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採用のミスマッチを解消するために パーソルテンプスタッフが企業と推進する「共存共栄」とは  パーソルテンプスタッフ株式会社 執行役員 営業推進本部・キャリア推進本部 本部長 石井義庸さん

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労働力不足に加え、「採用過程において自社に合う人材を見極められない」「採用してもなかなか定着しない」など、雇用に関する課題は山積しています。このような課題を解消するために、パーソルテンプスタッフでは2017年4月から、若年層を中心とする事務職未経験者を対象に、派遣先企業での直接雇用を支援する「無期雇用型派遣サービス・funtable(ファンタブル)」を開始しました。説明会と面接、研修を経て事務未経験者を中心に採用し、パーソルテンプスタッフの無期雇用スタッフとして派遣先企業で就業。就業期間中に個人の適性や目標に合わせた研修プログラムを実施するほか、定期的なヒアリングを行うことで、一人ひとりの希望に合った直接雇用の実現を目指します。派遣期間に上限がないため、派遣先企業とスタッフの双方が適性や相性を十分に見極めることができ、採用のミスマッチを防ぐことにつながるという、funtable。具体的にどのような効果・効用が期待できるのか、開発担当責任者である石井義庸さんにお話をうかがいました。

プロフィール
石井義庸さん (いしい・よしのぶ)
石井義庸さん (いしい・よしのぶ)
パーソルテンプスタッフ株式会社
執行役員 営業推進本部・キャリア推進本部 本部長

2003年 パーソルテンプスタッフに入社。都内営業部門にてオフィスマネージャー・部長を歴任。2014年、営業本部長として首都圏エリア全体を4年間統括し、2018年より営業推進本部・キャリア推進本部の本部長に就任、現在にいたる。

企業が求めるのは、テクニカルスキルよりも、ヒューマンスキルの長けた人材

近年、現場で感じている若年層の雇用や育成に関する課題について、お聞かせください。

現在多くの企業では、採用する際にメンター制を導入したり、採用までの工数を増やしたりするなど、人材の定着に向けてさまざまな工夫を凝らしています。しかし、入社3年後の離職率は、依然として改善しておらず、若年層の定着は企業における大きな課題といえます。一方、弊社の登録者においては「1社で長く働きたい」「自分にあう会社をじっくり見極めたい」といった声が増えています。

新規大卒者 3年目離職率推移

出展元:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html
厚生労働省「新規学卒者の離職状況」より

派遣就業における大前提として、現在のスキルを活用できる職場で就業する「スキルマッチング」があります。一方、登録希望者においては、未経験職種での就業を希望するケースが増えており、特に事務職未経験者が事務職での就業を希望するケースの増加が顕著です。

そこで、これまでは販売職や営業職などの経験のみで、事務職は未経験だけれど就業したいと考えている方々に着目してみると、周囲に対して気配りや配慮ができるなど対人スキルが高く、社会で働く上で基礎となるヒューマンスキルが身に付いている方が数多くいらっしゃることがわかりました。

一方、企業においても、社員になってほしいと思う人物は「一緒に働きたいな」と思えるかどうかというシンプルなものです。「この人の対応は気持ちがいいな」と思う、素直で周囲へ気配りができる、自分たちの職場環境にあう、といったヒューマンスキルを挙げるケースが増えています。

そこで、ヒューマンスキルに長けた事務職未経験者に対し、社会人としての基本的な心構えや求められる人物像、ビジネスマナーやPCスキルなどの研修を行ったうえで、パーソルテンプスタッフの無期雇用スタッフとして採用。派遣先企業で就業しながら、さらなるスキルアップを行い、就業先とじっくり相性を見極めた上で派遣先企業での直接雇用を支援する、無期雇用型派遣サービス・funtableを考えたというわけです。

パーソルテンプスタッフ株式会社 執行役員 営業推進本部・キャリア推進本部 本部長 石井義庸さん

ビジネスの現場では、ヒューマンスキルが重要だということですね。逆に言うと、人が辞めていく場合も、そういう要因があるのではないでしょうか。

その通りです。人が辞めていくのには、大きく三つの要因があります。一つ目は、賃金などの条件面。二つ目は、仕事の内容。三つ目は、人間関係です。一つ目と二つ目は、辞めたいと相談があってから、改善することができます。いわゆる「衛生要因」と呼ばれるものです。しかし、三つ目の人間関係は「動機づけ要因」。早期に改善することはなかなか難しく、その結果、人が辞めていくケースが少なくありません。

転職理由ランキング 1-10位

職場の人間関係がしっかりしているところなら、条件面や仕事内容に対する解決策を講じることができます。逆に、条件面や仕事内容がしっかりしていても、「動機づけ要因」となる職場の人間関係がうまくいっていないと、周囲の人に相談することも叶わず、そのまま人が辞めていくことになりかねません。

また、給料や休日などの条件やフレキシブルな勤務体制などは明文化しやすく、双方が要望を理解しやすいものですが、職場の人間関係は明文化しにくいため、後回しになりがちです。しかし、人が定着して成長していくには、きめ細かな対応が欠かせません。funtableも、そうした人間心理を十分に把握した上でご提供しています。就業先企業においては、上限のない派遣期間に、既存の社員や社風、スピード感などが自社に合うかどうか、求める業務に対する成長度合いなどをしっかり見極めていただくことが可能です。またスタッフにも、この間にしっかりと企業が求めるスキルを身に付け、「社員として欲しい」といわれる人材になるように万全な支援体制を整えています。

採用する段階で的確な選考を行い、成長が確実視される人材として見極めを行う

では、funtableの特徴を詳しくお聞かせいただけますか。

まず、funtableの意味ですが、fun(楽しむ)、t(テンプスタッフ)、able(可能にする)を合わせた造語です。「パーソルテンプスタッフのファンタブルという働き方を通して、仕事を楽しんでほしい。それを一緒に実現しましょう」という思いを込めています。funtableは、直接雇用をゴールとしていることが一番の特徴であり、一般派遣と大きく異なる点です。特に直接雇用で基幹人材へと育成することが非常に重要です。今後、AIやRPAなどの浸透によって、人が担う業務の物理的な量は減ることが予想される中、事務職に的を絞った当サービスはある意味ニッチといえるかもしれません。しかし、そんな中だからこそ、ヒューマンスキルの重要性が高まると考えています。

お客さまである企業からは、どのような声をお聞きになっていますか。

funtableを通して直接雇用されたスタッフは、非常に高い評価をいただいています。これも当社の採用基準の下、社会人としての基礎力と成長意欲の高い人材を採用し、無期雇用スタッフとして派遣し、試用期間を設けてじっくり見極めていただいた上で、社員として登用していただいているためだと考えます。

Funtable人材として採用する条件の一つに、「私たち自身も一緒に働きたい!」と思えるスタッフかどうか、というものがあります。そのため、採用する段階から的確な選考を行っています。funtableの説明会では、「無期雇用派遣」という働き方を丁寧に説明し、fautable制度をしっかりと理解してもらいます。その上で、SPIによる基礎学力の測定を実施。さらに面接を行い、あいさつ・ビジネスマナー、コミュニケーション力(話し方、表情、伝達力、理解力)などを、見極めます。最終選考として、3日間の「事前研修」に参加してもらい、そこで事務職として不可欠なビジネスマナー、OAスキルを身に着けてもらいます。最後に、改めて個別の面談を行い、funtableで働く意欲・姿勢(素直さ)を確認。「直接雇用を目指す」という最終的なゴールを定め、派遣先で成長意欲を持って働いてもらうことを確認します。このように将来的な直接雇用を目指すfuntableで派遣する人材の採用には、大きなパワーとコストをかけており、採用するのは応募者のうち数%程度です。

かなりきめ細かなステップを経て、企業が一緒に働きたいと思える人材を採用するのですね。

採用ステップではいくつかの段階を設けて、スタッフのスキルや人間力を見ていきますが、その際、派遣する企業の職場風土などを色分けした上で、より本人に適した企業へ派遣するようにしています。ここが、funtableの大きな特色の一つと言えます。

今までの派遣システムは、派遣先企業からのオーダーにスタッフをマッチングしていくことが主流で、多くの場合、企業のオーダーが軸となっていました。一方、funtableは、派遣するスタッフが軸となります。一人ひとりのスタッフの持ち味・特徴に合ったオーダーを探す、というアプローチとなるわけです。

このような対応が取れるのも、当社には数多くの派遣や紹介予定派遣での実績(データ)があり、各企業の職場風土を的確につかんでいるからです。各企業に最も合ったfuntable人材をピックアップし、派遣することができます。

サービスを開始して1年あまり経ちましたが、直接雇用へと至るケースはありますか。

はい。当初、派遣就業期間は1~2年と想定していたのですが、高い評価をいただいており、思ったよりも早く直接雇用へと至っているケースが多いですね。
funtableを一度ご活用いただくと、さらに2回、3回と引き合いがあります。これも、若手人材の採用・定着が大きな課題となっている中、派遣元と派遣先が一緒になって人材を育てていく「共存共栄」というfuntableのコンセプトを評価していただいているからでしょう。

通常の派遣スタッフと重複するようなことはありませんか。

通常の派遣スタッフとして登録にくる人材と、funtableとして応募に来る人材が重複する割合は10~20%程度で、あまり重なることはありません。逆に言えば、funtableで派遣する人材は、これまで当社があまりタッチできていなかった人材ということです。

企業の人材ニーズを考えた場合、人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介、funtable(無期雇用派遣)というさまざまなサービスの中から、「この職種にはこのサービスが適している」といったように、それぞれの特色を見定めて、切り分けて活用していくことができます。

パーソルテンプスタッフ株式会社 執行役員 営業推進本部・キャリア推進本部 本部長 石井義庸さん

今後は、新卒採用やシニア人材・働くママの再活躍も視野に

お話をうかがっていると、funtableが人材活用の新たな形(可能性)を切り開いていくように感じました。今後の展望についてお聞かせいただけますか。

今のところ事務未経験者の若年層のみでの活用となっていますが、今後はもっと広く活用していきたいと考えています。例えば「新卒採用」。インターンシップのような形での活用ができると思います。また、事務職でも経験やステップを積むことで専門性の高まる職域。具体的には経理・財務、貿易事務、人事などです。このような分野なら、クライアントである企業と共に、funtableの「共存共栄」という特徴を生かしながら、さらなる展開を進めていくことができます。

また、現在の派遣という働き方では経験することが難しい職種も、スタッフの成長を支援しながら直接雇用を実現できるようなフレームを構築していきたいと考えています。人材流動化がどんどん進んでいく時代に、一つの企業でキャリアを完結することは難しいでしょう。最終的には、社会全体(人材マーケット)で一人ひとりのキャリアの実現をサポートしていくような仕組みを目指していきたいと考えています。

最後に、企業で若手社員の採用や育成に携わる方々に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

人が会社を辞めるときには、職場環境(人間関係)の要素が大きいと言いましたが、それを改善するための対応が遅れている企業は少なくありません。人材不足、早期離職という問題が顕在化している中、この問題を解決することから逃げないでほしいと思います。

人の問題は、採用(紹介・派遣)することで終わりではありません。若年労働力の不足が深刻化する中、その後の人材の定着、育成という問題が、大きな比重を占めるようになっています。弊社にそのためのお手伝いをさせていただけるなら、とてもうれしく思います。

funtableの人材マーケットに対する考え方は汎用性が高いもので、今話題となっているシニア人材や、働くママの再活躍の入り口で、無期雇用から直接雇用を目指すというスキームは、十分応用できるものです。働く意欲のある本人と人材不足という課題を抱えている企業、そしてノウハウ・サービスを持っている人材サービス会社の三者が協力し合うことによって、今、社会全体が強く推し進めている「働き方改革」という課題を、一つひとつ解決していきたいと考えています。

パーソルテンプスタッフ株式会社 執行役員 営業推進本部・キャリア推進本部 本部長 石井義庸さん
funtable(ファンタブル)とは
未経験からの事務チャレンジ、スキルだけではなく人としても成長できるキャリア支援。
そして就業先での直接雇用までをパーソルテンプスタッフがサポートする無期雇用派遣という働き方です。
funtable(ファンタブル)
会社説明

パーソルテンプスタッフ株式会社は、パーソルグループの「派遣・BPOセグメント」中核会社として、人材派遣、ビジネスプロセスアウトソーシング、官公庁受託事業などのサービスを提供しています。2017年7月より、テンプスタッフ株式会社からパーソルテンプスタッフ株式会社へ社名変更。グループの総力をあげて、労働・雇用の課題の解決を目指します。

会社説明

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