中小企業のテレワーク実施状況に関する調査
東京23区内中小企業のテレワーク実施率は8.7ポイント減の31.2%。 緊急事態宣言の解除をきっかけにテレワークを廃止したという声も~
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、東商けいきょう(2021年10月~12月期)調査とあわせ、中小企業におけるテレワークの実施状況や課題などを把握するため、標記アンケートを実施し、調査結果をとりまとめましたのでお知らせします。
【「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」調査要領】
▽調査期間:2021年11月1日(月)~11月15日(月)
▽調査対象:東京23区の中小企業2,062社(回答数:605社(回答率29.3%))
【 調査結果のポイント 】
1.テレワークの実施率(企業ベース)について
- 2021年11月における東京23区内の中小企業のテレワークの実施率は31.2%。(前回調査(2021年8月緊急事態宣言期間中)と比べ、8.7ポイント減少)企業からは、緊急事態宣言の解除をきっかけにテレワークを廃止したという声、業務効率が低下しておりテレワークを取りやめたという声などが聞かれた。
- 企業規模(従業員数)別では、301人以上が最も高く54.5%、50人以下が最も低く24.2%となり、前回調査同様、企業規模が小さい企業ほど実施率が低い結果となった。
- 業種別では、前回調査同様、製造業が最も高く33.8%となった一方、小売業は最も低く14.7%となった。
2.テレワークを実施している社員の割合・目的について
- テレワークを実施している社員の割合は、20%以下が最多の55.0%、81~100%は5.3%となった。
- テレワーク継続の目的は、「出勤人数を抑制(三密回避)」が58.7%と最多となったものの、前回調査と比べて、14.9ポイント減少し、「働き方改革の推進」「コスト削減のため」「人材の採用・確保のため」と答えた企業が増加。
3.テレワーク実施の効果・課題について
- テレワークの実施効果は、「働き方改革の進展」が前回調査より9.6ポイント増えて最多の45.0%となった。
- テレワーク実施の課題は、「情報セキュリティ」と答えた企業が55.6%と前回調査同様最も多く、次いで「PCや通信環境の整備状況」が53.4%、「社内コミュニケーション」が52.4%となった。
4.今後のテレワーク実施意向について
- 今後のテレワークの実施意向については、「現在と同水準の実施割合で継続」が最多の56.1%となり、「今後テレワークは実施しない・廃止する方針」は、7.9%となった。
5.テレワークを実施できない理由について
- テレワークを実施できない理由は、テレワーク未実施企業では、「テレワーク可能な業務がない」と答えた企業が最も多く、過去実施したことのある企業では、「社内コミュニケーション」や「業務の生産性低下」が上位の理由として挙げられた。
<企業の声>
- テレワークの実施をきっかけに取り組みはじめたペーパーレス化・ハンコレス化などの業務改革を今後も継続するため、また、地震・台風などの災害に対するBCP対策としても、テレワークを継続している。【不動産業 /50人以下】
- 社員が業務の状況に応じてテレワークか出社かを使い分けることができているため、緊急事態宣言が解除されたからといって無理に出社に戻す必要はなく、テレワークを継続して実施している。【製造業/101~300人以下】
- テレワークは緊急事態宣言期間中のみの措置としていたため、宣言の解除をきっかけとしてテレワークを廃止した。【建設業/50人以下】
- テレワークが実施できない現業部門の社員とテレワークを実施している社員の間で不公平感が生まれていることに加え、事務効率が低下していたため、テレワークの実施を廃止した。【ビル管理業/50人以下】
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
( 東京商工会議所/12月15日発表・同会議所プレスリリースより転載)
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テレワーク、リモートワーク