精神障害者の就業実態や課題を調査
パーソルダイバースは、障害者の転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」に登録している精神障害者の就業実態や課題などを調査しました。本調査はパーソル総合研究所が2023年2月7日から2月28日に実施した「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」の一環として実施したものです。パーソルダイバースは今後も、本調査で明らかになった精神障害者の就業実態や課題をふまえ、約1000名の精神・発達障害者を雇用するパーソルグループ特例子会社としての雇用知見を活かし、精神障害者の多様な雇用創出、活躍のために取り組んでまいります。
【調査結果紹介】
今回の調査は、パーソルダイバースが運営する障害者専門の転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」に登録している就業中の精神障害者205名に対し、勤務先での困りごとや不満、雇用形態や年収などの待遇、はたらくことを通じて感じている幸福度などを調査したものです。本リリースではその一部を紹介いたします。
■精神障害者の就業中に困りごと・不満は「成長機会が少ない」「コミュニケーション」
(雇用の現場マネジメントについての定量調査[個人調査]より)
就業における困りごとや不安について聞いたところ、障害者枠ではたらく精神障害者は「教育・研修機会が少ない」「仕事が簡単・単調すぎる」など、成長機会のなさへの不満が多い傾向がみられ、加えて、「障害のことで気をつかわれすぎて逆につらい」という声も多くなっています。一般枠ではたらく精神障害者は「人間関係に馴染めない」などのコミュニケーションに関する困りごとや不満が多い傾向が表れています。
■精神障害者のはたらく幸せ(Well-being)の実感度
(雇用の現場マネジメントについての定量調査[個人調査]より)
はたらく精神障害者は就業を通じて幸せを感じているか(はたらくWell-being)を調査したところ、一般枠よりも障害者枠ではたらく精神障害者の方が幸せを実感している様子が高い傾向が見られました。その要因として、障害者枠では「職場の障害理解度」や「職場での成長・貢献感」、「職場での信頼関係」を実感している傾向がある一方で、一般枠ではたらく精神障害者は障害を開示していなかったり、開示していても上司・同僚による障害に配慮した行動やコミュニケーションが少ないこと、他の従業員(多くの場合、健常者)との平等な対応や一般的なマネジメント行動が低いこと、精神障害者本人の自己理解や自己開示、セルフケアが少ないことがあげられます。
【考察】企業側の雇用に対する姿勢、同僚・上司の行動が、精神障害者のはたらくWell-beingに影響
雇用する企業側に対する調査では、精神障害者の雇用ノウハウが十分に蓄積されておらず、定着・活躍度や雇用の成功度の評価は低い傾向が表れています。また、一般枠で雇用する企業においては、戦力人材として活躍することや、成果を発揮することを求めない傾向も明らかになっています。そのような雇用側の現状が、はたらく精神障害者の定着・活躍や、はたらく幸せ実感に影響を及ぼしている可能性が伺えます。
また、精神障害者は他障害と比べ、周囲の同僚の行動が、はたらくWell-beingに影響を及ぼす傾向が表れています。具体的には「障害への否定的態度のなさ」や「区別しない対応」「存在承認」などが、精神障害者のはたらくWell-beingに影響している様子が明らかになっています。周囲の同僚や上長の、障害者とともにはたらくことへの理解、職場への配置や雰囲気作りが、精神障害者のはたらくWell-being を高め、定着・活躍を促進すると言えるでしょう。
「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査[障害者個人調査]」
実施主体 株式会社パーソル総合研究所
調査協力 パーソルダイバース株式会社
調査対象 dodaチャレンジのメールマガジンに登録している障害のある就業者 883 名 (有効回答)のうち、精神障害者 205 名
調査手法 WEBアンケート調査(doda チャレンジのメールマガジンで配信)
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(パーソルダイバース株式会社 / 7月10日発表・同社プレスリリースより転載)