企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ピンクカラージョブ ピンクカラージョブ

「ピンクカラージョブ」とは、看護師・保育士・家政婦・店員・秘書など女性が従事することの多い職種、仕事を指す言葉です。もともとは1970年代のアメリカで、自己実現やキャリアを積むことよりも生計維持のために、高度な専門技術を必要としない低賃金の単純技能職に就いた女性勤労者を、男性のホワイトカラー・ブルーカラーになぞらえて「ピンクカラー」と称しました。
(2012/1/30掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ピンクカラージョブのケーススタディ

ニーズの急増に反して人手不足が深刻化
ピンクカラーの旧弊を脱して処遇改善を

ピンクカラージョブ」と呼ばれる仕事は、総じて給与水準が低いとされています。介護分野を例にとると、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2010年)では、全産業の平均賃金が月32万3000円であるのに対し、ホームヘルパーが21万円、福祉施設介護員で21万4000円、最も高い専門性を求められるケアマネジャーでも26万2000円となっています。初任給の時点では他産業と比べてそん色ないものの、一般企業のような昇格・昇進の道が開かれていない職場も少なくありません。

女性が多い職場は、家計を支える「一家の大黒柱」の男性が働く職場とは事情が異なるという理由で、賃金を低く抑えられてきた経緯があります。結婚や出産で退職することが前提とされ、能力開発のための研修やキャリアアップ制度の整備も不十分なまま。ピンクカラージョブには、性差別にもとづく処遇格差の実態がいまだに残っているのです。

現代のピンクカラージョブの代表といえば、介護や保育の分野でしょう。それは本来、人の生命を支え、育むことで社会に多大な貢献を果たすかけがえのない仕事です。しかも高齢化や共働き家庭の増加によって、その需要は高まるばかり。にもかかわらず、ピンクカラーの待遇を長く押しつけてきたツケが、ここへきて深刻な人手不足という形で顕在化してきているのです。介護職の有効求人倍率は2010年度で1.38と、不況でも1を上回っています。保育士の需要も、ある民間の調査では08年から17年にかけて全国で13万人余り増え、東京、埼玉、千葉では合わせて4万人近くの保育士不足が見込まれています。その一因が激務や重い責任のわりに報われない、待遇の悪さにあるのです。

こうした職場の運営は税や保険金でまかなわれている部分も多く、公的資金の投入などによる処遇改善が容易でないのは確かですが、その一方で経営の効率化に知恵を絞り、人材確保の努力を続ける民間企業や社会福祉法人も現れてきています。全国で老人施設を運営するベネッセスタイルケアは、掃除のほか雑用を外部化するなどの業務改革によって介護職員の専門性を確保。能力や経験に応じて昇進・昇格できる人事考課制度も導入し、職員のやりがいを刺激しています。有料老人ホームを展開するメッセージでは、介護職に10段階から成る職位を設け、試験に合格すれば昇級できる独自のキャリアアップ制度を実施しています。最高位に昇級するには短くても10年はかかるそうですが、到達すれば介護職のままで業界平均の約2倍の600万円近い年収が得られます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

ワーキングケアラー
「ワーキングケアラー」とは、働きながら家族や親族などの介護を行っている勤労者を指す言葉です。総務省が2013年に公表した最新の「就業構造基本調査」によると、全国のワーキングケアラーの数は、介護をしている人全体(約560万人)の過半数に相当する約290万人に上ります。うち男性が130万人、女性が160...
トモニン
「トモニン」とは、厚生労働省が定める、“仕事と介護を両立できる職場環境”の整備・促進のためのシンボルマークの愛称です。マークのデザインは2014年3月、愛称は同年8月に一般公募により決定。「介護する人を職場で支えてともに頑張っていく」「仕事と介護をともに両立させる」という意味を込めて、「トモニン」と...
介護離職
家族などの介護を理由に、働き盛りの社員が会社を辞めることを「介護離職」と言います。団塊世代の高齢化などで親の介護に直面する子世代のビジネスパーソンが急増する中、介護離職を企業の深刻な経営リスクと捉え、支援制度の整備や職場環境の改善に乗り出す動きが広がっています。 (2012/1/16掲載)

関連する記事

介護経験のあるビジネスパーソン309人に聞いた 仕事と介護の両立実態
2014年7月に「介護に関するアンケート」を実施し、これまで実際に介護をした人が、どのように仕事と介護を両立してきたのかを実態調査し、その結果から課題と今後の取り組みのヒントを分析しました。
2015/04/13掲載人事・労務実態調査
人事マネジメント「解体新書」第97回 仕事と介護の「両立支援」を考える 手遅れになる前に、企業はどんな対策を講じておくべきなのか(前編)
企業の中核を担う40代、50代を中心に、介護を理由とした離職が増えている。介護は「いつ始まり、いつまで続くのか」が分からない。手遅れになる前に、企業としての基本方針を示し、何らかの対策を講じておくことが、組織経営(人事マネジメント)の観点からも極めて重要だ。「...
2016/09/01掲載人事マネジメント解体新書
人事マネジメント「解体新書」第98回 仕事と介護の「両立支援」を考える 手遅れになる前に、企業はどんな対策を講じておくべきなのか(後編)
高齢化社会が到来する中、多くの企業では仕事と介護の両立が大きな課題として顕在化してきている。介護への対応は、運用の仕方や、従業員の意識啓発など、ハード面とソフト面の両方が必要となる。「後編」では、独自の工夫を凝らしている先進企業2社の事例を紹介する。
2016/09/08掲載人事マネジメント解体新書

関連するQ&A

介護休職で介護保険給付金を請求する場合
親の介護で休職する際 介護保険給付金が請求できると思いますが、介護認定でのしばりはありますか
介護短時間勤務制度について
いつもお世話になっております。 平成29年1月1日からの育児介護休業法の改正で介護短時間勤務が義務付けられていますが、育児短時間勤務と同様に1日あたりの勤務時間を6時間とする制度が必要なのでしょうか。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
人事・労務のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。
「エンゲージメント」を高めるためのポイントやソリューション

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

シェアNo.1採用管理システムi-web 期間限定キャンペーン

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


「エンゲージメント 」を高めるソリューション特集

「従業員エンゲージメント」を高めるために押さえておきたいポイントや具体的な施策、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


非日常の体験型ワークショップでチームビルディングを実現!

非日常の体験型ワークショップでチームビルディングを実現!

『日本の人事部』では、魅力ある「体験型ワークショップ」をもっと多くの方...