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【ヨミ】サッカーガタソシキ サッカー型組織

「サッカー型組織」とは、社員一人ひとりが経営方針に従い、状況変化に応じて主体的に判断・行動する自立・自律化の進んだ組織のあり方を、サッカーのチームマネジメントの特性になぞらえて表現した言葉です。これに対し、監督が逐一指示を出して選手を動かす、野球チームのような管理統制型の組織を「野球型組織」と呼びます。
(2013/9/30掲載)

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サッカー型組織のケーススタディ

個の自立と自律、緩やかな役割分担
変化の時代に「野球型組織」から脱却を

野球とサッカーは、日本国内で人気を二分するメジャー・スポーツです。それだけに、競技やプレーそのものの魅力だけでなく、選手の育成から球団運営、スポーツビジネスとしてのあり方まで、何かと比較され、対照的に語られることが少なくありません。

組織論やマネジメント論においても、「野球型組織」と「サッカー型組織」とがよく比較されます。両者のチームスポーツとしての特性の違いを、企業などの組織づくりにあてはめると、これまでの日本の組織は前者であり、これから必要な組織づくりのカギは後者、つまり「サッカー型組織」にこそ見出せるといわれます。

野球のチームマネジメントは“上意下達”が基本。試合になれば、攻撃でも守備でも、監督が1球ごとワンプレーごとに指示を出し、選手にはその指示に忠実にプレーすることが求められます。また選手一人ひとりの役割が、ポジションによって完全に固定化、専門化されているのも野球の特徴。投手は投手の、内野手は内野手の、外野手は外野手の仕事に専念し、基本的に他のテリトリーに関与することはありません。こうした特徴から、管理性が強く、役割分担も硬直化しがちな組織を「野球型組織」と呼びます。

一方、「サッカー型組織」は、個人の自立と自律、緩やかで柔軟な役割分担によって機能しています。野球の試合が“静から動へ”を繰り返すのに対して、サッカーは常に“動から動へ”。野球のように先攻後攻、打順といった決まった順番で動くのではなく、試合が始まれば、選手は攻守入り乱れ、ポジションやフォーメーションを流動的に替えながら、ダイナミックに動き回ります。当然、監督が、そのプレーの一つひとつを指示することはできません。チーム全体で共有した戦術に基づき、選手自らが試合の展開や局面に応じて最適なプレーを選択、実行していくのです。

変化への柔軟な対応と素早い意思決定が求められる現在のビジネス環境において、こうした自立・自律型の組織――「サッカー型組織」が求められるのは当然でしょう。実際、「サッカー型組織」の考え方を組織づくりやマネジメント改革に活用している企業も出てきています。写真撮影スタジオを全国展開する「スタジオアリス」は、「すべてのことは店で始まり、店で終わる」という現場主義に基づき、店舗スタッフが主体的な状況判断で業務を遂行する、「サッカー型経営の確立」を経営基本方針として打ち出しています。

またリゾート運営の星野リゾートグループでは、階層を最小限にした「ユニット型組織」を採用しています。運営に必要な数十人規模の従業員で構成されるユニットは、ユニットディレクターと呼ばれるチームのキャプテンが指揮統率し、一人ひとりのスタッフが自由に動きまわりながら、同じゴールに向かう一つのチーム。サッカー型の組織づくりを理想としています。

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