前年同月比8ポイント減の−7%となっており、純雇用予測値が金融危機直後の数値よりも下回っています。

*純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。

*季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。

*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」

【 調査結果 】2010年第2四半期(2010年4-6月期)

(1) 純雇用予測は前四半期、前年同期から変化はなく−1%、企業の雇用意欲は低調なまま停滞
2010年第2四半期の純雇用予測(季節調整後)は前年同期、前四半期から変化はなく−1%となり、依然としてマイナス数値に留まっており、企業が雇用活動に対して慎重になっていることが伺えます。具体的には、東京・大阪・名古屋の企業1150社からの回答のうち、従業員を「増員する」と回答した企業は26%、また「減員する」との回答は13%、「変化なし」は56%となっています。また、「変化なし」の値が、前年同月から4ポイント増加していることから、企業の雇用活動が足踏み状態にあることが伺われます。

(2) 地域別の雇用意欲は、名古屋、大阪で悪化、東京は3四半期連続で変化なし
地域別の純雇用予測(季節調整後)は、前四半期に大幅に雇用活動が回復した名古屋で再び純雇用予測値が前四半期比6ポイント減の−4%とマイナスに転じています。大阪は前四半期に引き続きマイナス傾向が続いており、前四半期比、前年同期比共に2ポイント減の−5%となっており、低調な雇用活動が予測されます。一方、東京の純雇用予測値は、3四半期連続で変化はなく0%となっており、雇用活動の停滞が見込まれます。前年同月比で見ると、名古屋では2ポイント増、東京でも3ポイント増となっており、昨年に比べるとやや改善していますが、回復は弱いと言えます。

(3) 業種別の純雇用予測は、7業種中6業種で減少、さらに4業種において調査以来の最低値を記録
業種別の純雇用予測(季節調整後)は、7業種中5業種でマイナス値となっており、前四半期に比べると6業種(「金融・保険・不動産」、「製造」、「鉱工業・建設」、「公共・教育」、「サービス」、「卸・小売」)で、雇用意欲の減退の兆しが見受けられます。中でも、「金融・保険・不動産」及び「鉱工業・生産」は−7%と、共に調査開始以来の最低値を記録しています。特に、「金融・保険・不動産」は、5四半期ぶりにマイナスに転じています。また、「サービス」及び「公共・教育」も調査開始以来の最低値を記録しており、それぞれ−1%、0%となっており、雇用意欲の低迷が見込まれます。「製造」は、前四半期比1ポイント減の−4%とマイナス値ではありますが、前年同月比では14ポイントと大幅に増加しており、金融危機後に比べると雇用水準が戻りつつあることが伺えます。「卸・小売」も、前四半期に比べ2ポイント減ってはいるものの、前年同月比では1ポイント増の1%となっており、雇用意欲の回復が期待されます。一方、前四半期に7業種中最も純雇用予測値が低かった「運輸・公益」は、前四半期比15ポイントの大幅増、前年同月比5ポイント増の−2%と、マイナス値ながらも、来四半期は雇用活動の改善が見込まれます。

(4) 世界の結果では、アイルランド、スペイン、イタリア、チェコ共和国の雇用意欲が低調、北・南米及びヨーロッパ地域に比べ、アジア太平洋地域において雇用意欲の回復傾向が顕著に
世界の2010年第2四半期の純雇用予測では、約61,000社から回答を得ました。その結果、調査対象となった36カ国・地域のうち、純雇用予測は、前年同期と比べ27カ国・地域で増加、前四半期比では、19ヵ国・地域で回復しており、地域別の雇用意欲の回復傾向にばらつきが見受けられます。今回の調査から新たな調査対象国としてパナマ(北米・中南米地域)が加わっています。

< アジア太平洋地域 >
アジア・太平洋地域の8ヵ国・地域では、前四半期比、前年同月比共に7ヵ国・地域において雇用意欲が回復しており、企業の堅調な雇用活動が見込まれます。特に、インドの純雇用予測は前四半期比6ポイント増、前年同月比16ポイント増の39%となっており、企業の雇用意欲の大幅な改善が予測されます。また、台湾も前四半期比6ポイント増、前年同月比39ポイント増と純雇用予測値が改善し、雇用活動の活発化が期待されます。さらに、前四半期に比べ、香港が1ポイント増の15%、オーストラリアが2ポイント増の22%とアジアでの雇用活動が緩やかな回復傾向にあります。また、中国は前四半期と変化はなく14%、シンガポールは前四半期比5ポイント減の20%と地域内では高い水準ながらも、雇用意欲は控えめです。一方、日本の純雇用予測値が前四半期比、前年同月比ともに変化がなく、8カ国・地域の中で唯一マイナス値となっており、企業の雇用活動は引き続き消極的といえます。

《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:アジア・太平洋地域 》
アジア太平洋地域においては、引き続き堅調な人材の需要が見込まれます。背景には、同地域の内需拡大が挙げられるでしょう。マンパワー・インドによると、IT分野おける新興企業の新規市場参入による人材需要が高まっているとのことです。その結果、賃金格差を是正する方向へと動き、企業側は優秀な人材がより高い賃金を求めて流出するのを防ぐため、必然的に人件費を上げざるを得なくなっています。台湾の労働市場が堅調に推移している理由としては、金融・保険・不動産分野での人材需要の高まりが考えられます。調査対象企業の約半数が、2010年第2四半期に人員を「増やす」と回答しています。また、中国における雇用の先行きも引き続き楽観的で、特にサービス分野においては、企業の雇用意欲が過去3年間のなかで最も高くなっています。

< 北米・中南米地域 >
北米・中南米地域の純雇用予測は、前四半期比では6ヵ国・地域において雇用意欲が回復しています。ブラジルは、前四半期に引き続き同地域で最も純雇用予測値が高く、前四半期比7ポイント増の38%となっています。また、前四半期比ではコスタリカが3ポイント増、ペルーが8ポイント増と、共に23%と雇用意欲は堅調です。一方、米国の純雇用予測値は、前四半期比1ポイント減の5%と、同地域では最も低く、続いてカナダが前四半期比3ポイント減の7%と低調な雇用活動が予測されます。但し、前年同月比では、全ての国・地域で純雇用予測が改善しており、雇用活動は前年の水準までは回復しつつあると言えます。

《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:北米・中南米地域 》
北・南米地域における雇用活動は徐々に回復の兆しを見せています。米国における企業の雇用意欲は改善しているように見受けられますが、季節的要因を考慮すると前四半期とそれほど変化はありません。理由としては、金融危機直後に比べると、企業は人材を必要とする時期をより慎重に見極めるようになっており、将来的に需要が高まった際に備えるための人員確保は控える傾向にあるようです。逆に、企業は、少ない人員で可能な限り事業を拡大させ、国内需要が明らかな回復の兆しを見せてから増員するという姿勢を維持していくことが予想されます。ブラジルでは比較的明るい雇用活動が見込まれており、理由としては、金融・保険・不動産分野における企業の雇用意欲が堅調なことが挙げられます。また、メキシコでは、調査対象企業の24%が2010年第2四半期に雇用を「増やす」と回答しており、得に鉱工業分野における雇用活動が活発化することが予想されます。

< ヨーロッパ・中東・アフリカ地域 >
ヨーロッパ・中東・アフリカ地域における純雇用予測は、前四半期比では9ヵ国・地域、前年同月比では10ヵ国において回復しています。同時に、前四半期から純雇用予測が変化していない国・地域が、5ヵ国、前年同月比では3ヵ国となっており、同地域における企業の雇用活動に対する慎重な姿勢が伺えます。特に、フランスの純雇用予測値は、前四半期比1ポイント増、前年同月比3ポイント増の1%と、6四半期ぶりにプラスに転じています。また、ポーランドの純雇用予測が最も高く、前四半期比9ポイント増、前年同月比7ポイント増の13%となっており、雇用活動の大幅な改善が見込まれます。一方、イタリアの純雇用予測値は、前四半期比、前年同月比ともに5ポイント減の−11%と現地で調査を開始して以来の最低値を記録しており、厳しい雇用状況が予想されます。また、スペインの純雇用予測値は、前四半期、前年同月からは変化はなく、−11%と企業の雇用意欲が低調なまま停滞していることがわかります。

《 ジェフリー・ジョレス(マンパワー会長・社長兼CEO)のコメント:ヨーロッパ・中東・アフリカ地域 》
ヨーロッパ地域における労働市場の低迷が下げ止まった兆候はまだ見受けられませんが、調査結果を見ると、多くの企業が、前四半期と比べ雇用を「維持する」または「増やす」と答えています。また、前四半期と比べ、製造分野における企業の雇用意欲は、同地域の11カ国・地域で改善しており、ポーランドでは、25%の企業が従業員を増やすと回答しています。逆に、ドイツの求職者にとって、2010年第2四半期は、厳しい雇用情勢が続くことが見込まれます。特に、建設分野においては、調査対象企業の16%がこの先3ヵ月間で人員を削減すると回答しています。

【 調査概要 】
調査時期: 2010年1月14日〜1月27日

調査対象: 東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売

質問内容: 「2010年4-6月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2010年1-3月)と比べてどのような変化がありますか?」

調査方法: 次のいずれかの方法で回答を収集。
(1) 電話による聞き取り (2) 電子メールによるアンケート

有効回答数: 日本国内 1150社、世界36ヵ国・地域では61,000社

誤差の範囲:
調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±2.9%以内となっています。

調査の歴史: 45年以上の歴史をもつ当調査は、世界で最も信頼されている雇用予測調査の一つです。1962年に米国およびカナダで開始し、1966年にはイギリスが加わりました。その後、2002年に、メキシコとアイルランドが調査を開始し、2003年には、日本を含む世界13ヵ国・地域が調査に参加することとなりました。その後も、参加国は増え続け、現在では36ヵ国・地域で調査が行われています。

※ 次回のマンパワー雇用予測調査(2010年第3四半期)の結果発表は、2010年6月8日の予定です。

< マンパワー・ジャパン株式会社 取締役・代表執行役会長兼社長 ダリル・グリーンからのコメント >
政府の判断では、景気は「持ち直しつつある」との見方を維持しているものの、2月に入り日本経済のけん引役の一つである輸出の表現を「増加」から「緩やかに増加」へと判断を弱めるなど、企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。マンパワー雇用予想調査2010年第2四半期の結果を見ても、純雇用予測は、−1%と前四半期、前年同月期から変化はなく、企業の雇用活動は引き続き低調なまま停滞することが予想されます。また、業種別でみても、調査対象となった7業種中6業種で前四半期に比べて純雇用予測値が減退していることから、企業が雇用に対して消極的になっていることがわかります。

雇用情勢については、1月の完全失業率が4.9%と前月比で0.3ポイント改善し、10ヵ月ぶりに5%を下回ったものの、改善の主な要因は、政府が新たな雇用の受け皿として力を入れている介護や福祉の分野であるため、企業の採用意欲は依然として低調なまま推移していることがわかります。さらに、有効求人倍率についても、1月は、0.46倍と前月から0.03ポイント改善したものの、まだまだ低水準と言わざるを得ません。

マンパワー・ジャパンでは、今後も、本格的な景気の回復に伴う人材需要の増加に迅速に対応できるよう、変化する労働市場の動きを的確に把握し、企業及び求職者の方々にとって信頼されるパートナーとして、最適な人材ソリューションの提供を目指します。また、人材ビジネスにおいてマンパワーが長年培ってきたノウハウを生かし、雇用創出という観点から、介護や福祉など人材を必要としている分野をはじめ、働きたいと考える求職者の方々に対する就業機会の増大に貢献します。

本リリースの詳細はこちらをご覧下さい。

マンパワー・ジャパン http://www.manpower.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・3月9日

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