集団主義と同調圧力
こんにちは。
Beスタッフィングで講師を務める、平野です。
ハラスメント、メンタルヘルスの研修を行う傍ら、産業カウンセラーとしてカウンセリングや面談も対応しております。
今回は、集団主義と同調圧力について考えて頂きたいと思います。
ある特定のグループに於いて、少数意見を持つ相手に対し、暗黙のうちに多数意見に合わせるよう誘導する事。と説明されていますが、日本社会はこの同調圧力が良きにつけ悪しきにつけ、異常に強い社会だと言われています。
良い面で言うと、例えばマスク着用。
各国のマスク着用を促す発表として
アメリカ:「マスクをする人は英雄です」 ドイツ:「マスクをするのがルールです」
イタリア:「マスクをすると異性にモテます」 日本:「みんなマスクをしていますよ」
「ニューズウィーク日本版」の記事ですが、其々のお国柄を示していて興味深いです。
日本では、周囲の状況や雰囲気に対して自らの行動を合わせていくといった傾向が特に色濃く見られます。
俳優のブラッド・ピットさんが来日した際に、日本のマスク文化に驚いた後、「でも、分かったんだ。風邪をひいている時に他の人を守るためにしている事なんだって。とても思いやりのある行為だと思う」と語っています。
日本の同調圧力の良い面としては、この様な思いやりのある行動として現れます。「皆で力を合わせて、この苦難を乗り越えよう!!」となれば、どの国より強固な力を発揮する可能性があります。
ただ逆に、普通の生活さえ萎縮させてしまう「自粛警察」「マスク警察」や、過剰なバッシング等、コロナの二次被害ともいえる現象もまた、同調圧力が作り上げている影の部分ともいえます。
「ルールを守れ」「自粛するべき」といった多数派の声で異論が封じられる。
「外出自粛」「休業要請」といったお願い、つまり守るか守らないかは個人の判断なのでしょうが、従わない者は白い目で見られ、誰でも感染する可能性があるにもかかわらず、コロナに感染しただけで、凶悪事件でも起こしたかのように責められ、感染者を差別し排除しようという強い空気感が蔓延している。そこには、病を患った人への気遣いも思いやりも全く見えません。過剰な同調圧力社会は、時に息苦しさや他者との繋がりをこじらせます。「コロナよりも人が怖い」といったフレーズもよく耳にします。
社会学者の岡檀さんが、日本で一番自殺者が少ない地域(徳島県海陽町)の事を著書に表していますが、その地域では人や考え方の多様性が認められていて、どんな人がいてもいい、いるべきだ、という考え方が浸透しているのだそうです。
「世間のルール」を少し緩め、其々の考えや事情があり、相手の立場を少し想像してみる。色々な人がいて良い。その中で自分はどうあろうか。と考えられる社会であれば、おそらく自殺も減っていくのではないでしょうか。
学校の苛め、職場のハラスメント問題でも、同調圧力が影響している事が多くあります。
同調圧力に流されず、自分の行動を自分で選択し、自分で責任を持つ。其々が違っていて良いのだ、と多様性を受け入れる。今こそ、一人一人にそういった意識が必要なのだと思います。
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●東海エリアの官公庁・団体はじめ、大手・中堅・中小のメーカー・流通小売・販売・サービス業への講師・講演実績多数。
●職場活性化、定着率向上、職場のモチベーションアップ等に向け、マナー、メンタルヘルス、コミュニケーション、コーチングや心理学のエッセンスを取り混ぜ、効果の高い研修を実施。
平野 睦(ヒラノ ムツミ) 専任コンサルタント兼講師
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