ハラスメントどう防ぐ? 2020年にパワハラ防止義務化へ
厚生労働省は、企業に対するパワーハラスメント防止の義務付けを盛り込んだ関連法の改正案を、今国会に提出する見込みだ。日本経済新聞によると、大企業に対しては2020年4月にも適用を始めるという。各企業は、ハラスメントの予兆を察知し、未然に防ぐシステムづくりに取り組んでいる。
サイバーエージェントでは、月に一度従業員の声を聞くウェブ上のアンケート「Geppo(ゲッポウ)」が、ハラスメントの予防措置になっているという。Geppoでは、従業員個人と所属チームのコンディションを尋ねている。例えば、チームリーダーとメンバーの回答に落差があれば、人事はチーム内にハラスメントが発生していないか調査。問題があれば介入する。また、Geppoで設定する月替わりの質問で予兆を探ることもある。回答を上司に見られないこと、必ず人事部が対応してくれることへの信頼感から、従業員が声を上げやすいという。(日本経済新聞より)
アクセンチュアは、「自分、または誰かが尊重されていないと感じる行為があるか」を確認する全社アンケートの結果を全社員が共有。入社歴や役職などによる回答傾向を見ることで、「自分の常識とほかの人の常識は違う」という理解を求めた。また、被害を訴えた社員が立場を脅かされないよう、情報漏えいには細心の注意を払う。ハラスメントの専門調査チームは、高度な情報管理スキルを身に着けることが必須という。(リクルートワークス研究所より)
欧米に比べ対応が遅れているものの、日本でもハラスメント規制への関心は高まっている。従業員が安心して働ける職場環境や、何かが起きたときに声を上げやすい制度がより大切になるだろう。
(『日本の人事部』編集部)