パート賃金10年史
~10年間で87円の上昇。平均1,000円オーバーの時代へ

岸川 宏(きしかわ ひろし)

東京都の地域別最低賃金は2006年:719円、2015年には900円を超え907円となり、10年間での上昇率は26.1%となりました(図2)。

●図2 最低賃金と平均時給上昇率(2006年:100)
図2 最低賃金と平均時給上昇率(2006年:100)

2006年当時、最低賃金と募集時の平均時給は200円以上の開きがあり、最低賃金の影響はほとんどありませんでした。しかし、最近では平均時給と最低賃金の差は100円以内までに縮まり、その影響は無視できない状況となっています(図3)。

●図3 東京都の募集時平均時給と最低賃金の推移
図3 東京都の募集時平均時給と最低賃金の推移

勤務シフトは短時間化の傾向

募集広告で表記されているパート・アルバイトの勤務時間(拘束時間)について集計を行なってみました(勤務時間が交替制等によって異なる募集で、便宜的に「9時~22時の間で6時間のシフト勤務」のようなデータは除いています)。

2006年当時の募集広告における勤務時間の平均は5.5時間。この時間は短時間化する傾向にあり、2013年には5時間を下回り4.9時間となりました(図4)。その後2年間は再び上昇傾向となっています。

●図4 パート・アルバイトの募集時の平均勤務時間
図4 パート・アルバイトの募集時の平均勤務時間

さらにこの勤務時間を3時間ごとにクラス分けを行い再集計をしてみたところ、3時間以内のごく短い勤務時間での募集の割合は、2006年の17.3%から、2014年には24.5%まで拡大してきました。その一方で、6時間超9時間以内のフルタイムに近い募集の割合は、2006年の34.5%から、2013年には25.6%と約9%減少しています(図5)。

●図5 募集時の平均勤務時間(構成比)
図5 募集時の平均勤務時間(構成比) 
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【用語解説 人事辞典】
同一労働同一賃金推進法
バンド型賃金制度