セカンドハウスの扱い
いつも参考にさせて頂いております。
先日、こんな質問を受けました。
「家庭の事情で、家族のいる持ち家から2時間以上かけて通勤しているが、さすがに辛いので、会社の近くに自費でアパートを借りる事にした。但し、実際は実家に帰ったり、アパートに帰ったりで、半々の生活をしたいのだが、現在持ち家から会社までで支給を受けている通勤手当(6ヶ月定期分を実費支給)は、今後どのように申請すれば良いのか」
これから、当事者と話をしますが、どのような判断をすれば良いのかアドバイスをお願いします。また、これは本人から話があった訳ではありませんが、住宅手当もどちらを対象にするのかというのも出てくるかもしれません。
投稿日:2009/01/23 16:37 ID:QA-0014886
- 労災太郎さん
- 大阪府/バイオ(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 荒川 大
- 株式会社ENNA 代表取締役
人事の立場からご回答いたします
ご家庭の事情とのことで、転居が難しいとの判断で、社員が自主的にセカンドハウスを持ち通勤される場合に、判断の基準となるものは2つあります。
1.通勤手当は住居から勤務地への手当て
住居の定義をどのようにされているのかによりますが、各種社会保険手続きを考えると、「住民票」に記載されている場所からという判断になると思われます。
2.通勤経路の判断
通勤災害の観点から考えるならば、住居(住民票に記載されている住所)から勤務地までが通勤経路と判断することになりますので、迂回経路における事故発生等に対して社員にどこまでの自己責任を負わせるのかという会社側の判断が必要になると思われます。
また、労災認定に関する条文及び認定ケースを観る限り、以下の条文に対する判断によると思われます。
労災保険法第7条第1項第3号より抜粋
当該(会社が把握している通勤経路の)逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。(労災の認定がなされる)
通勤時間が短くなるということは、一般的には通勤災害のリスクや、長時間の通勤時間による健康リスクは軽減しますので、一旦は住民票のある場所からということを説明し、主要な通勤経路(週3日以上)となる住居における通勤手当に変更することがよろしいのではないでしょうか(但し、本人が通勤費を現住所までも貰えることを前提に転居している可能性もありますので、説明はきちんと行い、書面に何か記録しておいた方がよろしいと思います)。
ご不明の際には、財団法人労災保険情報センターや、ご契約されている社会保険労務士に確認して頂いてからご対応頂ければと思います。
投稿日:2009/01/23 18:00 ID:QA-0014888
相談者より
ご回答ありがとうございます。
通勤手当の支給基準について、確認してみます。
投稿日:2009/01/26 08:20 ID:QA-0035864大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
2カ所の住居から通勤する者に対する通勤費の支給
■結果として同じ判断に至るにしても、迷いのある時には、原点に戻って基本的事項を再確認の上、検討すれば、結果に持てる自信度は高まってきます。通勤費の支給についての基本的事項は次の通りです。
▼ 住居の自由が労働者側にある限り、労働契約における労務提供の場所までの所要経費は、基本的に労働者側の負担である。
▼ 然し、特約として使用者側が、その全部又は一部を負担し、支給することは妨げられない。
▼ 労働者側には、経済的利益をもたらすものであるため、所得としての課税対象になる。
▼ 但し、住居選択が労働者の自由とは云え、その自由度の制限や負担経費に鑑み、一定の上限基準以下の支給に対しては非課税とする。
■ご相談のケースは、基本的には、「家庭の事情」という個人的事由に基づいていることに鑑み、半額支給でもそれなりの妥当性はありますが、6カ月定期は購入してしまうと半分の期間しか使用しなくとも全額費消となり、その都度実費だと割高となり、本人負担はとても半額では済まないでしょう。
■会社側の専権事項として決めればよいことですが、個人の「家庭の事情」に入るのは好ましいことではありませんが、明確な解決基準がないだけに、措置を決める前に、本人の自発的説明が可能なら、それを聞いてから最終的に判断されることが賢明だと考えます。
■住宅手当の取扱いについては、原点としての基本的事項が、通勤手当とは異なっていますので、更めて、その意義を整理し、演繹的に対応することが必要です。
投稿日:2009/01/24 14:17 ID:QA-0014898
相談者より
ご回答ありがとうございます。
確かに、原点に立ち返って判断する事が必要だと再認識しました。手当そのものの考え方等の確認を含め、担当者と協議した上で、対応したいと思います。
投稿日:2009/01/26 08:24 ID:QA-0035869大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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