大学等で単位認定を行うインターンシップの実施率72.9%、学生参加率2.6%。学生の6割近くは個人で申し込み、企業も独自での募集が多い~『インターンシップの更なる充実に向けて 議論の取りまとめ』(文部科学省)
文部科学省では、「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」(座長:荻上 紘一 東京都立大学名誉教授)を昨年6月から開催し、このたび、議論の取りまとめを行いましたので公表します。今後も、引き続き、関係省庁と連携しながら、インターンシップの量的拡大・質的充実を図ってまいります。
インターンシップの更なる充実に向けて【概要】
インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議 議論の取りまとめ
<背景・現状>
○背景
・「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」等により、産学協働による人材育成の観点から教育活動としてのインターンシップを推進。一方、近年は若者の職業意識が希薄化。そのため地域や企業と協働したインターンシップ推進が重要
○現状
・大学等の実施率72.9%、学生参加率2.6% (平成26年度)※大学等が実施している単位認定を行うインターンシップのみ(特定の資格取得(教育実習等)に関係するものを除く)
・学生の6割近くは個人で申し込み、企業も独自での募集が多い
・企業・学生は5日未満(特に1日)での実施・参加が多い。大学では5日以上の実施が多い
<意義・課題>
○意義
(学生) 業種理解・仕事理解、職業意識の育成・向上、学習意欲の喚起 等
(大学等)企業が求める人材の素養の把握、教育内容や教育方法の改善・充実 等
(企業) 自社の理解促進・魅力発信、若手社員の育成・研修の機会 等
○課題
(学生) 学業など他の活動が多忙、内容に魅力がない、経費負担 等
(大学等)他の授業科目に支障、希望学生が少ない、学内の人員不足 等
(企業) 社内の理解形成が困難、社内の人員不足 等
<インターンシップの在り方>
○インターンシップに求められる要素
・就業体験を伴うことに加えて大学等の関与(学生の参加状況の把握、学修への気付きの確認等)を求めていくことが必要
○いわゆる「ワンデーインターンシップ」など短期間のプログラムの中には、実質的に就業体験を伴わず、企業の業務説明の場となっているものの存在が懸念
⇒そうしたプログラムは、実態に合った別の名称使用を促す
○正規の教育課程としてのインターンシップ
・単位認定、事前・事後学習の実施、教育的効果測定の仕組み整備、原則5日間以上、大学等と企業との協働が必要
※将来的に目指すべきより教育的効果の高いインターンシップの例として、1ヵ月以上、体系化されたプログラム整備を推奨
<具体的な推進方策>
○届出・表彰制度の導入による優れたインターンシッププログラムの普及【国・大学等】
※正規の教育課程としてのインターンシップの要素を満たした取組内容の大学等からの届出・公表により、社会に広く発信・アピールの効果、届出のあったプログラムの中からモデルとなり得るプログラムを表彰等
○専門人材の育成・配置【大学等・国】
※大学等の教職員が企業、経済団体、地域協議会等と連携・協力し、チームとしての体制を整備等
○地域におけるインターンシップ推進のための協議会の充実【大学等・企業・地域・国】
※協議会同士でプログラムの確認、専門人材の育成など、お互いの取組を高めあう仕組みの整備等
○インターンシップ実施に係る負担の軽減【国・大学等】
※中小企業のインターンシップに係る支援策・負担軽減策の検討、学生に中小企業の仕事理解を促す支援策の検討、手引書・事例集の作成、評価の際の共通的指標の検討等
<就職・採用活動との関係>
○就職・採用活動の早期化・長期化につながるようなことは避けるべきであるため、インターンシップが就職・採用活動そのものとして行われることのないようにする取扱いは維持
○ただし、様々な意見があることも十分に考慮し、学生の学修環境の確保を前提としたうえで、幅広い観点から関係者間で中期的課題として検討していくべき
<多様なインターンシップの推進>
○地方創生インターンシップ(地方還流や地方定着にインターンシップを活用)やリカレント教育プログラムにおけるインターンシップ(転職・再就職にインターンシップを活用)等の推進も必要
インターンシップの更なる充実に向けて 議論の取りまとめ (PDF:1,958KB)
※インターンシップ推進のための課題及び具体的効果・有用性に関する調査研究結果も含む
<お問合せ先>
高等教育局専門教育課
インターンシップ推進係
電話番号:03-5253-4111(内線:2935、3345)
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(文部科学省 http://www.mext.go.jp// 6月16日発表・報道発表より転載)