HRイノベーションサービスに関する調査を実施
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のHRイノベーションサービスを調査し、サービス分野別動向、主要企業の動向、方向性や課題、今後の展望を明らかにした。
1.調査結果概要
人材業界は、人材の斡旋、求人広告、コンサルティングといった採用に関するものが主たる事業であったが、日本の労働力人口減少への対策として、企業においては労働生産性の向上が求められ、人事へは労働生産性向上を実現する施策、また、よりビジネスの成果に貢献する動きが求められている。こうした現状から、HR(Human Resources)業界では採用のみならず、採用後の離職防止や組織全体の活性化、従業員のエンゲージメント向上、労務管理や人事業務全体の効率化といった人事、組織全体の課題にアプローチするサービスが求められている。
HR関連で上場した企業を2004年から見てみると、全体的に業務効率化分野のサービス企業の上場が多い。リーマンショック後の2009年~2012年は上場の動きがあまりなかったようであるが、2016年、2017年は株式会社アトラエやUnipos株式会社 といった組織改善分野の企業の上場があり、同分野が注目を集めていたことがうかがえる。2019年はここ数年で最も多くHR関連企業が上場しているが、これまで上場がなかった人材管理・人事評価分野で株式会社カオナビが上場している。
2.注目トピック
従業員のメンタルヘルスに着目したサーベイ(意識調査)が登場
2010年の育児・介護休業法改正、2013年の高年齢者雇用安定法改正、2016年には女性活躍推進法が制定された。こうした法改正により、勤務時間、雇用形態、労働者の多様化が進んだ。
こうした働き方の多様化による組織の労働生産性向上は課題であり、従業員エンゲージメントは重要な指標となる。
経済産業省から第1回「健康経営銘柄」が発表されたのが2015年、2017年には「健康経営優良法人 ホワイト500」認定法人が初選定された。健康経営とは従業員の健康維持・増進を経営的視点から捉え、戦略的に実践することであり、これから企業が生き延びていくための重要な成長戦略の一つとなる。事業中心の経営から人材中心の経営に移行するなか、2019年に入り従業員のメンタルヘルスに着目したサーベイ(意識調査)が数多く登場してきている。
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(株式会社矢野経済研究所 / 6月17日発表・同社プレスリリースより転載)