企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】リンリケンショウ 倫理憲章

正式には「新規学卒者の採用・選考に関する倫理憲章」と言います。「就職協定」に代わるものとして日本経団連が中心になって定めた新卒者の採用活動に関するガイドラインです。
(2005/1/11掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

倫理憲章のケーススタディ

新卒者の採用活動の早期化にクギ
日経連加盟の半数の企業が賛同

かつて、会社説明会や会社訪問の開始時期を定めるなどして、新卒者の採用・就職活動の、とくにスケジュール面における一定のルールとなっていたものが「就職協定」です。

就職協定は、大学、日経連、文部省、労働省を中心とする「就職問題懇談会」によって1953年に作られたのが最初でした。しかし、罰則規定のない紳士協定だったために守らない企業が続出し、また、すべての企業が参加したわけでもなかったため、その後、廃止や復活、内容の変更を繰り返し、結局、1996年に廃止されてしまいました。

しかし、新卒者の採用・就職活動をめぐって全くルールがないのもいかがなものかということになったのでしょう。1997年度の採用活動から登場したのが、日本経団連が中心になって定めた「倫理憲章」です。以来、これが新卒者の採用・就職活動に関する一応のルールあるいは目安ということになっています。

ただし倫理憲章は当初、就職協定を強化したものではなく、ほとんど精神的な戒めという感じのものでした。「大学等の学事日程を尊重する」「採用選考活動の早期開始は自粛する」などの表現がほとんとで、具体的にスケジュールに言及しているのは「正式な内定日は10月1日以降とする」という部分だけだったのです。

ところが、2003年の改定、つまり2004年の採用・就職活動に関する倫理憲章で「卒業学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む」という一文が盛り込まれました。多くの企業が2〜3月に大学3年生を対象に採用活動をスタートさせ、4年生になった4〜5月には内々定を出す状況の中、大学4年生になる4月1日以前の選考は行わない、ということにしたのです。しかも、これに日本経団連加盟企業の約半数に当たる644社の企業が賛同の意思を表しました。

むろん、加盟企業の約半数とはいっても、644社という数字は日本全体の企業数から見れば多くありません。そもそも日本経団連に加盟していないところもたくさんあります。そのため、2004年の採用活動では、全体として大きな変化は見られなかったようです。

しかし、この一文は2004年の改定、つまり2005年の採用活動に関する倫理憲章にもそのまま盛り込まれました。採用・就職活動のこれ以上の早期化は、企業にとっても学生にとっても望ましいものではない、ということです。果たして、採用・就職活動に一定のルールやパターンができ、早期化にクギをさすことができるのか、それともやはりかつての就職協定のように有名無実化してしまうのか、倫理憲章の今後が注目されるところです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

通年採用
「通年採用」とは企業が年間を通し、そのときの必要性に応じて自由に採用活動を行うことをいいます。多様化への対応やグローバル人材の必要性が高まっている近年、通年採用によって優秀人材の獲得を目指す企業が増えています。ここでは、一括採用との違いやメリット・デメリットを整理するとともに、通年採用を成功に導くポ...
ダイレクトリクルーティング
「ダイレクトリクルーティング」とは、採用において、企業が自ら能動的に活動し、採用する手法のことです。人材の募集活動を求人広告媒体や人材紹介会社など第三者にアウトソーシングして、求職者の応募をただ「待つ」のではなく、企業側が人材データベースやSNSなどさまざまなツールを活用して、求める人材を自ら探し、...
逆求人
企業が求人募集をかけて学生を集める従来の新卒採用活動の流れとは逆に、学生側がイベントやインターネットなどを活用して自らをアピールし、興味をもってくれた企業からのアプローチを待つしくみのことを「逆求人」と言います。知名度は低いけれど採用意欲の高い中堅・中小企業と、人気企業にこだわらずより広い選択肢か...

関連する記事

人事マネジメント「解体新書」第53回 2013年 新卒採用の動向と対策(前編)
2013年の新卒採用は、日本経団連の倫理憲章によって、例年より2ヵ月遅れて2011年12月にスタートした。これにより、多くの企業が採用戦略の見直しを迫られることになった。まずは、2013年新卒採用の見通しはどうなっているのか、データを中心にその動向を見ていくこ...
2012/02/27掲載人事マネジメント解体新書
6割以上の採用担当者が、学生に直にアプローチできる採用手法を検討 ~「2016年卒採用」における、スケジュール後ろ倒しの影響とは?~
2016年卒から新卒採用の時期を繰り下げる「採用選考の指針」が日本経済団体連合会(経団連)によって発表されました。これにより、「広報開始」が2015年の3月以降、「選考開始」が8月以降と後ろ倒しになります。スケジュールの変更に伴い、採用計画の見直しを迫られる企...
2014/11/26掲載編集部注目レポート
「新卒採用コンサルティング」とは
採用コンサルティングは、テクニカルな業務レベルでのサポートだけでは不十分だ。クライアントの企業理念や経営戦略などを十分に踏まえた、「戦略的な採用の提案」を行うことが求められる。
2011/01/31掲載人事支援サービスの傾向と選び方

関連するQ&A

新卒採用を行うメリットとは
当社では現在中途採用のみ行っております。 新卒採用は行っていないのですが「新卒採用を行うメリット」や最近の動向・データなどをお教えください。
【2010年度入社】 新卒の採用単価について
2010年度新卒採用における一人当たりの採用単価の相場はどのくらいでしたでしょうか? また2名採用の場合、どんな採用手法が適切でしょうか? よろしくお願いいたします。
採用アウトソーシングについて
採用のアウトソーシングを受託したいと考えているのですが、他企業の採用を代行する際、採用決定までアウトソーシング会社がおこなってよいのでしょうか? また、行ってはいけない行為はどのようなことがありますでしょうか?
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 採用 ]
次世代リーダー育成特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

研修費ゼロの人材育成 3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


働き方改革の先にある「働きがい」向上とは

働き方改革の先にある「働きがい」向上とは

「働き方改革」の旗印のもと、企業では残業削減や休暇の充実、リモートワー...


これからのビジネスに欠かせない「経済知力」とは?

これからのビジネスに欠かせない「経済知力」とは?

変化のスピードが速い現代において、過去の“経験則”だけでは通用しないの...