育児と仕事の両立 職場の理解深める仕掛けを
職場に子育て中の社員がいるが、自分には子育ての経験がないため、仕事と育児の両立がどれほど大変で何に困っているのかがわからない、という人は多いだろう。また、いずれ子どもを持ったときに仕事と両立できるか不安を抱える人もいるだろう。そんな人たちに具体的なイメージを持ってもらおうと、工夫している企業がある。
キリンとキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの3事業会社は、工場の一部を除く全社員を対象に、子育て中の社員と同じ勤務時間で1ヵ月間働き、仕事と育児の両立生活を疑似体験する研修「なりキリンママ・パパ」を推進。研修中は基本的に残業せず、1日7.5時間の勤務となる。就業中に「子どもが熱を出した」などの急な連絡が入って早退するシチュエーションも発生するが、これにより突発的な事態に備えた管理能力も向上したという。2021年までに全社員が一度は体験することを目指している。(日刊工業新聞より)
大阪ガスは学生向けのインターンシップに、業務体験だけでなく、子育て中の社員宅への「留学」を組み込む。2018年度のインターンシップでは、学生が社員の家庭を4回訪問。社員とともに保育園へのお迎えや夕食の準備をすることで、共働き家庭でどのように育児と家事を分担しているのかイメージを膨らませた。(日本経済新聞より)
仕事と子育てや介護などの両立で、働き方や時間に制約を持つ社員は増えている。企業には、職場の理解を深め、当事者の不安も軽減する仕組みや風土作りが求められるだろう。
(『日本の人事部』編集部)