新卒採用における採用サイト利用実態調査(2024年度版)
企業の自己応募を増やすための採用サイトの制作を強みとするウェブ制作会社ベイジでは、求職者や採用人事に関する様々なリサーチ活動を自主的に行っています。
その一環で、「新卒採用における採用サイト利用実態調査」を2024年12月に実施しました。その分析レポートをこちらで共有します。採用サイトの活用について検討中の企業の皆様の参考になれば幸いです。
■ 調査背景
早期化・オンライン化が進む就職活動の中で、学生が企業を知る初期段階の情報源は多様化しています。採用サイトに限らずSNSや就職情報サイト、口コミを通して、企業の実態を伝えることが以前よりも困難になりました。情報が分散する反面、深い情報を入手することが困難となる中で、あらためて公式の採用サイトが信頼性と詳細性を担保するメディアとして注目されています。こうした状況を踏まえ、本調査では「学生はどのように採用サイトを利用し、何を求めているのか」を深掘りし、具体的な傾向を明らかにすることを目的としました。
■ 調査結果
● 企業と求職者の接点
最終的に入社した企業との接点として、「複数企業が集まる合同説明会」が22.86%、「就活サイトの求人情報」が17.92%と高い割合を占めました。一方、「ダイレクトリクルーティング」や「リファラル」、「採用サイトからの自己応募」は少ないものの、企業との接点の多様化が進んでいることが分散した状況から伺えます。
● 採用サイトの利用動向
最終的に入社を決めた企業について、就職活動中に採用サイトを閲覧した学生は81.92%に上りました。これは中途採用の調査結果(60.99%)と比較しても高く、社会人経験の薄い新卒採用において採用サイトがより重要な情報源となっていることが分かります。
● 企業認知と採用サイトの関係について
エントリーした企業のうち、就職活動前から名前を知っていた企業の割合は、「7~9割が知っていた」が26.11%、「4~6割が知っていた」が25.03%でした。多くの学生は、知名度の高い企業にエントリーしつつ、就活中に初めて知った企業もエントリーの検討対象に入れていることが伺えます。
一方で就活前から名前を知っていた会社と、知らなかった会社で、採用サイトの利用傾向に違いがあるかも調べてみましたが、結果として「名前を知っていた会社」のほうが見られやすい傾向はあったものの、大きな差はありませんでした。つまり認知がなくても、採用サイトは等しくみられる傾向が強いと考えられます。
● 採用サイトの訪問タイミング
採用サイトを閲覧し始めた時期は、大学3年生の間が過半数を占めました。特に「大学3年生の4月~6月」が16.34%と最も多く、インターンシップ情報の公開時期と重なっています。一方、大学1~2年生で閲覧を始める学生も25%程度存在し、早期から情報収集を行っていることが分かります。そのため採用サイトはいつ訪問されても良いよう、情報量を厚く保っておくことが重要と言えます。
● 採用サイトの平均閲覧時間
採用サイトの1回の訪問での閲覧時間についても尋ねると、70%ほどが「5分~10分程度」で、20分以上見る層も25%ほど存在することがわかりました。
「最近の学生の情報収集チャネルは多様化しており、ウェブサイトをじっくり見ない」という印象論もありますが、実際はそれなりに時間をかけて確認されている傾向にあると言えます。「どうせ読まれないから情報量を減らして見た目に力を入れよう」という判断は、悪手になっているかもしれません。
● 口コミの影響(約200文字)
口コミサイトで評判を確認しましたか?という設問では、「必ずした・時々した」を合わせると64.71%と、半数以上が口コミを見ていることがわかります。これは中途採用における調査よりも、若干高い数字です。
● 採用サイトへのニーズ(約200文字)
「募集要項」が39.85%、「仕事内容」が30.35%、「福利厚生」が22.83%というトップ3になっています。それに続いて、事業内容、職種紹介、企業情報、社員紹介が10%を超えていました。ここまでの情報は採用サイトでも最低限は用意しておくべきでしょう。
■調査概要
調査対象:2025年以降に卒業予定の大学生・短期大学生(就職活動経験者)、もしくは卒業後3年以内の既卒求職者
回答人数:1,842名(男性 647名/女性 1,195名)
調査時期:2024年12月06日 ~ 2024年12月19日
調査方法:アイブリッジ社『Freeasy』を用いたインターネットリサーチ
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社ベイジ /3月12日発表・同社プレスリリースより転載)