仕事探しの主流は“インターネット求人媒体”
ディップが求人サイトの現状と展望を探る調査発表
インターネットによる、正社員、派遣、アルバイトの求人・転職情報サイトを運営するディップ(東京都港区、冨田英揮・代表取締役社長)では、自社保有のサイト会員や求職者向けにアンケート調査を行い、多様化するワークスタイルに対する意識の違いや傾向について、隔月で「 Dip Report 」として発信しています。今回は、「ワークスタイルを限定しない仕事探し」について調査をまとめました。
厚生労働省の調査によると、2003年の1年間の入職者は605 万人となっており、これらの人が何らかの方法で仕事を探して就職したということになります。では、「仕事を探そう」と思ったとき、まず何を見ようと思うでしょうか。現在、求人情報を探すには、主にインターネット、モバイル、求人情報誌、新聞の求人欄といった媒体があります。これらの求人媒体の中で、求職者は実際にどの媒体を利用しているのでしょうか。
今回同社では、求職時に利用する媒体およびその併用率などを調査することで、現在、求職者と求人企業の両方から求められている求人情報媒体とはどのようなものか、また、インターネット求人媒体の今後の展望について探りました。
1980年代、正社員やアルバイトの転職活動には有料求人誌や新聞といった媒体が主な情報源でした。その後、求人情報媒体は、インターネット、フリーペーパーといった新しい媒体へと広がるとともに、各媒体の数も増加し、現在では、新卒、転職、派遣、アルバイトなど雇用形態別にさまざまな求人媒体が存在します。このような求人媒体の多様化と増加にともない、求人広告を出稿する企業側は、雇用形態別に出稿先を選定し、またその読者も、必要とする求人情報が掲載されている媒体を探し、選択する必要があります。媒体の多様化・増加により、求人情報が分散して掲載され、読者層も分散しているという状態です。では、現在、数ある求人媒体の中で、求職者はどういった媒体を利用しているのでしょうか。
主に10代〜30代の働く男女に聞いたアンケート調査の結果によると、「インターネット(パソコン・携帯電話)」が38.8%と最も割合が高く、「フリーペーパー」27.7%と続きました。以前主流であった有料求人誌は13.6%、新聞は6.9%にとどまっています。ネットアンドセキュリティ総研が行った転職サイト比較調査2004でも、転職経験者のうち、転職活動として行ったことは「転職サイトに登録する」が1位で68.9%となっており、「転職情報誌を購入」53.8%を大きく上回り、現在では転職活動において、転職サイトの活用はスタンダードになりつつあります。2002年を境に、現在主流である求人情報媒体はインターネットへとシフトしているようです。
インターネットの求人媒体を利用する求職者が増える一方、企業側はどの媒体を選択して求人広告を掲載しているのでしょうか。求人広告市場規模をみると、2003年度、求人広告市場6120億円のうち、インターネット求人広告は673億円で全体の10%ほどでしたが、2010年度には5倍以上の3450億円となり、求人広告全体におけるシェアは50%以上を占めると予想されています。
現在では、求人情報を探すツールとしてインターネットが最も広く使われており、出稿する求人企業側もインターネット媒体の比重を今後も高めていくことが予想されます。1994年頃からインターネット求人媒体は台頭し、それまで主流であった有料求人誌や新聞の求人欄にかわって、今では転職・就職の際のツールとして求人サイトは欠かせないものとなっています。
非正社員の増加など、雇用形態が多様化してきた現代において、転職ツールの主流となっている求人サイトは、その雇用形態ごとにサイト数も増加してきています。では、ユーザーはどのように求人サイトを選択しているのでしょうか。
求人サイトを利用している人のうち、複数の雇用形態の求人サイトを併用している人が約4割という結果でした。さらに併用率の詳細をみると、アルバイト求人サイトの利用者のうち、45.9%の人が派遣求人サイトを利用し、23.6%の人が転職サイトを利用しているといったように、求職者がいろいろな雇用形態の求人サイトを還流していることがわかります。それぞれにあった働き方を個人が自由に選択することができる現代において、ワークスタイルにとらわれず、業界や職種など、その他の条件に重点を置く求職者が増えていることが伺えます。
パート・派遣などの非正規労働者が担う業務内容が専門化し、働く側の意識の多様化が急速に進む現在、ワークスタイルにとらわれない求職者が増加しています。こうした状況の中では、求職者の多くが、いくつかの求人媒体を併用して、より自分にあった求人情報を探す必要があります。複数の求人サイトをひとつひとつ閲覧しないといけないという手間が掛かります。
以上のことから、同社では、複数求人サイトを閲覧しているユーザー側のニーズと、複数の求人サイトに出稿している企業側のニーズに応えるべく、同社が保有する正社員、派遣、アルバイトの各雇用形態の求人サイトの情報を統合し、ユーザーが雇用形態にとらわれず豊富な求人情報を横断して検索できる総合求人情報ポータルサイト「DipJobs」(ディップ ジョブス)(http://www.dipjobs.com/)を本日オープンしました。このサイトに訪れるユーザー側のメリットは、複数のサイトを見る必要がなく、あらゆる雇用形態の62000件もの求人情報を横断して検索することが可能なため、効率的に仕事を探すことができるということです。新たな雇用機会を創出し、ひとりでも多くの人に“夢をかなえる仕事に出会う”機会を、今後も提供していきたいと考えています。
『総合求人情報サービスを行うディップ株式会社が発表したDip Report による』
■Dip Report のデータはこちら http://www.dip-net.co.jp/news/trend.php
(ディップ http://www.dip-net.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・6月27日)