日本含む世界の労働者は、自身の老後についてより計画的なアクションをとるべく、デジタルチャネルによる支援の拡充を望んでいる~労働者にとって、年金と退職金は就職や仕事の継続を決める際の重要な要素:アクセンチュア
アクセンチュア(NYSE:ACN)が日本を含む、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、南米の10カ国の労働者5,000人を対象に実施した最新調査によると、労働者が自身の老後の計画に対する支援の拡充や、デジタル手法を活用して年金や退職後に関する情報の入手・計画に強い関心を持っていることが明らかになりました。
例えば、労働者の84%(日本では88%)が、年金や老後の計画の立て方に対する支援の拡充を求めており、82%(日本では81%)が雇用主からのアドバイスを望んでいます。若い労働者の関心は特に高く、ミレニアル世代(1979年~1997年生まれ)の87%が計画支援に関心を示し、84%がアドバイスを求めています。
労働者は、老後の計画の立て方の支援に強い関心を持っている一方で、雇用主から教育やアドバイスを受けていると回答した在職者は41%(日本では46%)に留まっており、雇用主から教育やアドバイスを受けていないとの回答は、これより若干多い43%となっています。また16%が、このようなサービスが提供されているかどうか分からないと答えました。
さらに本調査によると、多くの労働者にとって年金と退職金は、就職や転職を決める際の重要な要素であることも明らかになりました。年金または退職金の制度に加入している労働者の68%(日本では66%)が、これらの給付金について就職を決める際の重要な要素と考えていることが判明しました。また62%(日本では72%)が、これらを現在の仕事を続けるかどうかを判断する際の重要な要素と考えています。
■デジタルチャネルに対する需要が満たされていない
今回の調査で、労働者は年金や老後に関する情報を、デジタル手法を用いて取得することに強い関心を持っているものの、企業がその需要に応えられていないことが明らかになりました。例えば、双方向型のWebページはこのような情報を入手するチャネルとして最も人気が高く、回答者の57%が関心を寄せています。それにもかかわらず、実際に双方向型のWebページをこの用途で活用しているとの回答は23%に留まっています。
同様に、回答者の過半数(53%)がモバイルアプリを使ってこのような情報を入手することに関心を示しているものの、実践している人は18%とごくわずかです。また、半数近く(47%)が年金や老後に関して、デジタル手法を活用したアドバイスサービスを利用したいと回答していますが、実際に利用している人は12%に留まっています。デジタル手法への関心はミレニアル世代で特に高くなっています。
■企業、年金事業者、社員への影響
この調査結果を受け、アクセンチュアは企業、およびその社員の年金・退職金を管理する組織に対し、以下のような提言をまとめました。
- 年金と退職金の重要性を認識する:企業は、年金と退職金が求職者や現在の従業員にとって非常に重要であるという認識のもとに人事戦略を立て、退職金に関する情報と支援を求める社員の声に確実に応えていく必要があります。
- 給付金に対する意識を高める:多くの労働者が、働いている企業から年金・老後に関する計画が提供されているかどうか分からないと回答しています。また、計画が提供されていないと回答した労働者は43%にのぼり、埋めるべき大きな認識のギャップがあるのは明らかです。労働者が高齢になるにつれ、退職後の保障に対する関心は高まります。労働者の定着と生産性向上の観点から、労働者と退職者のこのような関心に、年金・退職金管理組織が対応できるようにすることが重要です。
- デジタル手法を活用する:現在、多くの労働者が、年金や老後の計画に関する情報や支援について、デジタル手法を通して得たいと回答している一方、実際に支援を受けている労働者は限定的です。デジタルは市民生活のさまざまな場面で広く使用されていることから、年金・退職金管理組織にはデジタルサービスを強化し、求職者や在職者の需要に応えることが求められます。
■調査方法
アクセンチュアは、日本、オーストラリア、ブラジル、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、シンガポール、英国の10カ国の労働者5,000人(1カ国あたり500人)を対象に調査を行いました。回答者は公共と民間の両方のセクターから均等に選出し、2018年9月から10月にかけてオンライン調査を実施しました。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(アクセンチュア株式会社 https://www.accenture.com/jp-ja /7月31日発表・同社プレスリリースより転載)