未経験転職調査
未経験求人が2018年度比で3.2倍に増加。2022年度で急増 新たな業界・職種へチャレンジできる機会が増加
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、転職支援サービス『リクルートエージェント』の求人の「仕事の内容」に「未経験」という単語が含まれる求人を未経験求人と定義し、コロナ禍前の2018年度を起点とし推移をまとめました。以下、結果の概要をご報告いたします。
これまで未経験という言葉は、「職種未経験」を指すことが大半でしたが、最近では業界も職種も未経験という求人も増えています。未経験求人は、職種経験を問わない求人(明確に業界を指定しないものも含む)だけでなく、業界・職種どちらの経験も問わない求人と捉えることができます。
「職種未経験」でも求めるスキルや経験は存在
より本質的な「スキル・経験や学習スタンス」で採用する動きが加速
解説:HR 統括編集長 藤井 薫
今回、『リクルートエージェント』の求人分析から、「未経験求人」数の大幅な増加が明らかになりました(2018年度比3.2倍)。
特に、ここ一年の急増は目を見張るものがあります(2018年度比で、21年度1.6倍から22年度3.2倍)。業界別、職種別に見ても、全ての領域で「未経験求人」が急増していることが見て取れます。増加をけん引しているのは、急激なデジタル変革ニーズの拡大やコロナ禍後の需要回復に、人材供給が追い付かないIT通信業界・インターネット業界や、エンジニア職、営業職、接客・販売・店長・コールセンター職です。
こうした「未経験求人」を加速する企業では、未経験者を採用し、研修や教育を通じ育成する採用、いわゆる、「リスキリング採用」の動きも強めています。同時に、前職の業界や職種を問わず採用する企業が増加しており、求職者にとっては新たな業界・職種にチャレンジできる機会が増えています。
求人の内容を細かく見ると、「職種未経験OK、〇〇業界経験者歓迎」や「エンジニア経験は求めるが、〇〇言語による開発は未経験でOK」「職種業界未経験OK、新たなスキル習得経験を歓迎」など、「経験・未経験の領域」「保有スキル」「自己研さん・学習スタンス」に対する“解像度の高い人材要件”が多く見られます。
このように、「キャリア採用」における「未経験求人」は、量・質ともに新たな転換期を迎えています。【「キャリア採用」は「経験者採用」だから「業界・職種未経験者」は採用しない】という常識に代わって、これからは【「キャリア採用」は「経験者採用」だからこそ「業界・職種未経験者」のラベルにとらわれず、より本質的な「スキル・経験や学習スタンス」で採用する】へ、より解像度が高まり、深化していくはずです。
企業は求める人材要件において、これまでの「前職の業界・職種経験の有無」の記述を、「スキル・経験や学習スタンス」の粒度に因数分解し、解像度高く記述すること。「スキル・経験や学習スタンス」があるのに、「業界・職種未経験者」は採用されないという常識にとらわれて動けない人に広く深くメッセージングすること。それこそが、企業が本当に求める入社後活躍人材の「キャリア採用」の成功のカギとなるでしょう。
<調査概要>
調査方法:リクルートエージェントの求人分析
調査対象:リクルートエージェントの求人
有効回答数:非公開
調査実施期間:2023年10月~2024年1月
調査機関:リクルート
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルート/ 1月31日発表・同社プレスリリースより転載)