人的資本経営調査2023 ミドルマネジメント編
ビジネスコーチ株式会社(本社:東京都千代田区 / 代表取締役社長:細川 馨 /)は、全国の従業員数300人以上の企業に勤める20歳~69歳のミドルマネジメント(部長・課長)1,000名(全回答者)を対象に、“人的資本経営”(※)について調査しました。
※人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方を指します。岸田政権の「新しい資本主義」のもと、この「人的資本」への取り組みが加速しており、「人への投資」を中核に据えた成長戦略を検討する企業が増えております。
<調査結果トピックス>
①人的資本経営の意味まで理解しているミドルマネジメントはわずか28%、部長でも38%と少数派
・昨今人的資本経営に対する話題が増え、メディア等で目にする機会が増えたと考えられる
・68%が言葉は認識している一方、意味まで理解している人は28%に留まることが明らかに
②「勤務先は人的資本経営に関心を持っている」という人は70%超
・従業員規模5,000人以上では76%と、規模の大きい企業ほど高くなった
③「勤務先は人的資本経営に取り組んでいる」49%
・「勤務先が関心を持っている」が71%に対して、「実際に取り組んでいる」は49%に留まる
・関心を持っているけれど何をすればいいのかわからない、というステータスの企業がいるのではないか
④人的資本経営推進の障がいになっていると思うもの 1位「対話・コミュニケーションの不足」
・組織の成長・会社価値向上には、個の価値を最大限に引き出すことが重要であり、
そのためには対話やコミュニケーションを通じて、社員1人ひとりの強み・魅力の理解が必須
⑤職場の対話・コミュニケーション不足解消に必要だと感じること
「コーチング・1on1ミーティングの導入」がダントツ
・コロナ禍による在宅勤務の長期化も後押ししてか、1対1の面談「1on1ミーティング」や、面談の質を上げる「コーチング」の手法に注目が集まっている
⑥人的資本経営推進のために人事部門に期待する施策
・TOP3は 「働き方改革」 「人事制度」 「コーチングスキル研修」
・制度周りのハード面だけでなく、ソフト面(コーチングスキル研修)に対する関心の高さもうかがえる
<調査結果詳細>
人的資本経営の内容(意味)まで知っている人は非常に少ない
■「人的資本経営」に関する認知率について、「内容まで知っていた」と答えたミドルマネジメントはわずか28%、部長レイヤーでは38%となった
- 人的資本経営”という言葉の認知率は68%
- 2022年8月30日に内閣官房より、上場企業向けに人的資本に関する開示ガイドラインとなる「人的資本可視化指針」が発表された後、人的資本経営に関して、テレビや新聞、ネットニュースで報道される機会が増加。この報道機会の増加は、“人的資本経営”という言葉の認知率に影響を与えていると考えられる
- その一方で言葉の意味まで理解している(=内容を知っている)ミドルマネジメント層は全体の28%と低い割合となっている
「勤務先は人的資本経営に関心を持っている」という人は70%超
■全回答者(1,000名)に、勤務先は人的資本経営に関心を持っているか聞いたところ、「持っている」は71.0%、「持っていない」は29.0%となった
- 金融庁が2023年3月期決算以降の有価証券報告書に、人的資本に関する一部の情報を記載することを義務付けるため、特に規模の大きい上場企業においては興味関心が高いと考えられる
- 従業員規模別にみると、「持っている」と回答した人の割合は、300人~1,000人未満では65.4%、1,000人~5,000人未満では70.8%、5,000人以上では75.6%と、規模の大きい企業ほど高くなった
「勤務先は人的資本経営に取り組んでいる」という人は49%
■勤務先は人的資本経営に取り組んでいるか聞いたところ、「取り組んでいる」は49.3%、「取り組んでいない」は50.7%となった
■従業員規模別にみると、「取り組んでいる」と回答した人の割合は、300人~1,000人未満では42.9%、1,000人~5,000人未満では46.8%と半数未満に留まったのに対し、5,000人以上では56.6%と半数を超えた
- 「勤務先は人的資本経営に関心を持っている」に「はい」と答えた71%に対して、「勤務先は人的資本経営に取り組んでいる」に「はい」と答えたのは49%
- 人的資本経営について、勤務先の7割強が関心を持つも、半数以上が実際には取り組んでいない背景には、人的資本経営に対する理解不足がうかがえる
- 理解や認識が組織全体に浸透しないままでは、人的資本経営は実践のプロセスへは至らず、掛け声倒れに終わってしまうリスクがあるのではないか
人的資本経営推進の障がいになっていると思うもの 1位「対話・コミュニケーションの不足」
■全回答者(1,000名)のうち、勤務先が人的資本経営を推進していると回答した人(872名)が感じる、勤務先の人的資本経営推進の障がいになっているもの1位は「対話・コミュニケーションが不足している(34.3%)」
- コロナ禍によるオンラインコミュニケーションが増えたことで対話の機会が減っていたり、組織内のコミュニケーションが活発に行われていなかったりすることが、人的資本経営推進の妨げとなっているケースが多い可能性あり
- 組織の成長・会社価値向上には、個の価値を最大限に引き出すことが重要であり、そのためには対話やコミュニケーションを通じて、社員1人ひとりの強み・魅力の理解が必須
職場の対話・コミュニケーション不足解消に必要だと感じること
「コーチング・1on1ミーティングの導入」がダントツ
■「コーチング・1on1ミーティングの導入」がダントツ、2位「コミュニケーションツールの活用」
人事部門や情報システム部門では半数超が「コーチング・1on1ミーティングの導入」が必要だと回答
- コロナ禍による在宅勤務の長期化も後押ししてか、1対1の面談「1on1ミーティング」や、面談の質を上げる「コーチング」の手法に注目が集まっている
- 相手に気づきや自発的な行動を促すことで早期の目標達成・成長を支援する手法や施策を積極的に活用することで、対話・コミュニケーションの活性化が図れると考えている人が多いのではないか
人的資本経営推進のために人事部門に期待する施策
TOP3は 「働き方改革」 「人事制度改革」 「コーチングスキル研修」
■20代・30代では「リーダーシップ研修」が1位、「コーチングスキル研修」が2位
- 制度周りのハード面(働き方改革・人事制度)だけでなく、ソフト面(コーチングスキル研修)に対する関心の高さもうかがえる
- 次世代を担う若手ミドルマネジメントには、リーダーシップ研修やコーチングスキル研修といった、より一層優れたリーダーとして活躍できるよう自己研鑽を積むことができる機会を望む人が多い模様
≪調査概要≫
調査タイトル :人的資本経営調査2023 ミドルマネジメント編
調査対象 :ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする従業員数300人以上の企業に勤める20歳~69歳のミドルマネジメント(部長・課長)
調査地域 :全国
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2023年2月15日~2月16日の2日間
有効回答数 :1,000サンプル
実施機関 :ネットエイジア株式会社
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ビジネスコーチ株式会社/ 3月24日発表・同社プレスリリースより転載)