新卒採用支援サービス市場に関する調査を実施(2025年)
2023年度の新卒採用支援サービス市場規模は前年度比6.3%増の1,395億1,000万円
~売り手市場を背景に、引き続き企業の新卒採用意欲と需要が高まっており、当該市場は拡大基調~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の新卒採用支援サービス市場(7市場計)を調査し、各種サービス別の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2023年度の新卒採用支援サービス市場規模(7市場計)は、サービス提供事業者売上高ベースで前年度比6.3%増の1,395億1,000万円であった。2023年度は、引き続き企業の新卒採用意欲が高まっていることで、企業からの各種新卒採用支援サービスに対するニーズも増大していることに加え、売り手市場の継続に伴う採用活動の早期化・長期化によりサービスの提供機会が増加したことにより、市場は拡大した。
2.注目トピック
デジタル技術の活用による機能開発が進む新卒採用支援サービス
近年、新卒採用支援サービスにおいては生成AI等のデジタル技術の活用による機能およびサービスの開発が進んでいる。
具体的には、学生向けのものとして、生成AIを使って自己PRやエントリーシートなどの文章作成をアシストする機能や、AIから面接のフィードバックを得られる面接練習アプリなどがある。そのほか、企業向けのものとして、生成AIを使ってスカウト文の作成を支援する機能や、ノーコードで採用サイトを制作できるサービスなども展開されている。
上記の機能およびサービスは、新卒採用支援サービスを利用する学生と企業の作業効率化や、学生と企業を結び付ける際に用いる情報を充実させることで、マッチングの精度が向上している。
新卒採用支援サービスにおいては、今後も最新技術の導入による機能開発が進むことで、サービスの提供価値が高まることが期待されている。
3.将来展望
2024年度の新卒採用支援サービス市場規模(7市場計)は、サービス提供事業者売上高ベースで前年度比5.1%増の1,466億円を見込み、2025年度は同4.5%増の1,532億6,000万円を予測する。
当面の間学生優位の売り手市場は続き、企業の新卒採用意欲の高まりも継続することが見込まれることから、今後も新卒採用支援サービスに対する企業からのニーズは高く保たれ、新卒採用支援サービス市場は拡大していくものと予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2025年1月~2025年3月
2.調査対象: 新卒採用支援サービス事業者、有力大学法人等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<新卒採用支援サービス市場とは>
本調査における新卒採用支援サービス市場とは、大学生(短大・大学院生含む)の新卒者の採用時に利用されるサービスをさし、その対象は、就職情報サイト市場、イベント・セミナー市場、新卒紹介サービス市場、新卒採用アウトソーシング市場、新卒採用アセスメントツール市場、内定者フォローサービス市場、新卒向けダイレクトリクルーティングサービス市場の7分野の市場とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
就職情報サイト、イベント・セミナー、新卒紹介サービス、新卒採用アウトソーシング、新卒採用アセスメントツール、内定者フォローサービス、新卒向けダイレクトリクルーティングサービス
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社矢野経済研究所/5月1日発表・同社プレスリリースより転載)