企業におけるリスキリング施策の実態調査 (2024年3月版)
~成果を実感している企業では「昇給・昇格」「一時的なインセンティブ」の実施率が80%以上~
「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループのパーソルイノベーション株式会社 Reskilling Camp Company(本社:東京都港区、Reskilling Camp Company代表:柿内 秀賢)が展開する、リスキリング支援サービス『Reskilling Camp(リスキリング キャンプ)』は、全国の企業にお勤めの方を対象に、「リスキリング施策」に関する定点調査を四半期ごとに実施しています。
5回目となる今回は新たに、リスキリング施策の学習推奨時間の設定状況や、リスキリング施策後の昇給の実施状況などを、聴取しましたので調査結果をお知らせします。
※本調査でいうリスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
■調査サマリー
✓リスキリング施策の実施率は43.0%で、前回調査に引き続き4割以上を維持した
✓前回調査(2023年12月)に引き続きリスキリング施策に成果を実感している企業は70%以上となった
✓リスキリング施策の学習推奨時間は“業務時間内” が75.8%となった
✓リスキリング施策の成果を実感している企業では、
「リスキリング施策後の昇給・昇格」や「一時的なインセンティブ」の実施率が80%以上であった
■調査結果
✓リスキリング施策の実施率は43.0%で、前回調査に引き続き4割以上を維持
所属企業において、「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか︖」と尋ねたところ、「実施した」との回答は、前回の40.9%に比べ2.1pt増加し、今回は43.0%となりました。
企業規模別でみると、大企業では、「実施した」との回答は前回と変わらず57.3%、中小/スタートアップ企業では、今回は33.2%となり(前回34.6%)リスキリング施策は、引き続き大企業が先行して取り組んでいる実態が伺えます。
✓重視するスキルは前回に引き続き「データ活用」がトップ
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「重視されるスキルは何ですか?」と尋ねたところ、1位は「データ活用(39.4%)」、2位は同率で「ITプロジェクトマネジメント(33.9%)」「セキュリティ(33.9%)」、3位は「リーダーシップ(33.6%)」となりました。
企業規模別の回答を見ると、大企業では1位は「データ活用(46.9%)」、2位は「ITプロジェクトマネジメント(42.2%)」3位は「クラウド活用(41.5%)」、に対し、中小/スタートアップ企業では1位は「セキュリティ(31.5%)」、2位は「データ活用(30.8%)」、3位「リーダーシップ(30.0%)」となりました。企業規模問わず重視するスキルにデータ活用が注目されていることが伺えます。
✓リスキリング施策に成果を実感している企業は70%以上、前回調査と同水準
所属企業が取り組むリスキリング施策において、成果実感について尋ねたところ、「大きな成果が実感できた」との回答は、12.3%(前回16.4%)という結果でした。また、「成果を実感できた」との回答は、昨年5月からの調査内で過去最多の59.6%(前回56.9%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は前回調査に引き続き、全体で70%以上となりました。
✓リスキリング施策の学習推奨時間は“業務時間内” が75.8%
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「学習推奨時間は設定されていますか?」と尋ねたところ、「定められている」との回答は64.3%、「定められていない」との回答は33.2%となりました。
さらに、リスキリング施策において1週間の学習推奨時間について尋ねたところ、「業務時間内で3時間以上~10時間未満」が39.3%でトップとなりました。「業務時間内」でのリスキリング施策は合計で75.8%となり、多くの企業が業務時間内に行っていることが分かりました。
✓リスキリング施策の成果を実感している企業では、「リスキリング施策後の昇給・昇格」や「一時的なインセンティブ」の実施率が80%以上であった
所属企業が取り組むリスキリング施策において、優遇制度の状況について尋ねたところ、「一時的なインセンティブ付与」との回答は44.0%、「リスキリング施策後の昇格」との回答は36.5%、「異動希望の受理」との回答は30.3%となりました。
また成果実感別でみると、成果を実感している企業では、「リスキリング施策後の昇給」「リスキリング施策後の昇格」「一時的なインセンティブ付与」の実施率が80%以上であることが分かりました。
✓リスキリング施策を行っていない企業の約半数は必要性を感じていない
リスキリング施策を行っていない企業に所属している方を対象に、「リスキリング施策に必要性は感じていますか?」と尋ねたところ、「必要性を感じている」との回答は33.3%、「必要性を感じていない」との回答は49.4%となりました。
また、リスキリング施策を実施しない理由について尋ねたところ、1位は「検討が進まない(51.9%)」、2位は「時間がない(37.7%)」、3位は「予算がない(36.8%)」となりました。
■まとめ
リスキリングを上手に取り入れている企業の特徴を、さまざまな角度から確認することができました。OJTとOFFJTのバランスや業務時間中の学習推奨時間、かけている予算などの項目に、成果実感を掛け合わせた分析を行いました。
本調査結果を各社での取り組み検討にご活用くださることで、日本のリスキリングの取り組みが前進します事を切に願います。
■調査概要
調査手法︓インターネットリサーチ Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象︓全国の企業にお勤めの方
調査期間︓2024年2月29日(木)~2024年3月1日(金)
対象人数︓660
企業属性︓※大企業︓従業員数が300人以上の企業
※中小企業とスタートアップ︓従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない。
※製造業:電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業、電気機械器具製造業(上記に含まれないもの)、その他製造業
※通信情報サービス:通信業、情報サービス業、その他の情報通信業
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(パーソルイノベーション株式会社 / 3月26日発表・同社プレスリリースより転載)