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掲載日:2021/05/14

新型コロナウイルスによる雇用・就業への影響等に関する調査

独立行政法人 労働政策研究・研修機構は、『第3回「新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果』を発表しました。

 

― 新型コロナの影響は業種間の差が大きく、飲食・宿泊業、運輸業等で特に厳しい。
在宅勤務(テレワーク)には一定の効果がみられた一方、コミュニケーション、
業務の進捗把握、業務の切り出し等、実施上の課題も浮き彫りに ―

 

(調査結果のポイント)
◎企業の経営状況

<2021 年1月の企業の生産・売上額等は、2020 年5月と比較しても減少企業割合が増加企業割合を上回り、前年同月との比較では依然として5割以上で減少>
2021 年1月の企業の生産・売上額等を 2020 年5月と比較すると、31.0%の企業で増加、36.6%の企業で減少と、減少企業割合が増加企業割合を上回っている。前年同月との比較では、増加した企業割合は 16.8%にとどまる一方、依然として 5 割以上(54.1%)の企業では前年の水準に戻っておらず、飲食・宿泊業(91.0%)では9割以上、サービス業(62.0%)、運輸業(61.2%)、小売業(60.5%)では6割以上の企業で減少となるなど、産業間の差が大きい。


<2割以上の企業で人件費が減少しており、生産・売上額等の減少に比べ減少幅は小さいが、飲食・宿泊業などでは大幅な減少も生じている>
2021 年1月の企業の人件費を前年同月と比較すると、6割以上(61.1%)の企業でほぼ同じとなっている一方、2割以上(22.5%)で減少している。減少の程度は、生産・売上額等の減少の程度と比較して小さいが、飲食・宿泊業では8割以上(81.3%)、運輸業では4割以上(41.8%)の企業で減少している。


<昨年4~5月以降、5割以上の企業が雇用調整を行っているが、その主なものは労働時間や賃金面での対応であり、人員面に関連する対応の割合は引き続き低くなっている>
昨年4~5月以降、55.8%の企業で雇用調整を実施しているが、「残業の削減」(31.2%)、「賞与の減額・支給停止」(24.5%)、「所定労働時間の短縮」(16.9%)、「一時休業(一時帰休)」(15.4%)など、労働時間や賃金面での対応の割合が高くなっており、「正社員の解雇」(1.6%)、「非正社員の解雇・雇止め」(1.5%)、「希望退職者の募集」(0.6%)などの人員面に関連する対応の割合は低くなっている。


<4分の3の企業では 2021 年1月の労働者は前年同月とほぼ同じとなっているが、減少した企業割合は 15%程度と増加した企業割合より高く、特に飲食・宿泊業では5割以上で減少>
企業における 2021 年1月の労働者の前年同月との増減の状況をみると、約4分の3(75.3%)の企業がほぼ同じとなっているが、減少した企業割合は 14.9%と、増加した企業割合の 9.8%を上回っており、特に飲食・宿泊業においては5割以上(54.3%)の企業で減少している。


<現在(2021 年1月時点)の経営環境が続けば、半年以内に全産業では約2割の企業、飲食・宿泊業では5割以上の企業が現状の雇用維持は困難になる可能性>
現在(2021 年1月時点)の生産・売上額等の水準が今後も継続する場合に現状の雇用を維持できる期間については、「雇用削減の必要はない」(37.6%)、「それ(2年)以上(当面、雇用削減の予定はない)」(25.7%)を合わせると6割以上となっている一方、2割弱(18.9%)の企業で半年以内、3分の1弱(32.4%)の企業で1年以内を、雇用を維持できる期間としている。特に、飲食・宿泊業では、5割以上(53.5%)の企業で半年以内、約7割(69.4%)の企業で1年以内に現状の雇用維持は困難になる可能性がある。

 

◎在宅勤務(テレワーク)の実施状況

<テレワーク実施経験企業は約4割、現在(1月末)も実施している企業は約3割。コロナ対策として実施した企業割合が高く、一定の効果はみられた一方、コミュニケーション、業務の進捗把握、業務の切り出し等、実施上の課題も浮き彫りになっている>
テレワークの実施状況をみると、「導入後、継続して実施している」は 23.4%、「過去実施していたが現在は導入していない」は 10.3%、「過去に実施していたが、いったん停止し、現在、再開している」は 6.8%と、実施経験企業は約4割、現在(1月末)も実施している企業は約3割となっている。テレワークの導入目的については、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応」(80.3%)、「通勤負担の軽減」(33.8%)、「通勤者のゆとりと健康生活」(16.9%)、「自宅待機代わり」(14.6%)の順に高く、導入目的ごとにみると、効果があったとする企業割合がなかったとする企業割合を上回っている。テレワークの課題については、「出社時と比べて、職場の人とのコミュニケーションが取りづらい」(75.5%)、「個人の業務の進捗や達成度の把握が難しい」(59.9%)、「業務の性質上、テレワーク可能な業務を切り出すことが難しい」(53.4%)の順に高く、実施上の課題も浮き彫りとなっている。

 

◎雇用調整助成金・持続化給付金・金融機関による資金繰り支援等の支援策の利用状況

<企業の約4割が雇用調整助成金を利用しており、必要な企業にはほぼ利用されている状況。その他の主な支援策については、「政策金融公庫や民間金融機関のコロナ特別貸付やセーフティネット保証等による資金繰り支援」、「持続化給付金」、「都道府県等による支援策」の割合が高い>
雇用調整助成金を「申請し受給した」は 37.3%、「現在、申請中」は 2.3%と、約4割の企業が雇用調整助成金を利用している。雇用調整助成金を申請しなかった理由については、「制度は知っていたが、支給要件に該当しなかった(生産指標要件を満たしていない等)」が 47.9%、「雇用調整助成金を申請する必要がなかった(経営状態がよく、人手不足の状態にあった等)」が 43.2%となっている一方、「制度を知らなかった」は 1.3%、「手続きが難しい」は 5.0%と低く、必要な企業にはほぼ利用されている状況と考えられるが、規模の小さい企業の利用に関する課題もある。それ以外で企業が利用を申請した支援策は、「政策金融公庫や民間金融機関のコロナ特別貸付やセーフティネット保証等による資金繰り支援」(46.8%)、「持続化給付金」(41.3%)「都道府県等による支援」(33.9%)の順に割合が高くなっている。


◎企業の業績に関する今後の見通しと今後の事業継続に対する考え

<企業業績の回復の見通しは、約2割の企業が「分からない」とし、次いで、「半年から1年くらいかかる」、「1年から2年くらいかかる」の順に高くなっている>
企業の業績に関する今後の見通しは、「分からない」が約2割(19.4%)と最も高く、次いで、「回復して元の水準に戻るには半年超から1年くらいかかる」(18.5%)、「1年超から2年くらいかかる」(16.1%)の順となっており、「既に回復して元の水準に戻った」は 8.7%にとどまっている。飲食・宿泊業では「2年超かかる」の割合が高く、特に厳しい見通しとなっている。

 

<今後の事業継続については、5割超の企業が「現行の体制で事業を継続する」としている一方、2割以上の企業が「業務を拡大して事業を継続する」としている>
今後の事業継続に対する企業の考えは、「現行の体制で事業を継続する」が 50.4%、「業務を拡大して事業を継続する」が 22.8%、「業務を縮小して事業を継続する」が 6.4%となっている。産業別では、「業務を拡大して事業を継続する」は「運輸業」(40.2%)、「医療・福祉」(38.6%)、「情報通信業」(37.4%)で高い一方、「業
務を縮小して事業を継続する」は「飲食・宿泊業」(24.1%)、「小売業」(15.2%)で高い。

 

◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。

(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 /4月30日発表・同法人プレスリリースより転載)

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