「ラーニングをベースとするタレントマネジメント」を企業に提案
時代の変化に対応し、顧客をナビゲートする
コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社 代表取締役
飯島 淳一さん
マネジメント経験を磨いた日本オラクル、ソラスト時代
日本IBMでさまざまなキャリアを積まれた後、日本オラクルに転職されます。このときはどのような思いがあったのでしょうか。
IBMでのアメリカ駐在から帰国した後は、主に事業部長としてさまざまな部門を担当しました。医療業界や医薬品業界に関わる中で、新規事業として健康ビジネスを企画。事業買収なども含めてかなり具体的にプランニングしたのですが、結果的には時期尚早と言われ、却下になってしまいました。その一年後、日本オラクルから「製造業向けの営業責任者としてやってみないか」と誘いを受けて、面白そうだと思って受けることにしました。
新しいビジネスにチャレンジしたい気持ちが大きくなっていたのでしょうか。
そうですね。IBMで働いていた最後の6~7年はインダストリー事業部、いわゆる主流派の営業部門でその責任者として成果を出せていたのですが、自分のアイデアを事業化するところまではいけませんでしたからね。
オラクルに行って強く感じたのは、同じIT業界の大手企業なのに、アメリカ東海岸の文化のIBMと西海岸の文化のオラクルではこんなにも違うのか、ということ。IBMは仕組みづくりが完璧なんです。組織に関わるすべての人がプロフェッショナルで、経営判断がまったくぶれないようなシステムができている。そのため、トップがIT業界出身者でなくても問題なく回っていきます。一方、オラクルは何でも自分でやるセルフサービス。仕組みも何もありません。起業家的な風土が強く残っているので、事業責任の中で勝算があればアイデアをどんどん具現化していけます。オラクルでは、IBM時代には経験できなかったことを経験できました。
具体的にはどのようなビジネスを手がけられたのでしょうか。
オラクルは、データベースに圧倒的な強みを持っています。製造業向けに営業していると、そこにたくさんあるデータを活用して事業化できないか、というアイデアがどんどん出てきました。ちょうどIoTが注目されはじめたころです。飛行機の風洞実験をシミュレーションで代替する仕組みや、ドライバーの感覚を数値化してマーケティングに応用する仕組みなどを提案しましたね。IT部門のみならずビジネス事業側への提案などが面白かったですね。
三社目となったソラストは完全な日系企業ですね。
オラクルには4年間勤務しました。IBMも含めて約30年間、外資系企業で働いてきたわけです。ただ、年齢的に日本の企業で働いて「日本に貢献したい」という気持ちがわきあがってきたんですね。そんなときにソラストとの出合いがあり、これからの日本社会の課題である医療、保育、介護といったテーマに真正面から取り組んでいる企業で、非常に魅力を感じたので転職することにしました。
ソラストでの役職は常務取締役。医療業界担当で、電子カルテのシステムなどを扱った経験を生かして、主に病院事務の生産性を上げる提案をしていました。私が入社した翌年には東証一部上場を果たしましたし、仕事の面白みもあったのですが、外資に比べて企業文化的な面で若干違和感も感じていました。結果的には1年で退職して、コーナーストーンの日本法人を見てもらえないかという話を引き受けることにしたわけです。
日本を代表するHRソリューション業界の経営者に、企業理念、現在の取り組みや業界で働く後輩へのメッセージについてインタビューしました。