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ニュース
人事サービス 人事労務・管理
掲載日:2005/03/16

社会経済生産性本部が上場企業を対象に
「日本的人事制度の変容」の調査を実施

社会経済生産性本部(東京都渋谷区、澤間康雄・理事長)はこのほど、「第8回日本的人事制度の変容に関する調査」を実施、その結果を発表しました。 同本部は、1997年から毎年、全上場企業を対象に「日本的人事制度の変容に関する調査」を実施しています。今回の調査は第8回にあたり、2004年11月中旬から12月上旬にかけて実施しました。

今後3〜5年間の採用予定で新卒採用を増やすという企業は41.9%、中途採用(経験者)を増やすという企業は47.8%で全体に採用意欲は高い状況です。また契約社員やパートタイマーなど非正規従業員の採用も増加傾向にあり、従業員に占める割合は約3割(27.7%)を占め、今後はさらに比率は高まる見通しとなっています。

雇用増が見込まれる契約社員とパートタイマーですが、活用や処遇に格差が見られます。契約社員に対しては高度な専門性を要する業務につけ、業績や成果に応じて正社員に遜色のない賃金・賞与を支給するという企業が約6割(61.3%)、正社員対象の能力開発研修などを受講させるという企業が約5割(51.4%)、また、正社員への登用の仕組みがあるという企業も48.0%となっており、契約社員の戦力化を進めている状況がうかがわれます。

今後2007〜2010年にかけて、「団塊の世代」が定年を迎えますが、そのことが与える影響として、約6割(58.1%)の企業は管理職への若手抜擢が進むと考えています。また、「技能伝承など社内ナレッジの継承がうまくいかなくなる」が約4割(39.9%)、「定年の延長が進む」が35.2%となっています。

一方、すでに経営幹部の早期選抜・育成を実施している企業は3割に満たず(26.1%)、検討中という企業が約4割(40.3%)を占めます。現時点での管理職への標準登用年齢は37.8歳、第1選抜年齢は34.1歳となっており、いわゆるバブル入社組(1988〜92年頃まで)より若い世代から第1選抜が始まることになります。社長の望ましい就任年齢は52.4歳となっており、管理職登用年齢が若い企業ほど若くなっています。また、団塊の世代のリタイヤによる影響の一つとして、60歳以降への定年延長がありますが、すでに実施している企業は11.9%となっています。

成果(業績・成績)の評価により賃金や賞与で相当の格差がつくという企業は約9割(89.4%)を占めていますが、評価による処遇格差をつける一方で、肝心の評価にバラつきがあり適正な評価ができていないという企業は54.9%、また評価への異議申し立てしにくいという企業も52.2%となっており、成果主義の運用にはなお課題があります。そのためか、人材マネジメント施策の優先順位では「評価制度の納得性・透明性の向上」が70.0%と最も高い。また、こうした制度を管轄している当の人材マネジメント部門に対して、施策の成果が定期的に評価されているという企業は24.1%にとどまります。

ポジティブアクションに取り組んでいる企業は約2割(19.0%)、5000人以上規模では約4割(40.5%)。課長以上の平均女性管理職数は9.8人、管理職全体に占める比率は2.4%ですが、ポジティブアクションに取り組んでいる企業では、同33.9人、4.3%と高くなっており、ポジティブアクション取り組みの効果が見られます。

営業や研究、生産など職種に応じて賃金体系や水準を別立てにする職種別賃金を導入している企業は12.3%で、近い将来導入という企業(3.6%)を含めても15.9%となっています。一方、検討課題という企業は約3割(32.4%)占めます。

社外取締役の起用および執行役員制度導入はいずれも4割強(各43.9%、44.7%)を占めます。また、内部通報制度も約4割(39.9%)を占めており、5000人規模では約8割(78.4%)に達しています。役員の退職慰労金についても、約1割(9.1%)が廃止しており、5000人以上規模では約2割(18.9%)となっています。一方、従業員への成果主義が進む中、役員の報酬委員会設置企業は15.0%にとどまっています(5000人以上では29.7%)。


(財団法人社会経済生産性本部 http://www.jpc-sed.or.jp//同社プレスリリースより抜粋・3月16日)

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