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【ヨミ】キフコウザ 寄附講座

「寄附講座」とは、大学や研究機関において、産学連携の一環として行われる研究・教育活動の一種で、奨学を目的とした民間企業や業界団体などからの寄付金(奨学寄附金)を財源に、期限付きの客員教授などを招いて開設される講座を言います。2004年の国立大学の法人化以降、多くの大学で「寄附講座」が開かれました。近年は採用難を受けて、将来の人材獲得につなげる目的で設置する企業も増えています。
(2017/5/18掲載)

寄附講座のケーススタディ

大学の輩出する人材が需要に追い付いていない
産学連携で即戦力を育成、確保する動きが加速

モーター大手、日本電産の創業者である永守重信会長が、巨額の私財を資金難にあえぐ地元・京都の大学機関に次々と寄付し、話題を呼んでいます。先月7日には、日本電産が京都大学に、次世代モーターなどを研究する電子工学の「寄附講座」を開講すると発表。今後5年間で2億1千万円を寄付するほか、研究機器・試験設備の提供や相互研究の面でもバックアップすると約束しました。永守会長は同社株の8%を保有。その配当金などが寄付金に充てられるとみられており、2018年春、自ら理事長に就任する予定の京都学園大学においても、個人として100億円以上を投じ、工学部の新設に乗り出すといいます。同会長はその意図について次のように述べました。

「他国と比べて日本の大学は即戦力を出せていない。企業や社会が求める人材を育てる。金も口も出すよ」(朝日新聞2017年4月20日付)――世界的な人材獲得競争が激しさを増すなか、国内の即戦力不足は、多くの企業や業界団体に共通する問題意識です。「寄附講座」の設置をはじめ、産学連携で人材を育成する動きが加速しているゆえんでしょう。

とりわけ人工知能(AI)やロボットなどの新しい分野では、大学機関が輩出する人材が質・量とも、拡大する市場の需要に追い付いていません。企業が「金も口も」出したくなるのはそのためです。経済産業省の推計によると、こうした先端的なIT(情報技術)分野を担う人材が、20年には約4万8000人も不足するといわれ、危機感は業種・業界を越えて広がっています。昨年5月末、トヨタ自動車やパナソニック、ドワンゴなど8社は東京大学に、「先端人工知能学教育寄付講座」を設置すると発表しました。計約9億円の寄付金をもとに、年間150人程度にAI関連の技術や知識を教え、研究者育成につなげるのがねらいです。

「寄附講座」では、企業活動に直結するような実用的・実践的なテーマを扱う場合、支援する企業自身が現役の経営幹部や社員を派遣し、講師を務めることも珍しくありません。06年度から寄付講座の設置を本格的に開始したみずほファイナンシャルグループでは、京都大学、一橋大学、慶應義塾大学などに、グループの現場経験豊かな実務担当者を講師として派遣。金融フロンティア論や先端バンキング論など、最先端の業界情勢を踏まえた講義を展開しています。早稲田大学商学部で今年度前期半年間、寄附講座を開講する物流システム大手のダイフクでも、「消費が変わる 物流が変わる~BtoCからCtoBへ~」をテーマに、同社の北條正樹社長はじめ経営幹部が自ら登壇します。

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