日本で働く外国人の意識に関する調査結果
総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渋谷和久)は、「日本で働く外国人材の就業実態・意識調査」の結果を発表いたします。
本調査は、外国人本人の働く意識をデータで明らかにすることで、企業における外国人の活躍や定着に資することを目的に実施しました。パーソル総合研究所による外国人雇用に関する調査は、2019年9月12日発表の「企業」を対象とした調査、19年12月10日発表の「日本人上司」を対象とした調査に続き、今回が3回目となります。
<日本で働く外国人の意識に関する調査結果の要旨>
■日本で働く外国人の不満
- 日本で働く正社員の外国人に職場に対する不満を聞いたところ、1位は「昇進・昇格が遅い」、2位は「給料が上がらない」、3位は「給料が安い」となった。
- 正社員の外国人が実際に感じている職場に対する不満の項目数は、企業の認識の3.4倍多い。
- 職場に対する不満を項目別にみると、外国人が「昇進・昇格が遅い」と感じている割合は20.2%だが、企業が認識している割合は3.5%と、5倍以上のギャップがあった。「給料が上がらない」も5倍以上のギャップがあった。
■入社前のイメージと入社後のギャップ
- 外国人に入社前に想定していたイメージよりも悪かったことを聞いたところ、1位は「住宅や生活全般に関するサポート体制」、2位は「昇進・昇格のスピード」となった。「昇進・昇格の遅さ」は不満でも挙がっており、外国人の定着・活躍を望むのであれば対応が必要と考えられる。
■正社員の外国人の孤独感
- 正社員の外国人のうち32.6%が「私は、孤立しているように思う」と回答するなど、パート・アルバイトに比べて正社員の外国人は孤独感を抱えがちである。孤独感が強い層は、仕事のパフォーマンスや会社満足度は低く、転職意向は高くなる傾向にある(重回帰分析による)。
- 孤独感を低減させる効果が確認できた会社の施策としては、歓迎会の開催(正社員の外国人材に対する企業の実施率47.6%)、相談窓口の設置(同12.8%)、同僚とのコミュニケーション機会の付与(同28.4%)、定期的な面談(同26.4%)、母国語対応の指導者の配置(同18.4%)が挙げられる。
■外国人に対する日本人上司のマネジメント
- 外国人に対する日本人のマネジメントに問題があることが明らかとなった。日本人上司への不満は外国人上司に比べて約2倍となった。
- 大学修士以上の外国人からの日本人上司のマネジメントに対する評価は、特に厳しいことが浮き彫りとなった。
■正社員の外国人が仕事選びで重視する項目
- 正社員の外国人と日本人では、仕事選びで重視する項目が異なり、外国人の獲得・定着を図りたい企業は対応が求められる。「仕事とプライベートのバランス」の重視は、外国人では2番目に高い割合となったが、日本人では6位と差が開いた。また、「自分のやりたい仕事であること」は外国人では3位だが、日本人では6位。「いろいろな知識が得られること」は外国人では4位だが、日本人では12位。
<問い合わせ先>
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(株式会社パーソル総合研究所 / 2月26日発表・同社プレスリリースより転載)