労務行政研究所、2011年賃上げの見通し―労使、学識者451人アンケート調査
民間調査機関の労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、1974年から毎年、来る賃金交渉の動向を把握するための参考資料として、「賃上げに関するアンケート調査」を労・使の当事者および学識経験者を対象に実施している。
今回の調査結果によると、2011年賃上げの見通しは、全回答者451人の平均で「5316円・1.72%」(定期昇給分を含む)となった。厚生労働省の昨2010年主要企業賃上げ実績(5516円・1.82%)を、やや下回る水準である。
労使別にみた平均値は、労働側5345円・1.73%、経営側5356円・1.73%であり、賃上げ率の予測は労使で一致した。また、自社における2011年定期昇給については、経営側の85%が「実施予定」としている一方、ベースアップについては71%が「実施しない予定」と回答。労働側でも、ベアを「実施すべき」は32%にとどまり、労使ともベアの実施は厳しいという見通しを抱いている。
< 調査要領 >
1.調査時期: 2010年12月7日~2011年1月12日
2.調査対象: 被調査者4828人(内訳は下記のとおり)
◇ 労働側 東証第1部および2部上場企業の労組委員長等1959人(労組がない企業は除く)
◇ 経営側 東証第1部および2部上場企業の人事・労務担当部長2025人
◇ 学識経験者 主要報道機関の論説委員・解説委員、大学教授、労働関係専門家など844人
3.回答者数および集計対象:
1月12日までに回答のあった合計451人。
対象別内訳は、労働側201人、経営側143人、学識経験者107人
4.集計要領・方法:
賃上げ額・率は東証第1部・2部上場クラスの一般的な水準を目安に回答いただいたもので、定期昇給込みのものである。「賃上げ額」 「賃上げ率」はそれぞれ別個に調査し、具体的な数値の記入があったものをそのまま集計したため、両者の間には必ずしも関連性はない。
◆ 詳細は以下をご覧ください。(PDF)
http://files.value-press.com/data/2076_F4wtdO390g.pdf
財団法人労務行政研究所 https://www.rosei.or.jp//同社プレスリリースより転載