産業能率大学
2009年度新入社員に見る ゆとり世代の特徴
6月に発表した「2009年度新入社員の会社生活調査」を年代別にクロス集計し、ゆとり世代(1987年度生まれ以降=21歳以下)と、22歳以上の層を比べてゆとり世代の特徴を見出しました。
【 ゆとり世代の特徴 】
■ 「指示待ち」でミスが怖い
・ 上司の仕事は「指示を出すこと」 41%
・ 責任ある仕事は「不安」 70%
■ 就職先は“中身”より“外見”重視
・ 企業風土より、所在地、給与、企業規模を優先
■ 自分自身を伸ばしたい
■ 転職は「挫折」 48%
学習内容の削減や完全週休二日制など「ゆとり教育」を受けた世代について、1987年度生まれが「ゆとり第一世代」と言われています。順調に進むと、「ゆとり第一世代」は現在大学4年生で、来年から大卒社員でもこの世代が社会に出ることになります。一方で、高校卒業、あるいは高等専門学校や短期大学の卒業者は、すでにこのゆとり世代が社会に出ています。
学校法人産業能率大学は毎年、産能マネジメントスクールにおける新入社員研修の参加者を対象に調査を行い「新入社員の会社生活調査」としてまとめており、今年度は6月に発表しました。そこで、今年度の新入社員調査について、「ゆとり世代」(21歳以下)と、それ以外の世代の意識を比べてみました。なお、同じ「新入社員」ではありますが、ゆとり世代は高卒・高専卒・短大卒、それ以上は大卒であり、サンプルにやや偏りがあることに留意が必要です。
【 分析結果のポイント 】
■ ゆとり世代は「指示待ち」
上司の仕事で、「部下の報告を受ける」、「部下に指示を出す」、「部下からの相談にのる」の3つのうち一番大事だと思うものを聞いた質問では、「部下に指示を出す」の回答はゆとり世代(21歳以下)が41%ある一方、22歳以上は30.0%。また、同様に、上司に仕事の相談をする場合に、指示、判断、意見・アドバイスのどれを求めるのが適切だと思うかを聞いた質問でも、「指示を求める」についてゆとり世代は上の年齢層より高い数値が出ていました。
■ ゆとり世代はミスが怖い
新入社員のうちから責任ある仕事を任せられることについて、「やる気が出る」か「不安」かの二者択一で聞いた質問では、ゆとり世代は「不安」70%に対し「やる気が出る」は30%。22歳以上の層では「不安」は52.8%にとどまっており、20ポイント弱も「不安」が高い結果が出ています。
■ 企業風土より所在地・給与水準・企業規模
就職先を選ぶ際に重視した項目では、「仕事内容」「業種」が1位、2位でしたが、3位は「所在地」、4位に「給与水準」、5位に「企業規模」。22歳以上では約47%で3位に入っていた「企業風土」は、ゆとり世代では7位でわずか15%でした。
■ 自分自身を伸ばしたい
働くことに対して求めるものとして、「自己実現」「社会の役に立つ」といった項目は22歳以上と比較すると低く、「人間としての成長」が高い結果が出ています。そのほかの質問でも成長欲求が高いと考えられる結果がでていました。
■ 転職は「挫折」
転職のイメージについてゆとり世代は「キャリアアップ」(52%)と「挫折」(48%)が拮抗、22歳以上ではこれが75%、25%と大きく開きがあります。
※ 本リリースの詳細はこちらをご覧下さい
学校法人産業能率大学 http://www.sanno.ac.jp//同社プレスリリースより抜粋・8月25日