学情レポート【COMPASS】2020.01『新卒採用における「職種別採用」という選択肢』
株式会社学情(本社:大阪市北区・東京都中央区/代表取締役社長:中井清和)は、学情レポート【COMPASS】2020.01『新卒採用における「職種別採用」という選択肢』を発表いたしました。
■新卒採用における「職種別採用」という選択肢
「日本の長期にわたる雇用慣行となってきた新卒一括採用(メンバーシップ型採用)に加え、ジョブ型雇用を念頭に置いた採用も含め、学生個人の意志に応じた、複線的で多様な採用形態に、秩序をもって移行すべきである」
経団連が大学関係者との継続的な対話を目的に設置した「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」。その中間とりまとめとして2019年4月22日に公表された上記内容は、尾ひれはひれが付きつつマスコミ等で大きく取り上げられ、これまでの新卒採用の在り方に一石を投じることとなった。
■新卒一括採用の問題点と若年層の意識とは?
新卒一括採用は、新卒学生の高い就職率の維持に貢献している一方、仕事に対する技能や経験よりもポテンシャルが重視されることで、入社後のミスマッチによる早期離職を生み出している面もある。厚生労働省が毎年発表している「新規学卒就職者の離職状況」でも、当調査で最新の対象となる2016年3月卒の大卒者の就職後3年以内離職率は32.0%であり、2009年3月卒を除くと、1995年3月卒以降、大卒者の3年以内離職率は30%以上で推移している(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(2019年10月公表))。
また新卒一括採用と一対になる存在が総合職採用である。大学卒業と同時にまとまった人数を総合職社員として受け入れ、勤務地・部署を転々としながら多様な業務を担う中で経験を積ませ、幹部人材へと育て上げる。これが日本型雇用システムの主流であった。しかし個々の職務が固定化されないことにより、業務過多や長時間残業が発生しているほか、プライベートを重視する傾向が強まっている学生の志向性にそぐわないシステムとなっている面も否めない。
例えば、弊社が2020年卒学生に対して行ったアンケート調査では、「転居を伴う転勤についてどう思うか」という質問に対し、「転勤したくない」との回答が52.6%と過半数を占めた。転勤を伴う総合職は必ずしも学生から受け入れられているわけではないことがわかる。また職歴3年以内の第二新卒者に対して2019年に行ったアンケートでは、「転職しようと思った理由」として「残業を減らしたい、休日を確保したい」が31.8%で1位に挙げられた。これら全てが総合職だけに当てはまることではないが、今までの日本型雇用の慣習が、学生や若手社会人から好ましく思われていないことの証しと言えるだろう。
◆詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社学情 / 1月15日発表・同社プレスリリースより転載)