女性登用に対する企業の意識調査(2020年)
就業人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場における女性の存在感が高まっている。2022年には女性活躍推進法の改正を控え、主に中小企業に対して新たに女性活躍の情報公開が義務付けられるなど、女性の労働参加は大きな変革期を迎えている。女性の労働参加は、企業にとって新たな視点の創出や男性の働き方改革としても期待されている一方で、女性の労働参加に向けた課題は、未だ解決されていない現状がある。
そこで、帝国データバンクは、女性登用に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年7月調査とともに行った。
※調査期間は2020年7月16日~31日、調査対象は全国2万3,680社で、有効回答企業数は1万1,732社(回答率49.5%)。なお、女性登用に関する調査は、2013年以降、毎年7月に実施し、今回で8回目
※本調査における詳細データは景気動向オンラインに掲載している
<調査結果>
- 女性管理職の割合は平均7.8%と前年比0.1ポイント上昇。政府目標である「女性管理職30%以上」を超えている企業は7.5%(同0.4ポイント上昇)とわずかながら増加したものの、依然として低水準にとどまっている。また、女性従業員の割合は平均25.8%(同0.6ポイント上昇)、女性役員の割合は平均10.8%(同1.0ポイント上昇)となった
- 今後、女性管理職の割合が増えると見込んでいる企業は21.7%となり、前年より1.9ポイント減少した。また、今後女性役員の割合が増えると見込んでいる企業は6.9%(同0.7ポイント減)だった
- 社内外を問わず女性登用を進めている企業は42.6%となり、前年から7.4ポイント減少している。女性登用を進めた効果では、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」(71.8%)が突出して高く(複数回答、以下同)、「女性の労働観が変化してきた」(29.1%)、「多様な働き方が促進された」(28.4%)が上位で続いた
- 女性の活躍を促進するために重要なことでは、「妊娠・出産・子育て支援の充実」が64.7%でトップとなった(複数回答、以下同)。さらに、「仕事と子育ての両立支援」(56.2%)や「保育サービスの充実」(52.7%)など、上位には女性における家庭負担の軽減に関する項目が並んだ。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で急速に普及が進む「テレワークの導入・拡充」は36.3%となり、3割以上の企業が女性活躍推進にもテレワークが重要であると認識していた
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(株式会社帝国データバンク / 8月17日発表・同社プレスリリースより転載)