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【ヨミ】ピーディーシーエー

PDCA

PDCAとは?

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、継続的な改善を目指す手法の一つです。それぞれの項目を連続的に循環させ、継続的に品質を向上させることを目的としています。

更新日:2023/12/27

PDCAとは

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、継続的な改善を目指す手法の一つです。それぞれの項目を連続的に循環させ、継続的に品質を向上させることを目的としています。

日本でPDCAが登場したのは、1950年に品質管理の父と呼ばれたW・エドワーズ・デミング博士が紹介したことがきっかけといわれています。PDCAは「デミング・サークル」「デミング・サイクル」と呼ばれることもあります。

品質管理から始まったPDCAは当初製品や工程の品質管理に用いられましたが、その後組織全体の管理に拡張していきました。現在では、ビジネスシーンだけではなく、教育現場、スポーツまで幅広く採用されている、メジャーなフレームワークの一つです。

特にビジネスシーンにおいては、個人・チームレベルの業務改善から企業組織の中長期経営計画まで幅広く応用でき、さらに品質マネジメントの国際規格であるISOマネジメントシステムにも取り入れられています。

PDCA(Plan・Do・Check・Action)の基本的な回し方

Plan(計画)

実行計画を検討し、目的・目標を決め、どのように達成に向けて動いていくかを決めます。目的とは、なぜ計画を実行する必要があるのか、計画に盛り込んだ目標を達成することは自分たちにとってどのような意味を持つのかを示すことです。目標とは、達成度合いがわかる指標のことで、数値などで具体的に示します。過去の実績や周囲の状況を踏まえて、現実的に達成可能なものにします。

Do(実行)

計画を立てたアクションを実行します。実行段階で反対する声が出ないように、なるべくPlanの段階で認識を合わせるのが重要です。目的について同意しておくことが特に重要な役割を果たします。後のCheck、Actionを正確に行うために、計画から実行内容を変えないように注意します。変えた場合は変更を詳細に記録します。

Check(評価)

実行内容を検証します。データを活用して振り返りますが、定量的なデータ以外に、定性的な情報を重視するのも有効です。また、計画通りに実行できなかった部分があれば、それを踏まえて評価をします。

Action(改善)

検証結果を踏まえて、次回はどのように行動していくか改善策を検討します。Checkの段階で正しい分析ができていなければ改善策も的外れになり、成果につながりません。

PDCAのメリット・デメリット

メリット

するべきことが明確になる

PDCAサイクルは、初めに目標とアクション計画を立てることによって、するべきことが明確になるのがメリットです。明確なゴールを決めて、時期、目標数値を把握しながら計画に基づいてチームとして動いていくことが、継続的な業務改善につながります。

課題や問題点がわかる

計画の実行中に進捗状況の確認・検証を繰り返すことで課題や問題点がわかるようになります。計画に対して、実行したアクションが思うような成果に結び付かない場合は、解決しなければならない課題があります。

その際に設定する課題が思い付きのものにならないよう、定量データや定性的な情報を使用して分析し、論理的に仮説を立てる必要があります。PDCAを回しながら継続的に課題解決を目指すことは、個人・組織の成長の促進につながります

デメリット

コミュニケーションコストが増える

計画の策定から実行、評価・検証を定期的に継続するPDCAサイクルを採用すると、コミュニケーションのコストが増えてしまいます。PDCAの各項目を精度高く分析しようとすればするほど、打ち合わせが増える可能性があります。計画と検証のための会議であることを、常に念頭に置く必要があるでしょう。

イノベーションが生まれにくい

PDCAは、あくまでも過去の施策や行動を評価して継続的に改善を生み出す考え方です。そのため、過去の慣習を覆すような革新的なイノベーションは生まれにくい性質があります。改善策も過去に取った施策の延長線上にあるものになりがちです。

コスト削減や生産性向上といった継続的な施策の改善には向いていますが、新しい価値を創出する目的にはそぐわない手法といえます。ただし、今まで正しい検証をしていなかった業務に対してPDCAによる検証を導入した場合は、新たな発見があるケースもあります。

成果を高めるPDCAサイクル

PDCAサイクルの成果を高めるには、計画や実行段階で同意に至らなかった内容があるとしても、計画で定めた業務をやり切ることが重要です。

PDCAで改善イメージ

目的・目標を明確にする

目標を明確にしたら、常にチーム全員に明示し、目指すゴールに向かって計画を実行します。目標の難度にかかわらず、目標達成を目指すと社内に向けて宣言し、行動していくことが大切です。常に状況を共有することにより、社内で目標に対する共通認識を持つことができます。

計画をなるべく途中で変更しない

計画を実行途中で変更してしまうと、実行後に正しく検証できなくなります。途中で計画を変更せざるを得なくなったら、計画段階で認識を合わせ切れなかったことを意味します。安易に計画の変更を許してしまうと、社内にPDCAの意識が定着しません。

やり遂げるためのリーダーが必要

PDCAを形だけで終わらせないようにするには、確実に実行するためのリーダーが必要です。リーダーは、自分自身が行動責任を果たすとともに、周囲に目を配りながら問題を抱えていないか見守り、サポートする役割を担います。やると決めたことをチームで互いに認識し、最後まで実行することが大切です。

定期的な評価・検証を怠らない

目標に対して問題なく計画が進んでいるかどうかを確認し、取り組んだアクションプランに対する評価・検証を怠らないことが大切です。成果の有無にかかわらず評価・検証を継続することで、強みや課題がわかるようになります。

PDCAに代わるフレームワーク

OODAループ

PDCAに似たフレームワークにOODA(ウーダ)ループがあります。OODAループとは、意思決定と行動に関する理論のことで、Observe(観察)、Orient(情勢への適応)、Decide(意思決定)、Act(行動)の四つのプロセスを取ります。OODAループは、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱したとされ、当初は戦争時の空中戦において戦闘機パイロットの判断精度の向上を図ることを目的としていました。

OODAループは意思決定を促すフレームワークであり、不確実で変化が大きい局面や、新規事業を始める場合においてスピード感を持った意思決定に役立ちます。当初の計画を綿密なものにするよりも、まずは始めてみて経過を観察し、状況に合わせて判断し、意思決定を早めます。対してPDCAサイクルは、商品やサービスの継続的な品質改善をする際に役立てるもので、すでに存在している商品の長期的な業務効率化を図るときなどに効果を発揮します。

先行きが不透明で、何が正解かわからない中では、まずは行動を起こした上で、状況に応じて判断することが重要です。一方、計画性が求められる業務ではPDCAサイクルが適しています。採用活動とPDCAサイクルなどの相関性について聞いた『日本の人事部』の2017年の調査では、自社チームが採用で成果を上げているとした企業であればあるほど、採用活動においてPDCAサイクルは十分に機能していると答えており、PDCAサイクルの活用度と採用活動力には一定程度の相関性があることがわかります。

単純にどちらが良いと比較するものではなく、目的に応じて使い分けることが大切です。

OODAの図

PPDACサイクル

PPDACサイクルとは、課題解決のためのフレームワークの一つ。Problem(問題)、Plan(計画)、Data(データ収集)、Analysis(分析)、Conclusion(結論)の頭文字をつなげたもので、5段階のフェーズを循環させることで課題解決を目指します。

ビジネスパーソンになじみがある「PDCAサイクル」は、戦後日本で製品や生産の品質管理に用いられを支えたフレームワークです。

PPDACサイクルは、情報化社会である現代においてデータを利活用して問題を解決する点に特長があり、1990年代ごろに発展しました。

PPDACの図

PDCAによる検証の重要性

多くの営業部門や生産部門がPDCAサイクルに取り組んでいますが、中にはPlan(計画)・Do(実行)止まりでうまく機能していない組織も少なくありません。

人事データの学術利用を進める、早稲田大学教授の大湾秀雄さんは、「日本企業の人事は“PDCAのない世界”」としつつ、「人事データという、せっかくの宝の山が有効活用されていない」と指摘しています。例として、ある企業が採用時の人事情報と入社後の活躍度合いを示す評価との関係を回帰分析で調べた結果、採用時の面接やグループ討議の評点を含む選考結果は、入社後のパフォーマンスとの間にほとんど相関がないことがわかったことを挙げています。

データ分析で見えた結果から仮説を立てて改善策を検討すると、今までと違ったアプローチが可能になります。そして改善策の効果をより正確に検証するためにも、企業は情報をできるだけ残して共有し、PDCAサイクルを回すことが求められます。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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