マーサー「2015年世界生活環境調査(Quality of Living Survey) ‐都市ランキング」を発表~「世界生活環境ランキング」首位はウィーン~
・ウィーンが「世界生活環境ランキング」の首位
・ヨーロッパの都市がランキングの上位で優勢
・日本の3都市がトップ50位にランクイン - 東京(44位)、神戸(47位)、横浜(48位)
・新興都市が順位を上げる
マーサーは「2015年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」を発表した。調査結果によると、ウィーンが前年と同じく、世界で最も生活環境水準が高い都市となった。全体では、ヨーロッパの都市と共に、オーストラリアとニュージーランドの主要都市が世界生活環境ランキングの上位を占める結果となった。2位にチューリッヒ、3位にオークランド、4位にミュンヘンが続いている。5位は北米で最も生活環境水準が高いバンクーバーとなり、この地域で唯一トップ10位に入る結果となった。アジアではシンガポール(26位)、中東・アフリカではドバイ(74位)が各々の地域での最高位となった。中南米ではウルグアイのモンテビデオ(78位)が地域で最高位となった。日本では、東京(44位)が最高位となり、神戸(47位)、横浜(48位)、大阪(58位)がそれに続く結果となり、昨年比の順位に大きな変動はなかった。
マーサーは、多国籍企業やその他の組織が駐在員を海外に出向させる際の報酬を公平に決定する基準となる「世界生活環境調査(Quality of Living Survey)」を毎年実施している。海外駐在員のインセンティブとして、ハードシップ手当と海外勤務手当(モビリティープレミアム)がある。マーサーの世界生活環境レポートは、世界440都市以上のハードシップ手当に関する有益な情報を提供している; 当都市ランキングは、その内の230都市を対象としている。
「新しい国への、短期または長期の赴任は、海外駐在員やその家族にとって刺激的で挑戦的な経験です。」マーサーのプリンシパルであるスラジン・パラカティル氏は述べている。「文化、社会、多少とも異なる気候および政情不安、高い犯罪率、不十分なインフラは、海外駐在員やその家族が順応することを難しくするかもしれません。企業は従業員やその家族が移住により、どのような生活環境の悪化に直面するかどうかを評価し、適切に報酬に反映されていることを確認する必要があります。」
パラカティル氏はこう続ける。「昨年度の調査と同様に、新興都市は、ますます従来のビジネス・金融センターの競合となっていると認識しています。これらの「セカンドティアの新興都市」は生活環境水準の改善のため、特にインフラに投資を行っており、その結果、より多くの外国企業を誘致しています。」
<地域別分析>
ヨーロッパ
経済成長の懸念に関わらず、西ヨーロッパの都市は、引き続き、海外駐在員と企業にとって安定した環境を提供している。ウィーン(1位)にチューリッヒ(2位)、ミュンヘン(4位)、デュッセルドルフ(6位)、フランクフルト(7位)が続いている。ジュネーヴが8位、コペンハーゲンが9位とそれに続き、西ヨーロッパの7都市が、トップ10位中に入る結果となった。西ヨーロッパで最下位の都市はベルファスト(63位)、アテネ(85位)となっている。中・東ヨーロッパの生活環境水準は、都市によりさまざまである。最高位の都市は、プラハ (68位)、ブダペストとリュブリャナ(共に75位)となった。新興都市であるポーランドのヴロツワフ(100位)は、文化・社会環境が好調であり、消費財が入手しやすくなっている。この地域の最下位の都市は、 キエフ (176位)、 ティラナ(180位)、 ミンスク(189位)となっており、キエフは政情不安およびウクライナ問題の影響で、大きく順位を落としている。
南北アメリカ
北米では、カナダとアメリカの生活環境水準は引き続き高い。バンクーバー(5位)がこの地域の最高位となり、その後に カナダの都市のトロント(15位)、オタワ(16位)が続く一方、アメリカの都市の最高位は、サンフランシスコ(27位)、ボストン(34位)、 ホノルル(36位)という結果となった。メキシコの最高位の都市は、モンテレイ(109位)となり、メキシコシティは126位にランクインした。北米地域の最下位の都市は、ハバナ(193位)、ポルトープランス(228位)となっている。
南米では、モンテビデオ(78位)、ブエノスアイレス(91位)、サンティアゴ(93位)が最高位の都市となる一方、ラパス(156位)とカラカス(179位) が最下位となった。 ブラジルでは、マーサーが新興都市と位置づけるマナウスが127位にランクインした。マナウスは、既に好調な産業センターであり、その経済特区(Free Economic Zone)における豊富な消費財の供給、比較的高度なインフラは、マナウスの海外駐在員子女向け外国人学校の数不足および遠隔性の影響をある程度和らげている。
アジア・太平洋
アジアは、生活環境水準の差が最も大きい地域であり、最高位のシンガポールは26位、最下位のタジキスタンのドゥシャンベ(214位)となった。東アジア地域の都市のランキング上位は、東京が44位;この地域のその他の主要都市は、香港(70位)、 ソウル(72位)、台北(83位)、 上海(101位)、 北京(118位)という結果となった。この地域における注目すべき新興都市は、韓国のチョナン(98位)、 台湾の台中(99位)である。中国の都市の西安と重慶(共に142位)もまた、新たなビジネス拠点として浮上している。これらの都市の生活環境水準改善の最大の課題は、安全な水の供給と大気汚染である。一方で、通信・消費分野の発展がこれらの都市のランキングに多少とも良い影響を与えている。
東南アジア地域の都市のランキング上位は、最高位のシンガポールに続き、クアラルンプールが84位;この地域のその他の主要都市は、バンコク(117位)、 マニラ (136位)、 ジャカルタ(140位)という結果となった。南アジア地域では、コロンボ(132位)が最高位となり、その後に、インドの新興都市のハイデラバード (138位) とプネ (145位)が続いている。これらの都市は、同国の従来からのビジネスセンターであるムンバイ(152位)とニューデリー(154位)より上位にランクインしている。近年のムンバイとニューデリーにおける急激な人口増加は、安全な水の利用、大気汚染、交通渋滞などを含む、従来の問題を大きくしている。
太平洋地域では、ニュージーランドとオーストラリアのいくつかの都市が世界生活環境ランキングの上位となり、オークランドは3位、シドニーは10位、ウェリントンは12位、メルボルンは16位にランクインしている。
中東・アフリカ
中東・アフリカ地域では74位のドバイが最高位となった。アラブ首長国連邦のアブダビ(77位)、モーリシャスのポートルイス(82位)がそれに続いている。南アフリカでは、新興都市のダーバン(85位)が、同国の従来からのビジネスセンターであるケープタウン(91位)とヨハネスブルグ(94位)より上位にランクインした。ダーバンは、質の高い住居、豊富なレクリエーション、消費財の入手しやすさにより、ランキング上位となった。一方で、この都市の犯罪問題が、トップ50位入りを妨げている。
ランキング230位のバグダッドは、この地域ならびに世界生活環境ランキング全体の最下位となった。
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(マーサージャパン株式会社 http://www.mercer.co.jp/ /3月4日発表・同社プレスリリースより転載)