高齢化による労働力人口の減少に45歳未満の8割以上が危機感も、シニア層の継続雇用の必要性には、同4割程度の同意~『ランスタッド・ワークモニター労働意識調査』シニア層の雇用:ランスタッド
総合人材サービス会社ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー(本社:オランダ王国ディーメン、CEO: ジャック・ファン・デン・ブルック)は、四半期毎に世界34の国と地域の18~65歳を対象に、労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」を実施し ています。今回は2016年第2四半期に実施した調査の中から、職場におけるシニア人材に関する結果を発表します。
調査の結果、シニア層の継続雇用には消極的な日本の状況が明らかになりました。
平成27年の国勢調査によると、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合は26.7%と、世界で最も高い水準です。今年6月に閣議決定された「ニッポン 一億総活躍プラン」でも、「高齢者の就業促進」が掲げられるなど、シニア層の雇用は日本の経済成長の重要な課題となっています。しかし、今回の調査では労働力人口の減少を懸念しながらも、シニア層の継続雇用には消極的な日本の状況が明らかになりました。
<特筆事項>
■日本の働き手の79.8%が、今後の高齢化による国内の労働力人口の減少を懸念。特に18~44歳までの働き手の約85%が危機感
■一方、「ビジネスの成長にシニア層の継続的雇用が不可欠」に同意したのは、日本の18~44歳で約40%。55歳以上では69.7%で、世代間で意識に大きな差があることが明らかに
■シニア層の雇用の見通しについて、45歳以上は他世代より否定的な傾向。さらに日本では、45歳以上の8割が「シニア層はスキルの習得に苦労」と回答。自身のスキル習得の課題がシニア雇用への期待を押し下げる結果に影響か
<ランスタッド株式会社 代表取締役社長 兼 COO 猿谷 哲 のコメント>
平成27年実施の国勢調査によると、15~64歳の現役世代の人口は5年前の調査から約400万人減少、今後も5年ごとに300~400万人規模で 減っていくと予測されています。この状況を打開するためには、現役世代以外の労働力を増やす必要があり、その一つが65歳以上の方の活用です。
今年6月、安倍内閣は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、働き方改革の中で定年延長や継続雇用による高齢者の就業促進を掲げました。しかしプラン 概要によると、60歳以上の方の中で65歳を超えて働きたいとする割合が65.9%であるのに対し、実際に65歳を超えて働いているのはわずか21.7% に留まり、「働きたいのに働けない」というギャップが生じている状況です。
今回のワークモニター調査では、日本の45歳以上の働き手が、年齢が高いほどスキル習得に苦労する状況を強く感じていることが明らかとなりました。一般的 に企業におけるトレーニングは若年層を育てる趣旨で実施されることが多く、高齢層は研修の機会に恵まれない傾向にあるように感じます。また、近年における AI(人工知能)やビッグデータの活用によるテクノロジーの発達がスキル形成を複雑化させ、急激なビジネス環境の変化がさらに危機感を持たせる要因につな がっているとも推測できます。
シニア層は短期間では決して得られない「長年の経験で培った技術・スキル」を有しています。雇用側がシニア層のスキルアップ支援や継続雇用を積極的に進めていくことで、持続的な労働力人口の減少に向け、安定的かつ継続的な戦力の維持につながることが期待できます。
※ 調査結果の詳細は、ワークトレンド360にて公開しています。
【このリリースに関する問合せ先】
ランスタッド株式会社
広報担当
寺島
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(ランスタッド株式会社 http://www.randstad.co.jp/ /8月8日発表・同社プレスリリースより転載)