学歴別の初任給の引上げ額は、820円~1,609円。短大卒(技術系)と高校卒(現業系)を除く多くの学歴で1,000円を超える引上げ~2016年3月卒『新規学卒者決定初任給調査結果』:日本経済団体連合会
一般社団法人 日本経済団体連合会は、2016年3月卒『新規学卒者決定初任給調査結果』を発表しました。
<調査結果の概要>
1.初任給決定にあたって最も考慮した判断要因 ―全産業―
この項目の調査を開始した2007年以降、「世間相場」(28.5%)と回答する企業が最も多く、「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」(20.3%)が2番目に多い傾向に変化はない。このほか、「賃金交渉の結果、その配分で決めた」企業(12.9%)が前年と比べて2.9%ポイント減少した一方、「人材を確保する観点から決めた」企業(16.1%)が1.8%ポイント増加し、3番目の判断要因となった。
人手不足などを背景に、予定採用数の確保のため、他社の水準を見極めながら初任給額を決定する企業が年々増えてきている。
2.初任給の決定状況 ―全産業―
「前年の初任給から引き上げた」企業(51.1%)は昨年に引き続き半数を超え、内訳としては、春季労使交渉におけるベースアップ等の実施を反映し「賃金改定後引き上げた」が大勢を占めた。このほか、求人賃金として前年の初任給よりも高い金額を示す企業の増加がみられた。
なお、初任給を引き上げた企業の割合が2年連続で半数を超えたのは、2000年以降で初めてのことである。
3.初任給水準と引上げ率 ―全産業―
学歴別の初任給の引上げ額は、820円~1,609円となり、短大卒(技術系)と高校卒(現業系)を除く多くの学歴で1,000円を超える引上げとなった。この結果、大学院卒(技術系)の初任給額が、本調査開始以来、初めて23万円台を記録した。
対前年引上げ率は、0.56%(高校卒現業系)~0.72%(高校卒事務系)となった。リーマン・ショックの影響等により2009年から0.1%前後の低い引上げ率が続いたが、14年以降は3年連続の高い伸びとなっている。
4.学歴・規模別の初任給
大学院(修士)卒(技術系)では「3,000 人以上」規模で初任給が最も高いが、その他の学歴では「100人~299人」「100 人未満」いずれかの規模が最も高くなっている。なかでも、高校卒(現業系)は、「1,000~2,999人」規模が僅かに「3,000 人以上」規模を下回ったものの、総じて規模が小さくなるにつれて初任給額が高い傾向がみられる。
<調査の基本事項>
調査目的:新規学卒者の初任給の実態と動向を把握し、今後の初任給対策の参考とするために1952年より毎年実施(東京経営者協会との共同調査)
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業1,918社
調査時期:2016年6月7日~7月1日
回答状況:集計企業数493社(有効回答率25.7%)
(製造業51.5%、非製造業48.5%、従業員500人以上規模78.1%)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /10月13日発表・同連合プレスリリースより転載)