『インターネットを使った就職活動に関する調査』(連合調べ)
~就活生の半数近くが「過去3年間の離職者数」の情報公開を希望
しかし就活生の9割以上がその情報を得られていない~
最近の就職活動ではインターネットが必須のツールとなっており、ネットを利用した就職活動「ネット就活」が定着してきました。しかし、ネット就活は、いくつかの問題も指摘されています。
そこで、連合(日本労働組合総連合会)(所在地:東京都千代田区、会長:古賀 伸明)は、ネット就活がどのように行われているのか把握するため、「インターネットを使った就職活動に関する調査」を、インターネットリサーチにより、2015年6月9日~6月17日の9日間において実施し、就職活動を行っている(または終えた)大学4年生500名、今年4月に社会人になった社会人1年生500名の合計1,000名の有効サンプルを集計しました。(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)
◆現在の就職活動状況 -2015年6月現在
2016年春入社の採用活動から、日本経団連の会員企業を中心に会社説明会の解禁は3年生の3月、採用選考の解禁は4年生の8月と昨年より大幅に後ろ倒しになっている。しかし、連合の調査によると、6月現在すでに先行して内定が出始めている。
・現在、内定・内々定を持っている大学4年生は3割半
そのうち約4割がインターンシップ先からの内定・内々定
◆就職情報サイトに公開して欲しい情報
・就職情報サイトに公開して欲しい情報と得られる情報にギャップ
就活生の半数近くが「過去3年間の離職者数」の情報公開を希望。しかし就活生の9割以上がその情報を得られていない。
◆ネット就活における不安と困ること
・ネット就活で困ること 「必要なメールが埋もれる」「必要な情報の取捨選択が難しい」
・ネット就活における不安 「興味のある企業がブラック企業では」「エントリー数が少ないのでは」
◆就活生のネット就活に対する考え
・「より多くの会社にエントリー・応募したほうが内定を得やすい」
大学4年生では約6割が「そう思う」と回答しているが、社会人1年生では半数以下
◆大学生の就職活動を研究している
千葉商科大学 国際教養学部 専任講師 常見陽平氏のコメント
★就活時期繰り下げによる混乱、就活の構造変化、学生が抱く問題意識が可視化された調査結果だと言える。時期が変更になったが、企業は早期接触をはかりたいが故に、インターンシップを強化しようとしたこと、就職ナビサイトもそのニーズに対応したこともあり、これらのサイトに登録する時期が早期化している。企業も学生も疑心暗鬼になり、本当の時期が見えないことから、不透明なまま、結果として早期化、長期化したと言えないか。
★採用広報活動が始まった時期から、3ヶ月で3割強が内々定というスピード感も特徴だ。学生から内定先を聞く限り内定を出しているのはベンチャー企業、準大手が中心のようだ。ただ、今後、大手に取られる可能性もあり人材獲得につながるかどうかは別だ。ルールを破り早期に内定を出した企業も不安になることだろう。
★離職率など公開して欲しい情報が、就職情報サイトにて提供されていないという現状が明らかになった。就職情報サイトは、結局、求人広告ではあるが、本来、求人票よりも情報が豊富でわかりやすく、比較検討できることが特徴なのに、その役割を果たしきれていないのではないか。就活が、不透明感のある、学生にとって負荷のかかるものであることは変わっていない。求職者である学生の立場をいかに守るか。就職ナビは学生の味方なのか、敵なのか、介在する価値があるのかが、問われていると言えるだろう。
■調査概要■
◆調査タイトル:インターネットを使った就職活動に関する調査
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする就職活動をしている(または就職活動をした)大学4年生とこの4月から社会人になった社会人1年生
◆調査期間 :2015年6月9日~6月17日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル
(内訳)大学4年生:500名(男性250名、女性250名)
社会人1年生:500名(男性250名、女性250名)
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社(担当:吉田)
■本調査に関するお問合せ窓口■
連合(日本労働組合総連合会)
非正規労働センター 担当:松野・加藤・藤川
TEL :03-5295-0555
Eメール :hiseiki@sv.rengo-net.or.jp
総合企画局 担当:奥田・岩城
TEL :03-5295-0510
Eメール :jtuc-kikaku@sv.rengo-net.or.jp
受付時間 :10時00分~17時30分(月~金)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(連合(日本労働組合総連合会)http://www.jtuc-rengo.or.jp / 7月2日発表・同会プレスリリースより転載)