正社員採用予定の企業は64.2%で高水準続く。生産性向上につながる人材育成、短期はOJTが60.1%で突出~『2019年度の雇用動向に関する企業の意識調査』:帝国データバンク
人手不足が深刻化するなか、2018年の有効求人倍率は1.61倍と、1973年以来45年ぶりの高水準となった。また、新規学卒者の就職内定率は2018年12月時点で87.9%(大卒)と8年連続で上昇し、1996年に調査を開始して以来最高となっている。さらに、政府・企業をはじめとして「働き方改革」が進められるなかで、生産性と人材育成の関連に対する注目が高まっている。
そこで、帝国データバンクは、2019年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年2月調査とともに行った。
■調査期間は2019年2月15日~28日、調査対象は全国2万3,031社、有効回答企業数は9,701社(回答率42.1%)。なお、雇用に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し、今回で15回目
■本調査における詳細データは景気動向調査専用HPに掲載している
<調査結果>
- 2019年度に正社員の採用予定があると回答した企業の割合は64.2%と、5年連続で6割を超えたものの、3年ぶりの減少に転じた。特に「大企業」(84.8%)の採用意欲は高く、調査開始以降で最高を更新した。しかし「中小企業」(59.1%)は前回調査(2018年2月実施)を下回った。正社員採用は、大企業の積極性が続く一方、中小企業の採用姿勢は高水準ながら一服した
- 非正社員の採用予定があると回答した企業の割合は50.3%となり、2年連続で半数を超えたものの、前回調査を2.1ポイント下回り、採用意欲がやや一服した。非正社員が人手不足の状態にある「飲食店」は9割、「飲食料品小売」「医薬品・日用雑貨品小売」は8割を超える企業で採用を予定している
- 2019年度の正社員比率は企業の18.3%が2018年度より上昇すると見込む。その要因では、「業容拡大への対応」(45.8%)をあげる割合が最も高く、「退職による欠員の補充」「技術承継などを目的とした正社員雇用の増加」が3割台で続く
- 自社において生産性向上に最も効果がある人材育成方法について、短期間(1年以内)の生産性向上に効果がある方法では「職場内における教育訓練(OJT)」が60.1%で突出して高かった。他方、長期間(1年超)の効果では、「職場内における教育訓練(OJT)」(26.8%)、「職場外での教育訓練(Off-JT)」(22.7%)、「職場内における能力開発(OJD)」(22.4%)がいずれも2割台となり、効果的な人材育成方法が分散する傾向が表れた
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(株式会社帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/index.html /3月14日発表・同社プレスリリースより転載)