金融業界内で経済の先行きに楽観的な見方広がる。一方でボーナス満足度は二年連続で低迷~『金融業界2017年度ボーナス満足度調査結果報告』:モーガンマッキンリー
日本の金融業界に勤めるプロフェッショナルの間で、日本経済については楽観的な見方が広がっているものの、景気や部署・個人のパフォーマンスがボーナスに反映されていない不満が堆積していることが、最新のモーガンマッキンリー・金融業界2017年度ボーナス調査の結果からわかりました。毎年行われるこの調査で、経済の先行きに楽観的な回答者が増えたのは三年連続。楽観論者は昨年の31%から、今回は44%に増加。このような傾向は2月発表のモーガンマッキンリー2018年給与ガイドにて示された見解とも一致しています。
MORGAN MCKINLEY 2017 - 18年ボーナス調査(日本)要旨:
・2017年度ボーナスが支給された回答者の割合は86%(前年度調査の同様の質問では77%)
・2016年度と同額以上を受け取った回答者の割合は78%(前年度調査の同様の質問では69%)
・基本給がアップした回答者の割合は55%
・日本経済の先行きが明るいと感じている回答者は全体の44%
・昨年に引き続き(またも)回答者のうち40%がボーナスに不満と回答
Morgan McKinley Japan(東京都港区)のマネージング・ディレクター、ライオネル・カイダツィスは、ボーナスに対する不満が転職希望者の増加につながると見ています。「昨年よりもボーナス支給額が増加しているにも関わらず、個人の期待値を下回っている場合が多いようです。優秀な社員ほど落胆が大きいのではないでしょうか。現在日本の金融業界は、多くの職種において求人件数が候補者を上回る売り手市場ですから、この不満が引き金となって人材が流動化すると予測しています。弊社の統計でも、2018年1-3月期の求人件数は、前年同期比で12%増加しており、この予想を裏付けています。」
基本給には明るい兆しが見られます。回答者の55%近くが基本給の昇給を提示されています。昨年の調査ではこの割合は51%でした。しかし、増額幅は比較的小さく、昇給を提示された回答者のうち6割において、1~5%の微増であったことも留意すべきです。
世間的なイメージとの乖離
「金融業界のボーナス」と聞けば、世間とは一桁も二桁も違う金額を手に、豪奢なライフスタイルを送る外資系証券マンを想像する人も少なくないでしょう。実際はどうなのでしょうか。モーガンマッキンリーボーナス調査 2017/18 では新たな設問を加え、ボーナスの用途を尋ねました。
「全体としては、金融業界のボーナスは一般に言われているほど高額ではありません。今回の回答者の約4割で、ボーナス額は基本給の10%以下でした。用途としては、貯蓄が圧倒的多数で、不動産投資と回答した人も少なからずいました。いずれにしても堅実な使い道が目立ち、派手な外車や超高級腕時計を現金で買うような時代ではありません。世間一般のイメージは2018年の現実とはかけ離れているようです。」とカイダツィスは語ります。
ボーナス調査手法
Morgan McKinley日本オフィスは2018年2月から3月にかけてボーナス満足度調査を行いました。金融業界で活躍中の230名の方々から回答を得ました。回答者は全てMorgan McKinleyに登録いただいているプロフェッショナルであり、職種は営業、トレーディング、企業調査、オペレーション、財務、コンプライアンス、監査、IT、リスク、プロジェクトマネジメント など多岐にわたります。
報告書の全文は Morgan McKinley 2017/18年ボーナス調査報告書 からご覧ください。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(Morgan McKinley Japan https://www.morganmckinley.co.jp/ /4月23日発表・同社プレスリリースより転載)