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「選択理論」を世の中に広め、
世界最高峰の人材教育コンサルティング会社へ

アチーブメント株式会社

青木仁志さん

「目標管理」ではなく、「目的教育」のできる経営者、人事が必要

 現在の「人材教育関連業界」「人材サービス業界」についてどのようなことをお感じになっていますか。

少子化の進展で、これから日本の人口は激減していきます。そうした中で、ゼロサムゲームをしていても仕方ありません。当社は新卒採用にも力を入れていますが、彼らの未来を考えたら、日本だけにとどまっていては限界があります。当社のミッションは「選択理論」を世の中に広めて、より良い社会にしようとすることです。それを日本だけでなく、世界にも広げていきたいと考えています。「選択理論」は世界60ヵ国に広がっていますから、日本で実績のあるプログラムを、世界に出していきたいと考えています。

青木仁志さん インタビュー photo

他の人材ビジネスに関わっている方も、マーケットを広く海外に向けてチャレンジすることが、これからは必要となってくると思います。各人材ビジネス会社にも独自の商品・サービスがあるはずです。それをうまく伝えて、他社と差別化を図りながら、海外のマーケットに出ていくことが大切なのではないでしょうか。

今、当社は28期。私は還暦なので、40期で72歳となります。個人は有限ですが、企業は理論上、無限の命があります。だから、ミッションを継承できる社員に会社を託してしていきたいと思っています。ある段階で私の持っている株の比率を下げて、社員持ち株会を大きくしていくことを考えています。後継者を育ててバトンタッチしたら、私はグラッサー博士が提唱した「選択理論」を世の中に広めたいので、社会教育家としてはずっと継続していくつもりです。

 では、現在の日本企業の人事部門について、どのようなことをお感じになっていらっしゃいますか。

組織において、何が一番難しいかと言うと、人は求めているものがそれぞれ違うということです。ですから組織には、共通の目的が必要となるのです。そのためには、「目的教育」のできる経営者、人事担当者が必要です。「目標管理」ではありません。目的から、全ての意思決定をしていくことが大事なのです。

そして、一人ひとりの違いを認めること。多様性の受け入れです。理念とビジョンは一つでいいのです。しかし、個人と個性は100%尊重しなければなりません。違いを尊重するからこそ、皆で力を合わせようとし、その結果、強い組織となっていくのです。

そして指導者には、立場的な指導者と能力的な指導者がいます。これからの日本では、能力的な指導者を育てなくてはなりません。言わば、指導者の指導者を育てていくこと。人事の方々にはそういう取り組みを期待したいと思っています。

私が言うまでもなく、人事の方々は日々の仕事に真面目に取り組まれています。ただ、努力することよりも、正しい選択を優先することを考えることが必要なのです。間違った心理学で、どんなに良い仕組みを作ろうとしても、良い結果は出ません。なぜなら「外的コントロール」は葛藤を生み出すだけだからです。この点だけは、何とか改善してほしいと思っています。

 確かに、管理部門である人事が陥りやすい罠ですね。

特に、生産性の低い社員に対して「外的コントロール」を使う傾向があります。勉強のできない生徒に「外的コントロール」を使う先生と一緒です。しかし、「外的コントロール」を使う対象となっている生徒ほど、「内的コントロール」を本来使うべきなのです。だから、「目的教育」が大事なのです。そして、自信を与えなくてはなりません。それは企業も同じです。そして、人材教育に関わる方には、「企業は人なり」ということを伝えたいと思います。人事の考え方、やり方一つで、企業の経営は決まります。ぜひ、人事の方には「選択理論」を学び、社員を幸せにしていただきたいと思っています。

人事の方を前に講演することがよくあるのですが、「選択理論」の話をすると、人事の方々は非常に共感してくださいます。ただ、その考えを組織の仕組みの中に入れようとすると、今ある「外的コントロール」の仕組みとの調整が難しいとおっしゃいます。そのためにも、「選択理論」の話をまず経営者の方に聞いていただき、理解していただいた上で、今ある「外的コントロール」から「内的コントロール」への仕組みを再構築していくことにより、社員が幸福感を感じ、会社に貢献していく、という流れを作っていただきたいと思います。

経営者や人事の方々は「何が本当に正しいのか」という視点を忘れないでください。正しいことは、自分にとっても、社員にとっても、お客様や株主にとっても、そして社会にとっても良いことです。それも今だけではなく、これから先も良いことです。このような普遍的な正しさを追求することが大切ではないでしょうか。そのような意味で、ぜひとも正しく「人を大切にする経営」を実践していただきたいと思います。

青木仁志さん インタビュー photo

(2015年7月22日 東京・品川区・アチーブメント本社にて)

社名アチーブメント株式会社
本社所在地東京都品川区東五反田4-6-6 高輪台グリーンビル3階
事業内容人材教育コンサルティング事業
ユースキャリア支援事業
人材教育支援事業
出版事業
飲食事業
旅行事業
イベントプロデュース事業
設立1987年10月

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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日本を代表するHRソリューション業界の経営者に、企業理念、現在の取り組みや業界で働く後輩へのメッセージについてインタビューしました。

この記事ジャンル 人材マネジメント

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