中途採用の充足、社員の学習支援有無で14.4ポイントの差~「社員の学び支援と中途採用状況」企業調査結果:リクルートキャリア
株式会社リクルートキャリア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林 大三)は、中途採用を実施する企業の人事担当者へ3月下旬にアンケート調査を行い、830人から回答を得ました。このたび「社員の学び支援と中途採用状況」について、結果をご報告いたします。3月末時点で中途内定者数が計画を下回る企業は4割にのぼり(※1)、人材獲得競争は厳しさを増しています。転職先が確定した求職者の9割が「働きながら学ぶこと」を志向している現状に対し(※2)、企業が自社の社員の学びを支援することが、採用力の向上につながるかを考察いたしました。
※1 株式会社リクルートキャリア,「2018年度下半期 中途内定者の充足状況」,(2019)
※2 株式会社リクルートキャリア,「『人生100年時代に働きながら学ぶこと』実態調査」,(2019)
■本調査における「学ぶ対象」の定義
人生100年時代においてリカレント教育(社会人の学び直し)が注目を集め、個人が学び続ける重要性が高まっています。こうした気運を背景に、学ぶ対象を「直近(6ヶ月程度)の職務上必要とされるものではない新たな知識・スキル」と定義したうえで、アンケートを行いました。
■調査結果トピックス
- 9割の企業が社員個人の学びは自社にとってプラスだと考える。
広い知見・視野(75.7%)、新たな発想(62.0%)に加え、社員自身のモチベーション維持・向上(51.3%)へも期待。 - 8割の企業が社員に対して何らかの支援を実施。職場の理解促進(50.7%)や費用の支援(46.3%)が実施の割合が多く、学び支援を目的とした副業の容認は1割に留まる。
- 何らかの支援を行っている企業と、行っていない企業では、2018年下半期の中途内定者の充足状況に14.4ポイントの差
- 求職者の6割が望む就業先からの支援は「学習機会の提供」だが、企業の実施状況は4割で、大きなかい離。
■解説
企業の採用力の源泉は、「終身雇用」から「終身成長」へ
「広い知見・視野、新たな発想、モチベーションの維持・向上」を期待し、社員の学びは自社にとってプラスと思う(9割)。調査結果からは社員の学びを積極支援する多くの企業の姿が見えてきました。
注目すべきは、学習支援を行っている企業と行っていない企業では、採用状況に大きな差(14.4pt差)が見られたことです。これは、激化する人材獲得競争の中で、企業が何を訴求すべきかの大きなヒントになるのではないでしょうか?
人が組織に惹きつけられる要因は4Pに大別されると言われます。①Philosophy(目標の魅力:ビジョン・戦略)、②Profession(活動の魅力:事業・仕事)、③People(構成員の魅力 :風土・人間関係)、④Privilege(待遇の魅力:待遇・環境)。今回の調査は、Privilege(待遇への魅力)の一つである「学習・成長機会の充実」が、採用活動上の大きなアピールポイントになることを証しています。
人生100年時代で中長期のキャリアデザインが重視される時代。入社後活躍だけでなく、卒業後活躍まで見つめた学習機会を提供できるか? 企業の採用力の源泉は「終身雇用」から「終身成長」へシフトしつつあります。(HR統括編集長 藤井 薫(ふじい・かおる))
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルートキャリア https://www.recruitcareer.co.jp/ /6月19日発表・同社プレスリリースより転載)