2015年度に企業が負担した福利厚生費は、初めて11万円を超える~『2015年度福利厚生費調査結果』:日本経済団体連合会
一般社団法人 日本経済団体連合会は、『2015年度福利厚生費調査結果』を発表しました。
1.2015年度に企業が負担した福利厚生費は、初めて11万円を超えた。
2.福利厚生費のうち、「法定福利費」は、6年連続増加した。また、「法定外福利費」も9年ぶりに増加し、2万5,000円台を回復した。法定外福利費の伸びが現金給与総額、法定福利費の伸びを上回るのは02年度以来。
1.調査要領
調査目的: 福利厚生費の実態を把握し、今後の福利厚生を含む人事・労務管理の運営に資することを目的に、1955年度から毎年実施
調査対象期間: 2015年度 (2015年4月~2016年3月)
調査対象企業: 経団連企業会員および同団体会員加盟の企業1,646社
回答企業数: 667社(有効回答率 40.5%)。うち製造業が328社
回答企業の1社当たり平均従業員数 4,583人
労務構成 平均年齢41.6歳(前年度41.8歳)
2.調査結果の概要
企業が負担した福利厚生費(法定福利費と法定外福利費の合計)は、従業員1人1ヵ月平均110,627円(前年度比2.1%増)となり、初めて11万円を超えた。福利厚生費のうち法定福利費は、社会保険料の増加等により、85,165円(同2.0%増)となった。また、法定外福利費、25,462円(同2.3%増)となった。
(1)法定福利費
6年連続で増加。現金給与総額の伸び(570,739円、前年度比1.2%増)を上回って増加する傾向は変わらず(80年度以降、伸びが下回るのは、7回のみ)。内訳をみると、健康保険・介護保険は31,177円(前年度比1.5%増)、厚生年金保険は46,441円(同2.3%増)、雇用保険・労災保険は6,728円(同2.0%増)、児童手当拠出金は794円(同0.6%増)となった。
(2)法定外福利費
法定外福利費は抑制傾向が続いているものの、9年ぶりに増加に転じた。法定外福利費の伸びが現金給与総額、法定福利費の伸びを上回るのは02年度以来。ただし、02年度は調査方法を大幅に変更し、数値の変動幅が大きいため、それ以前では93年度まで遡る。
内訳をみると、医療・健康費用の「ヘルスケアサポート」が大幅に増加し(1,036円、前年度比10.6%増)、初めて1,000円を超えた。この要因として、昨年12月から義務化されたストレスチェックへの対応や健康経営の高まりが考えられる。また「育児関連」も387円(同11.2%増)となり、引き続き企業が子育て支援策を充実させていることが伺える。
<参考>
【福利厚生費調査について】
1955年度から毎年実施しており、今回で60回目。わが国において、半世紀以上にわたる企業の福利厚生費の動向を把握できる、唯一の調査である。
本調査は、法定福利費、法定外福利費の各項目について、企業の年間負担総額を年間延べ従業員数で除した1人1ヵ月当たりの平均値(加重平均)を算出したものである。さらに、総額人件費管理の観点から現金給与総額、退職金、通勤費用等についても同様の方法で算出した。
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /11月14日発表・同連合プレスリリースより転載)