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【ヨミ】インターンシップ

インターンシップ

インターンシップとは?

インターンシップとは、学生が一定期間、企業の就業体験を行うことです。文部科学省・厚生労働省・経済産業省の「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」では、『学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと』と定義されています。就職活動が本格化する前に職場の雰囲気や実務への理解を深めることで、就業意欲を高めるとともに、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待されています。
 
近年ではインターンシップを実施する企業、参加する学生、ともに増加しており、実施する手法としてはオンラインの割合が高くなっています。インターンシップの実施時期としては3年生の8月が最も多く、夏休みに参加する学生が多くなっています。
 
政府は2022年6月、企業がインターンシップの参加学生について得た情報を採用活動に使用することを一定の条件下で認める方針を決定しました。この動きにより、新卒採用のさらなる早期化やインターンシップに注力する企業の増加、インターンシップが採用により直結していくことが予想されます。

更新日:2023/01/13

1.インターンシップとは

インターンシップの実施率・参加率

リクルートキャリア・就職みらい研究所の「就職白書2022」によると、2023年卒の学生を対象にインターンシップを実施した、もしくは実施を予定する企業の割合は73.9%です。2020年卒の実施率は87.4%で、新型コロナ禍に見舞われた2021年卒は79.7%、2022年卒は57.4%と実施率が低下していましたが、やや盛り返す結果となりました。

一方、2022年卒学生のインターンシップ参加率は61.4%で、2021年卒学生の70.8%に比べて減少しました。ただ、オンラインインターンシップへの参加率は48.4%と前年の15.7%から大幅に増加しています。また、2022年卒の学生に関しては、内定者のうち平均29.1%がその会社のインターンシップ参加者でした。

このことから、インターンシップは学生にとって企業や業界への理解を促進する場として活用されているのと同時に、企業にとっては新卒採用の有効な方法となっていることが分かります。

インターンシップの時期について

内閣府の2021年1月の調査(主に2019年卒の学生向け調査)によると、企業がインターンシップを行う最初の時期は8月(約4割)が最も多く、実施回数は2月(約3割)にピークを迎える傾向があります。

また、ディスコが2023年卒の大学生を対象に調査したところ、インターンシップの参加時期は3年生の8月(24.2%)が最も多く、次いで9月(18.2%)、2月(11.0%)、12月(10.7%)の順となっています。

これらの結果から、インターンシップは大学3年の夏ごろから始まり、秋から冬にかけて多く実施されて2月ごろにピークを迎え、大学4年の春には少なくなるという傾向が読み取れます。

インターンシップが注目を集める社会的背景

教育制度におけるインターンシップは、アメリカが始まりとされています。日本では、1997年に政府がインターンシップのガイドラインを公表し、広く認知されるようになりました。

近年は、インターンシップを実施する企業が増加傾向にあります。その理由として、二つのことが挙げられます。一つは、新卒採用の早期化が進んでいることです。経団連では例年、広報活動解禁時期と選考解禁時期を定め、指針として公表しています。これは、就職活動により学業に影響を及ぼさないことへの配慮と選考の公平性を担保するためです。

しかし現実には、外資系企業や経団連に所属していない企業などを中心に、早期採用が進んでいるのが実情です。そのため、各企業はより早い段階で人材と接触できる場、または自社をアピールできる機会を求めるようになりました。こうしたニーズに合致しているのが、インターンシップというわけです。

有効求人倍率(各年の平均値)は近年、リーマンショックの影響を受けた2009年の0.47倍を底値として、以降は2018年の1.61倍まで9年連続で上昇し続けました。コロナ禍に見舞われた2020年からは下落し、2021年平均値は1.13倍にとどまりましたが、2022年8月の値は1.32倍と順調に回復しつつあります。コロナ禍でも学生は依然として売り手市場であり、新卒採用に力を入れる企業はインターンシップを積極的に取り入れています。

二つ目の理由は、早期離職率を抑えるためです。入社から3年以内に退職する、いわゆる第二新卒は例年一定数以上存在します。この原因の一つとなっているのが、入社前のイメージとのギャップです。早期離職のリスクを抑えるうえでも、インターンシップへの注目が集まっています。

インターンシップがより直接的に採用につながる可能性も

政府は2022年6月、企業がインターンシップの参加学生について得た情報を採用活動に使用することを、一定の条件下で認める方針を決定しました。2025年以降卒の大学生・大学院生が対象で、以下の条件を満たすことが必要です。

(1)〈就業体験要件〉
必ず就業体験を行う。インターンシップ実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てる。
※テレワークが常態化している場合、テレワークを含む
(2)〈指導要件〉
就業体験では、職場の社員が学生を指導し、インターンシップ終了後、学生に対しフィードバックを行う。
(3)〈実施期間要件〉
インターンシップの実施期間は、汎用的能力活用型では5日間以上、専門能力活用型では2週間以上。
(4)〈実施時期要件〉
学業との両立に配慮する観点から、大学の正課および博士課程を除き、学部3年・4年ないし修士1年・2年の長期休暇期間(夏休み、冬休み、入試休み・春休み)に実施する。
(5)〈情報開示要件〉
募集要項等に、以下の項目に関する情報を記載し、HP等で公表する。
①プログラムの趣旨(目的)
②実施時期・期間、場所、募集人数、選抜方法、無給/有給等
③就業体験の内容(受入れ職場に関する情報を含む)
④就業体験を行う際に必要な(求められる)能力
⑤インターンシップにおけるフィードバック
⑥採用活動開始以降に限り、インターンシップを通じて取得した学生情報を活用する旨
(活用内容の記載は任意)
⑦当該年度のインターンシップ実施計画(時期・回数・規模等)
⑧インターンシップ実施に係る実績概要(過去2~3年程度)
⑨採用選考活動等の実績概要 ※企業による公表のみ

この動きにより、新卒採用のさらなる早期化やインターンシップに注力する企業の増加、そしてインターンシップが採用により直結する可能性が予想されます。

2.インターンシップを導入するメリット

優秀な人材を発掘する機会を得られる

広報活動の解禁時期に従って動いた場合、学生はどうしても企業や業界への理解を深めるための時間が制限されます。インターンシップを導入することで、早期に複数の学生との接点を持ち、仕事内容や企業の魅力を伝えることができます。

また、職場体験やプログラムを通して、採用選考の場では見えにくい能力が分かることもあります。優秀人材を発掘できる、という点は大きなメリットです。自社が求める人材と早期に出会えることで、その後も接点を持ち続けるなど、企業はより戦略的に採用活動を展開できるようになります。

企業のイメージアップにつながる

インターンシップの実施により、企業側には、学生や学校に対して知名度を高める効果も期待できます。とくに、エンドユーザーと直接的な関わりのない業種では、会社の名前が知られていないことが多くあります。インターンシップは知名度によらず検討されることが多いため、企業を知ってもらい、イメージアップを図る機会にもなります。

入社前後のイメージギャップを防ぐ

採用選考は、企業にとって時間・労力・費用をともなうものです。企業では、できるだけ効率よく優れた人材を獲得し、長く企業に貢献してもらいたいと考えています。しかし、例年一定数以上が入社から3年以内に早期離職してしまう現状があります。

厚労省の調査によると、2020年度における大卒者の就職後3年以内の離職率は31.2%と、3人に1人が3年以内に離職する状況にあります。推移を見ると、2011年以降は31〜32%台で推移しています。3年以内の離職率の高い業種を見ると、宿泊業・飲食サービス業(51,5%)が最も高く、生活関連サービス業・娯楽業(46.5%)、教育・学習支援業(45.6%)と続き、接客を伴うサービス業で高い傾向にあることが分かります。

さらに厚労省の2018年若年者雇用実態調査では、若年労働者が初めて勤務した会社を退職した理由として、多い順に次の理由が挙げられています。

  • 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった:30.3%
  • 人間関係がよくなかった:26.9%
  • 賃金の条件がよくなかった:23.4%
  • 仕事が自分に合わない:20.1%

新卒社員の早期離職を防ぐためには、エントリー前の時期や、選考中から企業や職業への理解を促して入社前に抱いたイメージとのギャップを防ぐことが重要です。
インターンシップは、事前に企業の雰囲気や実際に働くイメージをつかんでもらううえで有効な方法です。また、お互いの考え方や特徴を理解し合うきっかけとなります。インターンシップを通じて、お互いのミスマッチを防げることは大きなメリットです。

3.インターンシップの種類

インターンシップは期間の長さによって、大きく長期・短期に分かれます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

短期インターンシップ

短期インターンシップは、主に大学3年の夏休み・冬休み、大学4年になる前の春休みといった時期を利用して参加する学生が多い傾向にあります。期間は、一日から長くとも3週間程度です。

企業ごとにさまざまな企画内容で実施されますが、大きくはセミナー・見学型、問題解決型(ワークショップ・プロジェクト型)に分けられます。

(1)セミナー・見学型

セミナー・見学型は、一日から数日間で実施します。企業説明会を始め、社内見学、職場体験が中心となります。社員と交流する時間を設けるなど、短期間でも社内の雰囲気やイメージをつかんでもらえる工夫をします。

(2)問題解決型(ワークショップ・プロジェクト型)

問題解決型(ワークショップ・プロジェクト型)は、数日から2週間前後の期間で実施されることが多くなっています。複数の学生でグループをつくり、課題やプロジェクトに取り組みます。グループ内でワークやディスカッションをした内容を、社員にプレゼンしてもらうこともあります。

短期インターンシップのメリット・デメリット

(1)企業側のメリット

短期間に多くの学生を集めて開催できるため、社内のリソースや日程を調整しやすく、実施が比較的容易というメリットがあります。人事担当のほか、現場の社員も一度に多くの学生と接することができるので、ポテンシャル・性格・印象などを知る良い機会になります。

ディスカッションをするプログラムでは、学生とのコミュニケーションを通じて相互理解を深められるというメリットもあります。

(2)企業側のデメリット

短期間での実施となるため、企業側からの一方的な情報発信となりがちで、コミュニケーションが浅くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。また、タイムスケジュールを綿密に組む必要があり、企画立案や関連部署との調整など、事前の準備に手間がかかります。

短期インターンは応募者数が多くなることも想定されるため、人数を制限する場合は選定基準の設定、選定業務を行うといったことも必要です。

(3)学生側のメリット

社員や他の学生との交流の場を得ることで、就職活動の視野が広がります。入社する前に社内の雰囲気や業務内容を大まかにつかめるため、入社後の働き方をイメージしやすくなります。

また、短期インターンでは、複数の業界・職種に参加しやすい点もメリットとして挙げられます。就職活動に入る前に、自分にとっての向き・不向きを知ることができるので、ミスマッチを避けられるというメリットがあります。

(4)学生側のデメリット

セミナー・見学型では、企業理解は進むものの、自己アピールする場とはなりにくい点がデメリットに挙げられます。気軽に参加できる一方で、お互いを知る機会を期待するのは難しいといえるでしょう。

プログラムによっては、実際の業務内容とは異なるテーマが設定されていることもあります。ワークショップを通じてポテンシャルをアピールできるというメリットもありますが、実際の仕事内容は分からないままになってしまう点がデメリットといえます。

長期インターンシップ

長期インターンシップは、1ヵ月から半年程度が多くなっていますが、とくに期限を設けず行われる場合もあります。

短期インターンシップでは企業を知ってもらうことが主な目的であるのに対し、長期インターンシップは実践を通じて業務内容の理解を深め、入社後の即戦力を育てる目的で実施されることが多くなっています。そのため、採用後すぐに戦力化を図りたい中小企業やベンチャー企業で実施されることが多い傾向にあります。

長期インターンシップでは、社員の補佐的な業務に携わりながら、職場の雰囲気や先輩社員の仕事の進め方を見て、企業で働く実際を学んでもらいます。学生の能力・スキルによっては、社員と同等の仕事に従事してもらうこともあります。

長期インターンシップのメリット・デメリット

(1)企業側のメリット

長期間にわたって学生と接することで、能力・スキル・行動特性を具体的に把握できるというメリットがあります。また、企業の考えや風土をしっかり理解してもらえるため、入社後のミスマッチが少なく、即戦力として活躍してもらえる可能性が高まります。

優秀人材と早期から接点を持てるメリットがあるほか、若手社員を教育担当にすることで既存の社員の育成にも役立ちます。社内の活性化につながる点もメリットになるでしょう。

(2)企業側のデメリット

一方で、長期間にわたって教育し実務経験を積んでもらっても、他の企業に入社する可能性は当然あります。時間や社員の労力を割いても、必ずしも人材獲得につながるわけではないという点がデメリットとして挙げられます。

また、実際の業務にあたる過程で、社内の機密事項に触れる可能性があります。セキュリティー面での不安要素を排除するため、事前に任せる業務範囲の判断をしておく必要があります。

(3)学生側のメリット

長期間の実務経験を通して企業への理解が進み、社員とのコミュニケーションも深まります。場合によっては経営層と接する機会もあり、事業運営の視点を知ることができるなど自己成長につながります。企業の理念や方向性をつかんだうえで入社を決めることができるため、入社後のミスマッチが起こりにくい点も大きなメリットです。

(4)学生側のデメリット

責任感を持って実務に携われる反面、労働時間が増え、学業に支障をきたすことが懸念されます。仕事に集中してしまい、学業がおろそかにならないよう注意する必要があります。

インターンシップの実施形態

インターンシップは、実施期間だけではなく形態も複数あります。主に対面、オンライン、ハイブリッドに大別されます。

対面型

対面型のインターンシップは学生が実際に企業を訪れて職場で就業体験することで、いわゆる従来型のインターンシップです。コロナ禍以前は対面型のインターンシップが主流でした。

しかしコロナ禍に入った2021年10月、マイナビが2023年卒の大学生を対象に調査したところ、インターンシップに対面のみで参加した人はわずか5.7%で、オンラインを含めて対面で参加した人は合わせて37.1%にとどまりました。一方、「WEBのインターンシップ・ワンデー仕事体験のみ参加」は46.8%と、オンラインの参加者が多数を占めたことが分かっています。

オンラインインターンシップ

オンラインインターンシップとは、ZoomなどのWeb会議システムなどを利用して、オンライン上で就業体験を提供することです。コロナ禍で従来型の対面インターンシップが難しくなったため、オンラインインターンシップは急速に広まっています。

オンラインインターンシップには、従来の対面型と比べて、学生が時間や場所を選ばずに参加できるというメリットがあります。これまでは、北海道や九州の学生は交通費の負担が重く、首都圏で開かれるインターンシップへの参加をちゅうちょしがちでした。しかし、オンラインであれば交通費もかからず参加しやすいため、地方の優秀な学生を集めやすくなります。

一方オンラインインターンシップでは、双方向のコミュニケーションが取りづらいのが難点です。対面型と比べると参加者同士が仲良くなりづらく、グループワークの様子も把握しづらいのがデメリットとして挙げられます。

オンラインのメリットを活かした面白法人カヤック(以下カヤック)の例を紹介します。カヤックでは、学生が自社に対する理解を深める機会がないという課題を解決するために、「面白く働きたくなる、つくることが楽しくなる」というテーマを設定しオンラインでインターンシップを実施しました。

具体的には、学生に2週間で商品の企画・プロモーションに取り組んでもらいました。前半の1週間で学生に企画の作り方などをレクチャーし、後半1週間で商品PR用の企画書を作成してもらうという内容です。前半1週間のレクチャーは生配信だけではなく動画を用意し、学生が参加しやすいよう工夫。生配信では学生が動画を見て抱いた疑問を解消できるよう努めました。リアルタイムとオフラインを使い分ける工夫で、2020年は700人の学生を相手に自社の魅力を伝えました。

ハイブリッド型

ハイブリッド型は、対面とオンラインそれぞれの長所を組み合わせてセットで行うインターンシップです。たとえば、ガイダンスや事業内容の説明など配信や動画を視聴すれば済む内容はオンライン、職場体験やグループワークなど実際の体験やコミュニケーションが必要な内容は対面と、内容によって形態を切り替えます。

4.インターンシップ設計の流れ

実際にインターンシップを設計する流れや手順の一例を紹介します。

  • 情報収集・自社の強みや弱みの整理
  • 目標とターゲットの設定
  • コンテンツの企画・作成
  • 募集方法の選定・参加者募集
  • 実施・参加者フォロー

情報収集・自社の強みや弱みの整理

企業は事前準備として、アイデアを広く出すためにインターンシップに関する情報を収集します。具体的には、他社のインターン事例の収集や学生ニーズの把握などです。また、競合と比べた自社の強みや弱みを洗い出し、インターンシップでアピールできるよう整理します。

目標とターゲットの設定

まず、インターンシップを実施することで解決できそうな採用上の課題を洗い出します。たとえば、大学3年時の説明会などで早期に接触しても、採用までつながらないなどの課題が挙げられます。

次に、洗い出した課題を解決できるようなインターンシップの目標を設定します。たとえば、早期接触し採用につなげたいのであれば、インターンシップで自社の強みや成長環境を実感してもらい、入社意欲を高めるなどの目標が考えられます。

さらに、インターンシップによって獲得したいターゲットの設定も必要です。学部・スキル・性格・属性などに加えて、どのような仕事や働き方を希望しているのかといった「志向」も重視すると、アプローチの方法やインターンシップの中身(コンテンツ)を設計しやすくなります。

コンテンツの企画・作成

インターンシップの中身(コンテンツ)を企画します。具体的には、目的とターゲット獲得を実現できるようなプログラムの内容を考え、それに適した形式(対面・オンラインなど)、開催時期や期間を検討していきます。協力してもらう社員の選定や依頼も必要です。

募集方法の選定・参加者募集

まず、インターンシップの参加者を募集する方法を決めます。募集・集客方法の一例として、求人サイトやスカウトサイト、学生送客サービス、大学のキャリアセンター、説明会やSNSでの告知などが挙げられます。学生送客サービスとは、ターゲット層の学生をインターンシップや説明会などに誘導してくれるサービスです。募集方法を決定した後は関係者に依頼して募集を開始し、応募者を選定して結果を通知します。

実施・参加者フォロー

当日までに資料作成や会場・設備の準備などを行い、インターンシップを実施します。実施後も、お礼の連絡や今後の選考案内などのフォローをすることで、参加者とのつながりを維持することが重要です。

5.インターンシップを実施する際の注意点

インターンシップの目的から逸脱しないこと

企業がインターンシップを実施する背景には、優秀な人材を獲得したいという期待があります。しかし、採用強化に特化しすぎてしまうと、インターンシップ本来の目的を見失ってしまうことがあります。

たとえば、学生の人気を得るためのプログラムに終始し、職場体験の意味合いが薄くなるケースです。また、行き過ぎた囲い込み活動によって、学生の信頼を失うといった点が懸念事項として挙げられます。

インターンシップを実施する際は、目的を明確にするとともに、学生にとってのメリットも意識し、自由な就職活動を妨げない配慮が必要です。

インターンシップの賃金

インターンシップの目的は、在学中に就業体験をすることとされています。そのため、報酬を支払う必要はないと認識されている場合がありますが、内容によっては賃金を支払う義務が生じます。

賃金が発生するのは、インターン生に対し、指揮命令のもと実務を行わせ企業が利益を得ている場合です。このケースでは労働基準法第9条が適用され、最低賃金を守ったうえで一般労働者と同じ扱いをする必要があります。

主に長期インターンの場合、これに該当するケースが多くなります。時給・日給など報酬体系は企業によって異なりますが、無償で働かせた場合には違法となるため注意が必要です。

また、インターンシップは報酬を得ることを目的としたアルバイトとは位置づけが異なります。これを混同しないよう、社員および学生にしっかり認識してもらう必要があります。

6.インターンシップの充実度は志望度に影響

採用選考へのエントリー段階では、学生に認知されている業界や有名企業が有利な状況をつくりやすいのが実状です。インターンシップは、知名度が低い企業でも多くの学生に自社をアピールする機会を得られるため、選考の母集団形成に大きく貢献するといえます。

若年層の早期離職が問題視されるなか、インターンシップへの期待は企業・学生ともに高まっています。しかし、一方ではインターンシップの充実度が企業の印象を左右するほどの影響力を持ち始めていることに注意する必要があります。

学生がインターンシップに参加している平均社数は2021年度で6.69社となっており、年々増加傾向にあります(リクルートキャリア・就職みらい研究所の「就職白書2022」より)。学生は複数の企業のインターンシップ体験を比較しているため、プログラムの満足度が志望度に大きく影響することが考えられます。

インターンシップの実施にあたっては、こうした影響を十分に考慮したうえで企画・運営することが重要です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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この記事ジャンル 新卒採用

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神奈川県/ マーケティング・リサーチ・テレサービス(従業員数 101~300人)
2020/03/31 22:30 ID:QA-0091781 新卒採用 回答終了回答数 3 件

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